【コラム】サブスクモデルが生んだもの。
新年あけましておめでとうございます。
ちょっくら文章書いてみる。
ココ数年、いろんなものが現れては消え、現れては消え、時代の流れの速さが凄まじいっすよね。
なんかさ、“デジタルトランスフォーメーション”みたいな意識高めな言葉たちが街中を犯しにかかってる。
まあね、フォーメーションっていう言葉通り、各所でいろんな”乗り換え”が起こっているからこそ、こんなに世間が慌ただしいんじゃねえかって思ってるんですけど、その根底にある一つの動きに着目して話したい。
それはですね、サブスクリプションモデル。サブスクモデル。
“使った分だけ支払う”というユーザー視点の文化は、プロバイダー視点に変換すれば、”使われる分だけ提供する”世界になってきている。
もっと共通化して、汎化させて言えば、”持つこと自体がコスト”と考える世界になってきている。
"何を持つのがコストか"っつー観点でちょっとカテゴライズしちゃいまっせ。
例えば、IT世界で言うならば、クラウド、ブロックチェーンの流れが完全にそう。
「物理的なストレージを持つことがコスト」に根付いた脱却解が”クラウド”だし、「権利を持つこと自体がコスト」という考えから派生しているのが”ブロックチェーン”
IT世界も例外ではない。持ちたがらない世界になってきている。
日常に近いところで言えば、生活雑貨を持つことがコストという思想が”ミニマリスト”だし、家を持つことがコストと考えるのが”Airbnb”、車なら”Uber”
“持たない暮らし”という思想の延長線上に"シェアリングエコノミー”という概念でありまっせ、と。
つまり、誰しもが持ちたがらないという状況は、逆に言えば、誰でも持てるという状況と表裏一体であるとも言えるわけでして、誰しもがサービス提供者になりうる時代が到来してしまった。
まだまだあるぜ。
一般人がサービス提供者になれるという意味では、”パパ活”も性のプロバイダーっていう意味では、親戚関係にある。
『誰も持ちたがらない世界が創り出した思想、経済圏がシェアングエコノミーである』
というのがまず第一の主張。
さて、もっと突っ込んでいきたい。
これらの根底にある思想っつーのは言うたら、「つまみ食い」なんですわな。
サブスクで出逢う音楽にエモみは感じにくいのは、”エモ”っつーのは、”プロセス”に紐づくものだからである
っつーのが第二の主張。
ココで言う「プロセス」とは、5W1Hそのもの。
あの日あのときあの場所で情景がこびり付いたモノを「プロセス」と呼び、それが憑依しちゃったモノに主体は「エモ」を感じるのである。
ベッドでストリーミング再生されてきて、偶然出会った音楽には”エモ”は感じない。
旅先でフラッと立ち寄ったバーで流れてくる音楽、隣の女性が
「お一人なんですか?」
「”一人"の定義に依るかな。マスター、この子にえちカクテルを。」
そんなエピソードがついて初めて”エモ”を獲得する。
労力、コストを含んだプロセスとエモはセット。
中学生のときの青春時代で聴きまくったオレンジレンジに”エモ”が付着しているのはきっとそういうことだ。
あの歳でオレンジレンジに触れたからこそ青春の原風景を象(かたど)り、今でも当時を懐かしむ手段となっている。
今の歳で初めて彼らに出会っても、きっと季節モノで終わっていた。
一生続く好きなモノに出逢うにはきっと適正年齢ってもんがあるわけで、昨今のサブスク時代では、この”プロセス"を感じにくくなってきている。
ゆえに、“エモ”を感じにくくなっている。
だってそれはプロセスを簡略化しちゃうのが世の主流になってきているから。
だってそうでしょう。
好きな女の子のメールアドレスゲットするのにどんだけ時間かかったんやワシらって感じやんか。
それが今じゃクラスLINEから速攻ゲットできるわけ。
老害っぽくなっちゃうけど、もっとプロセスを味わってくれって思っちゃうな。
わかる、『恋のサブスクリプション』とか秋元康がそろそろ言い出すよ。
話が逸れたけど、例えば、ARが創り出す試着アプリもキャッシュレスも同じプロセスカットという思想に根付くものなんですわな。
つまり、これらはすべて”クソめんどくさい調達部分をカットする”という思想に基づくものだからであり、悲しいかな、日常生活における調達部分はエモのエッセンスを多く占める部分なのである。
めんどくさいのが肝であり、”エモ”なのである。
「モノを持ちたがらない」という基盤にあるトレンドと「プロセスを簡略化する」という昨今のトレンドをブレンドした潮流の中で、”量”で氾濫するこのモノ消費時代だからこそ、圧倒的”質”を高めていきたい、2020。
2020もよろしくお願い申し上げる。
各位、良いお年を。
#シェアリングエコノミー #サブスクリプションモデル #ブロックチェーン #クラウド