日本語能力の伸びがはやい生徒さんの特徴とは?
1. 生徒さんをじっくり観察してみよう
1-1. 自己紹介
こんにちは。
フリーランス×オンラインで日本語教師をしている ゆうゆう です。
「外国語学習には個人差がある」とよく言います。
日々レッスンをしていると、本当にそうだなと感じています。
レッスン時間や頻度など、物理的な個人差も当然あります。
その一方で、「日本語を始めてからまだ数ヶ月なのにすごい伸びてる!」って生徒さんがいたり、「なかなか初級から抜け出せないなあ」って生徒さんもいます。
そういった、個々人の伸びのスピードにうまく寄り添い、学習を促進できる日本語教師になりたいなと思っています。
…といっても、すぐに劇的にできるようになるものでもないので💦
まずは、わたしが「伸びがはやいと感じる生徒さんの特徴」について考えてみました。
ここから、逆に伸びに悩んでいる生徒さんに対するレッスンの工夫のヒントが得られると期待しています。
あくまでも、一日本語教師の所見にはなりますので、ご了承ください🙏
1-2. この記事で書くこと
この記事では、「日本語の伸びがはやいと感じる生徒さんの特徴」と、それを踏まえたわたしのサポートの工夫について、
苦手なことや理解できないことをそのままにしない
間違ってもいいからとにかくアウトプットしてみる
既習語彙・文法を自ら積極的に使う
文字情報と音声情報を一緒に覚えるのが上手
日常的に日本語のインプットが豊富
の順に、まとめていきます。
それでは、早速始めましょう!
2. 日本語能力の伸びがはやい生徒さんの特徴
2-1. 苦手なことや理解できないことをそのままにしない
わたしが受け持つ生徒さんの中で伸びがはやい人について、これまでの学習態度を思い返したところ、まず思い浮かんだのが、「よく質問やリクエストをしてくる」という特徴でした。
その例としては、こんな感じです。
こういった質問やリクエストはとてもありがたい。
生徒さんのモチベーションが確認できるし、何より生徒さんの理解度や得手不得手が実感できる絶好のチャンスだと思います。
ただ、正直、質問やリクエストがくることで、レッスン時間以外の労働時間が増える、というのは否めません。
質問に答えるための準備をする、生徒さんの文章を添削する、次回のレッスンで使おうと思っていたスライドを修正する、テストを作る、新しい課題を作る… といった作業が増えるからです💦
というわけで、できる範囲で対応しつつ、迅速な対応が難しい場合は、後日まで待ってもらう、または、役立ちそうなサイトや本を紹介することもあります。
まあ、ともかく、こういった学習態度の生徒さんは、伸びがはやいと感じているので、生徒さんの疑問点や関心事の芽を摘まないように、こちらも全力で応えていきたい所存です。
2-2. 間違ってもいいからとにかくアウトプットしてみる
次に思い浮かんだのは、「とにかくアウトプットしている」生徒さんでした。
… 実際は、結構間違ってます😅
語彙の選び方、動詞の活用、語彙と文型の接続、時制など、すべて直そうとするとかなりの時間を要するぐらい、間違いはあります。
でも、その生徒さんは、とにかく口に出してみて、書いてみて、間違えたところをわたしと一緒に確認する過程が、記憶に残りやすいようです。
実際、一度間違えたことを何度も繰り返し間違ってしまう、という場面はあまりなかったように思います。
半年ぐらい、地道にいっしょに頑張ってみたところ、スピーキングとライティングのレベルがかなり上がったように感じています。
毎回すべてを直すことはできないので、「今日はこの3つ!」という感じで、扱う対象を絞りながら地道にやってきました。
まさに「失敗から学ぶ」というやつでしょうか。
英語学習に関する本や論文を読んでいると、「日本人の英語の上達が遅いのは、間違えたくないという気持ちが邪魔をしているからだ」といった趣旨の内容を何度も目にしたことがあります。
一概には言えないですが、「間違えて当たり前」ぐらいに思っている生徒さんのほうが伸びがはやいのかもしれません。
こちらも、「間違えてもよいという雰囲気づくり」と「繰り返し間違えているものはしっかり指摘する姿勢」、「間違えて覚えてしまっているものを放っておかない」ことを大事にしていきたいと思います。
2-3. 既習語彙・文法を自ら積極的に使う
続いては、これまでに勉強した語彙や文法を積極的に使おうと頑張っている生徒さんです。
たとえば、「ある1日のできごとを書いてきてください」のような、ざっくりとしたお題で宿題を出しても、その中に何とか既習の日本語を盛り込もうと努力して書いてくる生徒さんがいました。
なんと、そのために、実話だけでなくフィクションを混ぜていることもありました笑
宿題だけでなく、普段の雑談でも、独学で得た知識をどんどん盛り込んで、なんならその場でGoogle翻訳に打ち込んで出てきた言葉もどんどん使って。
とにかく、得たものを「使う」姿勢や感覚に長けている方だと思います。
このような学習スタイルのおかげか、語彙と文型を覚えるのがとてもはやいと思います。
また、いろいろ無理に盛り込もうとすると当然間違いもでてきて、それをわたしと一緒に修正する過程も生まれるので、この生徒さんは、文型と語彙の組み合わせを覚える機会をより多く手に入れているのではないかとも思います。
その影響なのか、最近では、Google翻訳に母国語の単語を入力して、日本語訳の選択肢がずらっとたくさん出てきても、今自分が言いたいことに合うものを自然と選べているときもあります😲!
オンラインレッスンという多少閉塞的な空間でも、知識を「使う」感覚が伸ばせるようなレッスンを提供できるよう、生徒さんが参加型で取り組めるような練習問題を日々考えています。
2-4. 文字情報と音声情報を一緒に覚えるのが上手
さきほどから、「間違ってもいからとにかくアウトプット!」という生徒さんや、「既習語彙・文型を積極的に使う!」という生徒さんの学習スタイルの中で、いろんな知識が定着しやすくなっているのでは?という内容を書きましたが…。
加えて、「文字情報と音声情報を一緒に覚えるのが上手」な生徒さんも、知識の定着がはやいな、と感じています。
というのも、ある生徒さんが、ある日、
と申告をしてくれました。
そんなに突飛な語彙は扱っていないし、あくまでも教科書内にあるものだし、わたしも既習の語彙・文型を組み合わせて喋ってるし…。
そのとき、わたしは、「文字と音が一致してないことが、定着の邪魔になってるのかな?」と思いました。
そこで、ある策を講じてみました。
その生徒さんとのレッスンでは、毎回、その日に新しく出てきた語彙や文型、既習なのに覚えていなかったもの、使ってみたけど間違っていたもの、うまく使えたけどちょっと不安が残るもの、などを画面共有しているスライドにメモしています。
いつもはそれを共有するだけだったんですが、わたしがそのメモを読み上げて録音した音声も送るようにしてみました。
生徒さんには、どう使ってもらっても構わないけど、シャドーイングの要領で、聞いたり音読したり、聞きながら音読したりすると、覚えやすくなるかも!ということをお伝えしました。
すると、数週間後ぐらいから、わかりやすく変化がありました。
まず、話すときの発音がよくなったと感じました。
また、「先週勉強した◯◯という言葉の使い方、もっとありますか?」と質問があったり、「先生の話、前より聞き取れるようになった気がします」と言ってくれたり。
このような経験から、「文字情報と音声情報を一緒に覚えるのが上手」になれば、日本語能力の向上を促進できると考え、いろいろな策を試しているところです。
2-5. 日常的に日本語のインプットが豊富
最後に、「日常的に日本語のインプットが豊富」な生徒さんです。
家族や恋人、友だちなど、身近な人間関係の中で日本語を話す機会がある人はもちろん、漫画やアニメがを楽しむ人も、日本語に触れる機会が多く、こちらが予想していない日本語を知っていることがあります。
それ以外にも、このような方法で、日常的に自ら日本語のインプットを増やしている生徒さんがいました。
このように、生活の中に日本語に触れる機会をたくさん持てる生徒さんは、伸びがはやいと感じます。
近くに日本人がいなくても、インプットを増やす方法があるのだと、わたしも勉強になりました。
日本語に触れる機会が少ない生徒さんがいる場合には、上記のような方法を紹介するようにしています。
3. まとめ
この記事では、わたしの経験の中で感じた「日本語能力の伸びがはやい生徒さんの特徴」について、また、そこに対するわたしなりの工夫について、5点お伝えしました。
あくまでも一日本語教師の所見ではありましたが、次は日本語能力の伸びがやや停滞している生徒さんに目を向け、どんなサポートができるかを考えてみたいと思います。
いつもフォロー・スキ・サポート、ありがとうございます。
とても嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました😉
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