頑張った子どもへかける母の言葉
明日は札幌市内の公立高校の合格発表の日です。
きっと今頃、ドキドキしている人がたくさんいるのでしょう。
もし、これを受験生のお母さんが読んでいるとしたら、強く伝えたいことがあります。
まず、受かっていたら、もちろん手放しで大喜びしてください。
当然です。最高に幸せな瞬間です。
私はたぶん無理だったと言っていた息子から合格したと連絡が来た時、人生で1番は大袈裟かもしれませんが、2番目か3番目くらいに最高に嬉しいという気持ちを味わいました。
自分のこと以上に嬉しいことってたくさんあるのだと、子育てをしていて、何度も経験することができました。
そんな大きな節目になるはずです。
ただし実際はあなたのことではないので、自分が子ども以上に浮かれることなく、「子どもが頑張ったこと」を、しっかり褒めてください!
主役は子どもですから。
間違っても、自分の手柄のように喜ばないように(笑)
そして、これから書くことの方が最も伝えたいことです。
それは、もしも思うような結果ができなかった時。
間違っても、
「あーあ」と声を出したり、がっかりした態度を取らないでくださいね。
だって、あなた以上にもっと深く傷つき、誰よりもがっかりしている人がいるのです。しかもそれはまだ、たったの15年しか生きていない子どもです。
そんな子どもが、おそらくは人生初の、そして最大の挫折を味わっているのです。その横で、あなたががっかりした姿をさらけ出すことは、頑張って全力で避けてください。
だってそうしないと、「母を悲しませて申し訳ない」といった、もうひとつのマイナスの気持ちが発生してしまうのですから。
「そっか。仕方ないね」
とまずは明るめに言ってください。必要以上に明るくてはだめです。
あれ、どうでもいいのかなと思われてしまいます。
本当はがっかりしているの。でもね、あなたを励ましたいから明るく振舞っているのよ、という気持ちがにじみ出るくらいで大丈夫。
むしろ、それがちょうどいい明るさです。
そして、できれば肩をギュッとしてあげてください。ハグまではしなくていい。ちょっと大袈裟になるから。
そしてこう伝えるのです。
「君は頑張っていたよ。だからこそ、希望した高校に入ってくれたらいいなって、お母さん、本気で願っていたよ。
でもね、聞いて。前にね、本で読んだことがあるの」
(本で読んだのは嘘ですが、方便です)
「人はね、出会うべき人に会うために、行くべき場所に行くんだって。
だから、あなたが実際に行くことになる高校は、確かにね、あなたが希望した場所ではないかもしれないけれど、でもね、きっとそこに、あなたの人生にとってとても大切な、あなたの出会うべき人がいるんだと思うよ」
そして一呼吸おいてください。
「慰めにならないかもしれないけどさ、行くべき場所って、最初からわかっているものじゃないし。だからきっと、もしかしたらこの出来事はね、そんな風に、君が本当に出会うべき、人生の大切な友達とか、彼女とか、それはわからないけれど、とっても大事な存在になる人が、きっと君がこれから行くことになる場所に待っているんだって。お母さんはそう思うの。
そしてね、きっと君が卒業するときに、この人たちと出会うためにここに来たんだって。心からそう思う日が来るんじやないかな」
そしてそっと頭を撫でながら、
「とは言ってもね、今はとても悲しいと思うから、うんと泣いていいよ」
そこまで言うと、きっとお母さんは涙が浮かんできちゃうのです。
「そこに行くために、ずっと頑張っていた君のことを、ちゃんとお母さんは見ていたよ。だから大丈夫。泣きながらでいいから、自分のことを誇りに思ってね」
そう言って、ぎゅっとハグして、一緒に泣いてください。
うん、これ、実話なんですけどね(苦笑)
まあ、高校ではなくて、大学受験でしたが。
もしかしたらあなたは子どもに対して、
実際は、もっと頑張ることできたよね?
結構余裕ぶっこいて、ゲームしていたよね?
と思っているかもしれません。
だけど、それはぐっとこらえて欲しいのです。
たしかに足りなかったかもしれないけど、きっとその子はどこかで頑張ったシーンがあったはずです。
お母さんから見たらぜんぜん努力足りなくて、頑張ってないように見えたかもしれない。だけど、本当に、子どもは子どもなりに頑張った時間は絶対にあったのです。
だからそれをとにかく褒めてください。
この先の人生で、
「俺なんてどんなに頑張ってもどうせダメなんだから、頑張るなんて無駄なことはしなくていいや」
と思って生きていくのか。
「頑張ってダメだったとしても、認めてくれる人がいるんだ。見ていてくれた人がいたんだ。結果はどうあれ、頑張ることは意味があったんだ。
だから努力すること忘れずに生きていこう」
と思って生きていくのか。
それが、「お母さんの言葉」で決まるとしたらどうしますか?
お母さんの言葉がどれほど、子どものその後の人生に大きな影響力を与えているのかを、潜在意識を学べば学ぶほど理解できて、恐ろしくなりました。
だから、
「もうちょっと頑張ればよかったのに」とか、
「あんたなんて、どうせそうなると思っていたよ」とか、
「ほら、みなさい」とか。
全部うちの母親が言いそうな言葉。というか、実際に言われました(笑)
こんな言葉を言われ続けた子どもは、いじけて自己評価が低くなり、どうせ自分なんて、と考える癖を払拭するのに、50年もかかりますから(笑)
だから、お願いです。
かつての私が願っています。
あなたは頑張った。
それはちゃんと見ていた。
神様だってわかっている。
だからきっとこの先の人生で良いことが待っている。あなたが行くべき場所が、あなたの出会う人がいる場所だから、大丈夫だよ。
優しくそう慰めてあげてください。
きっと、そんなことをわざわざ私が書かなくても、皆様そうできていると思うのです。
でも、ときどき、とんでもない暴言を吐いているお母さんを見ると、心が痛んでしまうのです。
いわゆる、インナーチャイルドってやつなんですけどね。
私の子どもはかつて、ものすごく頑張って頑張って。
それで志望校に落ちてしまったとき、信じられない位、泣いていました。
私は彼のことをぎゅっと抱きしめて、上に書いた内容の言葉を言いました。
それでほんの少しですが、彼は泣き止んでくれました。
彼は卒業するときにめちゃくちゃ笑顔で、本当にこの大学が大好きだと言いました。あの大学に入ってよかったと、心から思っていたようでした。
本当によかった。
希望する学校に行けなくても、それはもういいやって思える日がちゃんと来るのです。そうなってほしいのです。
ついでにもうひとつ。これは、娘の大好きな言葉です。
(彼女の部屋の壁に貼ってあります)
「どの道を選んだかじゃない。
選んだ道でどう生きるかだ」
誰かの格言らしいのですが。
つまりそういうことです。
とにかく本人と、そしてご家族の皆様、1年間ご苦労様でした(*^^*)