ゆずの新卒VCの3週間目。
今村柚巴、新卒でVCとしての勤めてます。週報という形で自分にとっての学びなぞを描いていきたいと思います。
4月15日(月)(15日目)
2週間がいつの間にか経ち、自分のできなさを悟り、ちゃんと自分に癖をつけるために、毎朝8時に出勤して勉強することににしました。
具体的には、上場企業の四季報と株式変動を見て書き写してます。
とかなんとかかっけえこと言ってますが。
財務諸表、わっかんねえよ!!!!
と泣きかけてたら、
会計士・スタートアップ立ち上げ・ファイナンススタートアップとファイナンスの荒波を走り抜けてきた柿澤さんがオフィスに(本当にふらっと)降臨。
諸事情あって、マルイグループの株式市場を調べており、私が
「マルイって、ショッピングモールだと思ったら売り上げのほとんどがクレジットカードなんですね!」
と言ったところ
そうなの!????
IR資料もしらみつぶしに見たつもりだったけど、全然気づけていなかった内訳。柿澤さんによると
よくわからない方(私もわかりきれてないです)に解説すると(↑ブログを引用しました)
・BSとはBalance Sheet(バランスシート)の略であり、日本語では「貸借対照表」と呼ばれています。会社の財政状態を表す表。
・PLとはProfit and Loss statement(プロフィットアンドロスステートメント)の略であり、日本語では「損益計算書」と呼ばれています。会社の経営成績(儲け)を表す表。
・BSは現時点での会社の状態を表すのに対して、PLは一定期間(例えば1年間)の会社の成績(売上や費用の詳細)を示します。
かなり難しい(実際数字が中心なのでかなりわかりづらい概念)のでふ〜んそんな概念があるんだ〜くらいでいいかもですが、私は職種的に理解できてないとあかんやつです。むしろよく半年やってきたな私。
ただ、この道長い柿澤さんからすると、見るだけで"解る"そうです。
とてもわかるようになりたい、、と唐突に依頼をかけ、その週の金曜日に勉強を行うイベントが確定しました。
ここのスピード感は負けません。
その日の午後はずっと木下さんに時価総額の変動率について教えてもらっていました。
思えば自分は株もやったことがないし時価総額がなぜこのように変動するかもわかりきれてない。ミクロ的な事業も見るのもやらないといけないことだが、大きなお金と市場の動きを理解できるようにならないと。
夜にはニッセイキャピタルのキャピタリストであり肉の卸も行う堀田さんらと共に焼肉へ。若手にも関わらずものすごい数の投資実行を行う堀田さんがかける時間と力の量に改めて圧倒されつつ、「年齢に限らず実力でまくれる業界だけど、逆にどこまでも実力と結果がものを言う世界でもある」という言葉にいい意味でのひりひり、プレッシャー感。
自分は今まで、「たくさんの人を集めることができる」という(ある種の結果)で評価を頂いていたけど。それは逆に一過的な結果でもあるわけで。ちゃんと投資決定、事業への理解の深みという結果を出し続けないといけない。
4月16日(火)(16日目)
木曜日に迫った朝活勉強会に向けて中辻さん(現マジリス、元Base Connect CFTO)のアジェンダ整理。
かなりハイレベルな内容であり(デット=銀行融資)普段触れない額面、方法の調達内容。違う世界だなあと思ってしまうがそうじゃないんだろうな。というかそう見えたとしてもちゃんと意識しないと難しい領域。
夜には青山学院のスタートアップ関係者の若手で集まってみました。久しぶりに高校の話をした。かなり少数派とはいえいるところにはいる。そんな学校です。
4月17日(水)(17日目)
翌日に迫った朝勉強会に向けて、参加してくださる投資先の起業家や学生などの方にヒアリング。
改めて投資先の事業領域とビジネスモデルを理解する。NFTやインフルエンサープラットフォーム、フォートナイトゲームスタジオなど、それぞれがどんなビジネスモデルで、今どのような売り上げを上げているかを再度理解。
ただ、その後に「この人はこう言う事業で、これぐらいの売り上げでした」と木下さんに伝えたところ、「すごいね、それ何割がメイン事業で何割が別の事業?」と聞かれ、答えられなくて焦る。質問の質と精度を上げていきたいと反省。。事業内容の具体成果は理解しないと。
この日、ふと思い立ってポッドキャストを撮ることに。
自分の知らない起業家や、知っていても深くは理解していない起業家の事業をきちんと理解したくて、その口実として始めてみることに。
第一回のゲストはNFTチケット販売プラットフォーム、チケミーを運営するチケ男。
彼の動き出しにあたる2022年5月の、発案→プロトタイプ作成→実装まで役3週間で動いていた、という事実に感動。凄い。ただ、自分もやりたいことがハマった瞬間に尋常じゃないスピードが出る感覚は覚えているのでわかる。
が!しかし!
今回の撮影状況の音響が悪く、ちょっとお出しできないレベルの出来に、、
お蔵入りかなあ。。再度撮り直しますので少々お待ちください。
18日(木)(18日目)
毎週木曜日は朝活日!火曜日に準備したように、マジリス(元Base Connect CFO)の中辻さんがゲスト。
中辻さん曰く、資金調達は広義にいうと営業活動。いい決算資料を作ってお金をもらう、なんていう単純なものではなくて(当たり前だが)1年以上の時間をかけて、徐々に接点を作ったり成長の過程を見せたり、紹介してもらう相手を少しずつずらしたりして。初めてこの額の資金調達ができる。
いいものを作るという圧倒的大前提なことを行いつつ、その上でどのように関係値を作っていくのかを探るのがスタートアップ。
超広義に言えば、私の仕事はその営業を受ける立場にあるわけだから、一瞬の出来や状態は見つつだけどそれにあまり左右されず、本質的に起業家がどれ位変化したのか、事業がどうシャープになっているのかをすこし長い目で見て、投資実行か否かを定めるべきなのではと思いました。今この瞬間の出来だけを見て焦らない。もちろん大事な時もあるけど。焦るな私。
4月19日(金)(19日目)
火曜に決めたイベント、財務を柿澤さんに教わる会、開催。
スタートアップに大事なのは、それぞれの業界のビジネスのゲームルール的なものを把握すること。その上でそのルールをいかに突くかを考えること。
例えばラクスルと通常印刷業の違い。印刷業のルールはあらゆる印刷依頼に応え、印刷を実行して、届ける。という最初から最後まで行うこと。それに対して「印刷の型(A4,A5など)を定めて注文代行は行い、印刷実行は行わないで委託する。型を定めることによって数が多く安く刷れる」という方法をとったラクスルは、まさにゲームのルールを把握した上で、違うルールを捕まえた事例。
一見すると似ている事業内容に見えるし、数値の違いもわからない。とにかく多くの数のBLPSを見て、コナンくんばりの違和感に気づけるようにせねば、、
こればかりは数と、周りの人に聞くことが重要なんだなと思いました。
違和感を感じれずに素通りしながら事業考察をしても埒が明かない気がする。私は自分の弱さに甘んじて人に質問します。
そして、この日の夜19時。投資先のMerlin Chainがトークン取引所に上場しました。
私のSV人生初の上場の瞬間。しかもWeb3、トークン上場はSVにとっても初めて。初めてだらけの日でした。
本当に上場ってできるんだ。しかも冬の時代と言われていたWeb3で。
恐らく我々の仕事は「不可能」と言われているものの中から確実にできる可能性があるファクト(事実)を見つけて、その可能性を最大化する仕事。
無謀なように見える多くの挑戦の中で無謀でないものを見つけることはものすごく難しいけど、しっかり緻密に現実を見定めればできること。その一つの結果がこの上場なのかもしれない。
「Web3は怪しい」「もう流行りは終わった」という表層的な話題にぶらされず、今何が起きているのかを自分の目で見つけねば。今回のディールを決められたGP(SV代表)の袁さん、おめでとうございます。
1週間の総評
なんとなくすごい、なんとなく微妙。
自分がそう思った時、「なんとなく」って何?を自分にもう一度問いたい。そうすれば「なんとなく」の角度が上がる。
周りの皆さんも、私が「なんとなく」と言ってたらその裏側を詰めてください。「なんとなく」の解像度を上げたいのです。
おまけ:4月20日(土)に東京イマーシブフォートに行ってきました。以下にそのVC的な考察を箇条書きしてます。(noteリンクすぐ貼ります)