ショートヘアから覗く耳
Side 月
「月の耳、きれいだね」
痺れる声で囁かれたあと、耳を甘噛みされた。
恋人は耳フェチ。
月が髪を耳にかける仕草を見て、恋に落ちたと言われた。
でも、それだけでは嫌で、半年のお試し交際期間を経て、正式に交際を決めた。
「月、耳見せて」
なんてねだられることもあるけど、髪を耳にかける仕草は、ちょっとした癖。
思いがけず私が髪を耳にかけると、恋人にとってはご褒美かご馳走みたい。
Side 恋人
恋人の月は、耳がきれいだ。
耳フェチなので、髪を耳にかける仕草を見て、一目惚れした。
正直に耳フェチだと言って交際を申し込んだら、半年のお試し交際をしてみてから……と言われた。
耳がきれいなだけではない月を知り、自分のことを好ましく思ってもらえ、正式に交際がスタートした。
今日も、ショートヘアを耳にかけた月を抱きしめる。
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小牧幸助さんの個人企画「#シロクマ文芸部」参加作品です。
「みんなのフォトギャラリー」を“耳”で検索して、印象に残ったイラストから着想を得ました。
イラスト作者のカタカナさん、ありがとうございます!
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※登場人物“月”の名前は、標準語と逆のアクセントです。
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