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放課後カルテ 5話感想

牧野先生の過去

ぶっきらぼうだけど、児童の小さな痛みや些細なSOSを見逃さない牧野先生の過去。
自分がちゃんと患者のことを見てあげなかったから、患者家族の事情を知らなかったから、無神経に吐いた言葉や粗雑な態度がどんどん悪い方向に転がっていき、結果苦しむ人が増えてしまった。
そんな後悔をずっと背負いながら、牧野先生は今度こそ手遅れにならないために必死に神経を研ぎ澄ませてきたのだろう。

医療に携わったことのない人から見れば、医者は自分の病気を発見、治療までしてくれるまるで魔法使いのような人だ。
真琴くんのような小さい子供からしたら、医者への信頼度は大人のそれとは比にならないかもしれない。だからこそ、母親の病死(と思われる)が彼の心に大きな傷をつくり、医者や病院への不信感に変わってしまったのだろう。

一方で、医者も神ではないので失敗はするし、正確に問題がある人だって存在しうる。医者側はその苦悩と、人の命を預かるという責任感を常に負っている。私からは想像もできない世界だ。

ひとりひとりが抱えている事情や苦労は他人からは決して見えない。言葉にしたとて、100%伝わるかと言ったらそんなわけない。
勝手に他人の苦労を推し量ること、わかった気になること、苦労していないと決めつけて口出しすること。全て取り返しのつかない何かになりかねない。

言いたいけど、言えない

今回一番印象に残った牧野先生の言葉。
隠し通した内面をさらけ出すのは、決死の覚悟です

大人子供に関わらず、一度内側に抱えてしまった悩みを他人に打ち明けるのはとても困難だ。
言い出せないのにも様々な理由がある。口下手で言葉にするのが下手だとか、なにかトラウマがあって遠慮がちになってしまったとか。

それでもやっぱり、言葉にしないと他人には伝わらないのだ。いきなりが難しいなら、言い出しやすい空気を作るとか深い信頼関係を築くとかしなくてはいけないのだ。小さなサインを見逃さないこと、それが一番重要なんだと今回は特に感じた。

話せばわかる、とまではいかないけど。人を理解すること、人と関係を築くことには言葉にしないといけない。

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