心底、名古屋に住んでいて良かったこと。(名古屋市美術館「マリー・ローランサンとモード展」)
このタイミングで記事にするのは、遅すぎます。
でも、最終日の前に間に合うのであれば! という思いで書きます。
2023年9月3日(日)まで、名古屋市美術館で開催中の「マリー・ローランサンとモード展」、お勧めです。
既に巡回の終わった東京や京都でご覧になった方にも、もし可能であれば名古屋までお越しいただきたいほどです。
といいますのも、東京や京都の会場では展示されていなかった作品が展示されているからなのです。
マリー・ローランサンの、亡き恋人ギヨーム・アポリネールに対する想いが、そのまま絵になったかのような作品です。
悲哀を感じる作品は苦手という方、共感性疲労の度合いが激しいという方には、お勧めしづらい気がしますが、私はその一作を自分の目で観られただけでも、名古屋に住んでいて良かったと思っています。
「アポリネールの娘」というタイトルを見た時は、アポリネールには(マリー・ローランサン以外の女性との間に)娘が居たのかと思いました。
(マリー・ローランサンの作品が好きでも、細かい知識はないので。)
直後に解説文を読んで、衝撃を受けました。
実在しない人物なんです。
ネット民的表現を使えば、“妄想嫁”ならぬ“妄想娘”。
解説文を読んだ上で、最初に思ったことは、
「でも、何でここまで暗い表情?」
でした。
何かを感じてしまうとつらいことがあるから、鈍いほうが楽。
そんなことを思って、生存戦略的に鈍くなろうとした部分があるとはいえ、人によっては
「あなたに人の心はないの?」
と言われたり、思われたりしそうなことです。
でも、再度観た時は、描いた当時のマリー・ローランサンの心境そのものなんだな……と感じました。
泣けそうでした。
心の中では、泣きました。
アポリネールと恋人同士だった時期があったのも、アポリネールが先に亡くなっていることも、マリー・ローランサンの生涯の一部です。
「細かいことは一切知らないけど、作風は好き」
から、一歩先へ進んで作品鑑賞できました。
会場出口付近のグッズ売場では、関連書籍も販売されていますし、2階の図書室で別の関連書籍を読むこともできます。
色々なご事情で、展示会場をひと通り観る時間を作るのが精一杯の方もいらっしゃるかとは思いますが、最終日、お時間のある方には図書室もお勧めです。
(実は、その図書室では、マリー・ローランサン関係以外のことでもお勧めしたくなる出来事がありました。また別の記事を書く機会を作ります。)
少しでも雰囲気をお伝えするため、撮影OK作品の写真も公開いたします。
画像投稿モードで別記事にし、公開後に当記事に埋め込む予定です。
最終日、(観覧しづらくなるかもしれませんが)大盛況となることを願っております。
名古屋市民の一人として、マリー・ローランサンの作品ファンの一人として。
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撮影OKな展示作品の写真を、アルバム記事にしました。
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「アポリネールの娘」は、名古屋市美術館所蔵です。
でも、常設展で観た覚えはありません。
割と長く、常設展には行かない時期がありましたので、その間に収蔵されたのかと思っています。
もしかしたら、常設展で観た当時、好みの絵ではないと感じてスルーしてしまった可能性もあります。
でも、それなら、マリー・ローランサンの作品でも好きな感じでなかったというのが、印象に残る気もします。
その辺り、ちょっとモヤモヤしているのですが、今後、常設展で「アポリネールの娘」を観られる機会ができると思うと、楽しみです。
心の状態によっては、観るのが難しい時もありそうな作品ですけどね。
とにかく、名古屋市美術館所蔵というのが嬉しい名古屋市民です。
所蔵品にしてくださった名古屋市美術館さま、ありがとうございます。
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