推し満つどき#1 映画「余命10年」

せっかく推し企画を考えたのだから2日連続同じテーマになるが投稿してみる。

今日書きたいのは、先日観た映画「余命10年」。
まさに今最も話題の映画といっても過言ではないでしょう。

小松菜奈さん、坂口健太郎さんのW主演。
小坂流加さんの同名の小説を原作とし、作者が刊行を待つことなく病状の悪化により亡くなっているという物語。
主題歌「うるうびと」含む劇中音楽をRADWIMPSが担当している。
など、話題を呼ぶ要素が多く、映画館はかなりの人数が集まっていた。

「余命モノ」というジャンルがあるのか分からないが、こうした、人の死を扱う作品は少なくない。
その中で、「余命10年」というタイトルに、興味を惹かれた。
いわゆる余命宣告は、月単位や年単位、長くても1年〜3年程度というイメージがある。大学で疾患の予後について学ぶときの指標としては、5年生存率が用いられることが多い記憶がある。
だから、「余命10年」というのは、そのフレーズだけ聞くと長い時間のようにも思われる。
一方、この作品の主人公、茉莉が今の私とほぼ同世代であることを思うと、「余命10年」というのは、決して長いとは思えないかもしれない。
そんな複雑な感情になりながら、映画館の席についた。

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映像がとても綺麗だった。
日本に四季があってよかったと思うような美しさだった。
四季の中で、茉莉とその周りの人たちが、確かに日々を生きていることが感じられた。
何より私が心動かされたのは、こうした余命モノは「死」を1つのゴールとして、そこに向かっていくことを前提に話が進んでいくような感じがあるが、明確に、「残された時間をどう生きるか」という信念が、軸にあったことだった。
死を前提に、なるべく悲しくならないように残りの時間を「過ごそう」としていた茉莉が、いつしか残された時間を懸命に「生きよう」としている姿が、とても印象的だった。
そうした一生懸命さに人は心を動かされるのだと、改めて感じた。

茉莉の姿、また、カズくんの姿にも、自分を重ねて見られずにはいられなかった。自分は今、何か目標に向かって「生きて」いるだろうか。
明確な信念を持ち、理想を持ち、何かに向かって進めているだろうか。
そう思うと、この映画の感動とは別の意味で(別なんてことはないのかもしれないが)胸が痛くなった。
自分の姿を鏡で見た。今日の外の曇天のように、活気のない顔をしていた。
iPad越しに見える机の上は、無駄に散らかっている。少し情けなくなった。
このnoteを書いたらとびきり綺麗に掃除をしよう。今日、そして明日、自分が「生きた」と思えるためには何ができるか、考えてみよう。
少し勇気が出た。

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