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「学力格差は問題なのですか?」と聞かれたら・・・

1 学力格差とは何か?

 そもそも格差とは、価格や資格、等級などの程度の違い。
 それを踏まえると、学力格差というのは、個々人を比較するものではなく、A小学校とB小学校、C地区とD地区のような2つの集団を比べたときの平均の差のことです。

図1 学力格差

2 学力格差は問題なのか?

・問題ではないとする立場

 例えばある中学校区に、A小学校とB小学校があるとします。
 この2つの小学校出身者の間にかなりの学力格差が見られたとします。
 でも、教師は目の前の子どもたちに丁寧に関わって、少しでも一人ひとりの学力を上げようと頑張ります。
 つまり、地域の環境によって、学力格差は起こり得るが、そこに問題意識を置くのではなく、目の前の子どもたちの学力をどう上げていくかを大切にする立場です。

図2 問題ではないとする場合

・問題とする立場

 この立場は、同和教育の中で展開してきた立場です。

 同和地区と同和地区外の間の学力格差は問題です。
 なぜならその学力差は、差別的な社会構造によってもたらされたから、学校だけではなく、国の取組を通して、適切な方法で是正に努めるべきです。
 そうでなければ、社会的に平等、公正ではありませんね。
 この是正の取組は、アメリカでは人種差別の撤廃、イギリスでは中三回

図3 問題である場合

3 なぜ社会的平等や公正を重視するのか

 学力を例に挙げて考えます。

 人間の「知能」というのは、「知能の人種差」といったものはありえないと考える立場があります。

 生まれつきの差がないにも関わらず、パフォーマンス(学力)に差が生じるのは、社会構造や仕組み、人々の関係性の有り様が、結果として学力格差を生み出している、と考えます。

 同和地区の子どもは、それ以外の地区の子どもより生まれつき賢くない、というわけではないということです!!

4 最後に

 学力格差が問題視されるのは、同様のパフォーマンスを収めるべき(収めることが望ましい)人々の間にある格差が、社会構造や仕組みなどの差別による場合です。


 ただ現代社会では、同和地区の子どもだけではなく、ヤングケアラーや虐待などの子どもたちの学力格差などの問題も出てきています。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

・参考文献

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