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ラストマイルを見て、安く便利に手に入るほうがいいという価値観を見直したいと強く思う

昨日「ラストマイル」を見てきました。

もともと「アンナチュラル」が好きだったので(縄文好きでおなじみ井浦新さんが出ています)その世界観なのできっと面白いだろうと。
そして期待通りでした。

海外のドラマだと、同じ設定の別のドラマ間で互いのキャラが出演しちゃうことはよくありますが、日本だと珍しいですよね。

ラストマイルとは、物流の最後の一マイル、つまり、末端のドライバーさんがお客様の自宅に荷物を届ける距離のこと。
自分たちが買い物に行かず、荷物が自宅に届く便利な社会の裏で、こんなことになっているのだと考えさせられます。

流通業界に限らず、この社会はいつも、末端が一番しんどいことをさせられているのに一番給料が安くて、一番遠い場所で何かを決めている人たちが一番お金をもらっている。
システムを作るのも管理するのも責任を取るのも判断するのも大変ですから、経営者や役員さんたちが給料が高いのはわかるのです。
でも、分配率間違っているとは思います。

仕事だって、下請けのそのまた下請けのと動くうち、下請けに仕事を丸投げしたり、責任押し付けが横行しているだろうし。
なのに、実際の業務は下請けが実施しているにも関わらず、ただ丸投げしただけの中間にいる企業もちゃんとお金をおいしくいただいている。
いや、それだって必要なんだってわかるんですよ。
でもね、一番しんどいことしている人が一番扱いが低くて、給料も低くて、あげくにいわゆる底辺だなんて言われちゃう。

先日、ゴミ収集の仕事をしている方が、親戚に底辺の仕事だと言われたとつぶやいていて、底辺の仕事の一覧として、「オペレーター」と掲載されていて、あ、底辺って認識なんだ(汗)と思いました。

確かに、精神が壊れちゃうようなことを延々と言われちゃったり、企業の不祥事に関して、直接消費者さんからダイレクトに暴言吐かれる仕事ですからね。

いなす方法を知っているので、受け取らずに流すことができるし、ハードクレーマーさんが最後に「色々ひどいことを言ってごめんなぁ」と言って切ってくれたら、なんか勝ったって気持ちになるし(笑)

社会の縮図のようでお勉強になると思っているので私自身は辛くないけれど。
ああ、これって社会から見ると底辺のお仕事なのかと、さすがに気持ちよくないな、と。
実際に何か不祥事のニュースが見るたびに、その会社のオペレーターさんかわいそうってなります。
底辺と思われていてもなんでもいいですけどね。
でも、なんでしょうね、その感覚。

レストランなどで店員さんが自分の下僕か何かと思っているのかな?という態度を取っている人を見かけると、ノットエレガント(ヘンダーソン先生?)と思います。
誰に対してもリスペクトをしていられる自分でいようとも思うし。

この脚本家を含めた制作された方たちには、全世界への愛というか、リスペクトを感じるのです。
そこがとてもいい。

実は密かに、社会の問題って、給料をもっと上げれば全部済むじゃん。
とくに末端というか一番苦労している人がたくさんお給料をもらえる制度になればいいと。
こどもの貧困が問題になっていて、子ども食堂に寄付しようとあるのを見て、それを政府がやっているのを見て。
そもそもシングルマザーができる仕事が限られている上に、その給与がこどもを育てるのに十分じゃない金額設定が間違っていると感じるのです。

能力給的なことを言うけれど、厳密に調べたら、仕事内容がパートさんとそれほど変わっていない、なんならパートさんのほうがもっと難しい業務をしているなんて場合もたくさんあるわけで。
いや、細かいところをつついてすいませんってなるけれど。
シングルマザーが職を探す時のハロワで出てくる時給の安さよ!!と絶望的な気持ちになるのでね。

介護だって保育士さんだって、もっともっとお給料をもらっていいはずなのに、なんでそんなに安いの?とびっくりします。
ほんとうの意味で等価交換として給料というものが支払われていけばいいとずっと思っているのです。

良質の商品だとコストがかかり、価格競争で負けてしまうので、良質のものを作れないとか、経費削減で気軽にリストラするとか、人の命より流通が優先とかね。

映画の中で、お昼を食べる時間もまともにとれず、頑張って配達していた人が最後は亡くなった(おそらく過労死的な)エピソードが出ていて。
あんなに必死で配達しているのに、ブラックフライデーだっけ?そりゃあ地獄だろうさってなります。

安いには理由がある。
そこでもっともカットできるのは下請けや派遣社員のような弱者と呼ばれる人たちの報酬金額なんだってもっとしっかり認識したら、安いほうがいいとはならない。
それと、価格で選ぶ人は真のお金持ちさんにはなれません(お金持ちの本より笑)

見ているうちに、

そろそろさ、本気で価格が安いことが本当に私たちのしあわせなのか、そのあたりに目を向けようや。
ドライバーにはありがとうっていおうや。
指定した時間通りこないってイライラするのやめようや。
世間様から「底辺」だと蔑まれている仕事をしてくださっている人たちがいるおかげで私たちが便利に暮らしているんだって、ちゃんと考えておこうや。

みたいなことを考えてしまう映画でした。
(なぜか口調がやさぐれている笑)

それでも世界は変わらず明日も同じように続いてしまう。
だけど主人公たちは、ほんのちょっとでも変えていこうとしていくだろう。そして自分もちょっとでも何かを変えていこう。

もっとみんなが豊かになれる、誰かにしわ寄せを押し付けない社会に変えていけるはずだし、そうしていかないといけないって思いました。

関係ないけど、満島ひかりの赤いコート姿、めっちゃ可愛くて、白い雪の中でとても映えていて、うわーってなりました(笑)

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