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においの記憶から。


「世界の車窓から」みたいなタイトルに
なってしまった。



わたしは感覚の過敏さの特性からか、
においに敏感だ。
たばこは吸った社員が
オフィスの入り口に立った瞬間にわかるし、
どんな飴を舐めているか
マスクをしててもわたしにはわかる。

こわい。警察犬かな。

だから満員電車は早く卒業したいと
神さまに願ってる。

551の蓬莱をたまにお持ちになってご乗車されるマダムはわたしにとって、機関銃を持った兵隊なのだ。


🔷🔷🔷

仕事帰り、
寒空の下自転車をむくんだ足で精いっぱい
漕ぎながら、小さなゲームをする。
まあ、正解も勝ち負けもない、あてっこだ。


このにおいは、

唐揚げかな。
さばの塩焼き。
お、このにおいはかぼちゃの炊いたん。

香ばしさ。
しょうゆ、甘辛さ。
お味噌汁のふわっとした豊かなかおり。

たまにぷんとこげたにおい。
どこかで誰かが失敗したな。


こどもがお風呂にはいる楽しそうな声と、
早くでなさーい!っていうママの声。
ふーわり香るバスクリン。


晩ごはんどきの住宅街は
どこまでも平和で、美しい。
そこで生活している人たちのにおいと
あたたかさが満ちている。

音。こえ。におい。


まちの生活を想像する。
いろんな生活の記憶がよみがえる。

ひっさしぶりに、
母が作った鶏のてりやきが食べたい。
母の真っ黒な関東のうどんが食べたい。



わたしも帰ろう。
お腹をすかせた家族が、待っている。





今日もお付き合いいただきありがとうございました。
昨日はさ、出てきた瞬間から令和ロマンだったよ。

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