日本語の授業で意識したい 教師の話し方 ※おすすめの参考書もご紹介!
1. 日本語教師の日本語はちょっと不自然?
1-1. 自己紹介
こんにちは!
フリーランスで日本語教師をしている「ゆうゆう」です。
前回の記事では、オンライン日本語レッスンの「集客」について、経験談や考えをご紹介しました。
こちらもぜひ、読んでいただけたら嬉しいです😉
フリーランスとして働く以上、自分で集客をしたり、お金を管理したりして、仕事全体をマネージメントする必要がありますので、レッスンだけやっていればいい!というわけではありません(本当はそうしたいんですけど ^^; )。
ただ、その一方で、レッスンの質を落とさないよう、生徒さんの心に刺さるレッスンが提供できるよう、レッスンへの取り組み方を見直す時間も必要です。
そんな中、わたしが最近意識しているのが「レッスン中の話し方」です。
フリーランスとして働き始めてから、わたしの日本語の話し方や、生徒さんに対するフィードバックなど、集団授業やチームティーチングよりも閉鎖的な「オンライン×マンツーマン」という環境での教師の発言には、より一層の責任が生じてくるのではないかと感じるようになりました。
実際、生徒さんのレベルにもよりますが、レッスン中はすごくいろんなことを考えながら話しています。
たとえば、何気ない雑談でも、
話題選び
文型や語彙の 既習/未習 状況
話すスピード
教師と生徒さんの発話量
フィラーや方言
といったことを、その都度意識しています。
ただ、いろんなことを考えすぎると、不自然な日本語になってしまうし、自分の話し方が生徒さんのレベルに合っているかどうかを正確に判断することも難しいし…。
とも言ってられず、生徒さんがわたしから受ける日本語のインプットには多大な影響力があるはず…。
そこで、最近、レッスン中の生徒さんとのやり取りを振り返ったり、自分の話し方を反省したりして得たものがあったので、記事にまとめてみたいと思った次第です。
1-2. この記事で書くこと
この記事では、「レッスン中の話し方」について、最近わたしが意識したいと思っていることを、
フィードバックするタイミングに気をつけよう
ティーチャートークをコントロールしよう
の2点に分けて書いていきます。
また、おすすめの参考書もあわせてご紹介します。
それでは、始めましょう!
2. 「レッスン中の話し方」で 意識したいこと
2-1. フィードバックするタイミングに気をつけよう
耳がいい生徒さんほど、聞いた日本語を使ってみよう!という意識が働くと思うのですが、それが吉と出るか凶と出るか、ちょっと注意したほうがいいのかな?と最近思っています。
わたしの実際の経験ですが、ある日、半年ぐらい一緒に会話練習をしている生徒さんの話し方がちょっと気になりました。
レッスン冒頭で、よく「週末はどうだった?」という話になるのですが、
…ん? なんでこんな聞き方をしたんだろう?
よくよく考えてみて、おそらくわたしの話し方を真似したんだろう、という結論に至りました。
わたしがよく、生徒さんが少し拙いながらも話してくれたことに対して、意味内容を確認するような返事をしていたのが、ちょっと悪い方向に影響してしまいました。
つまり、以前どういう会話があったのかというと、たとえばこんな感じです。
わたしは教師として、生徒さんが言ったことをどうしても確認したくなってしまうし、生徒さんに正しい文を提示したくもなってしまいます💦
もちろん、わたしの日本語を聞いて、生徒さんが「使ってみよう!」と思ってくれること自体はものすごくいいことだし、日本語のレベルアップにつながる素晴らしい姿勢なのですが、使い方を知らずに使ってしまうこともあるから気をつけないと!と、勉強になりました。
(上記の生徒さんには、その後、「〜ことですね」の使い方をレクチャーしました👍)
このような経験を踏まえて、適切な場面や頻度を考えてフィードバックできるようになりたいと思うようになりました。
何か特定の文型を練習しているとき、教科書の練習問題の答えを確認しているとき、生徒さんの話し方に変な癖を見つけたときなどは、しっかり間違いを正しておく必要があります。
でも、自由な雑談のときは、過度なフィードバックは控え、より自然な会話を心がけることも大事だと考えています。
こういった現象を、もうすこしアカデミックに捉えられるようになりたいので、授業中のディスコース(談話)について、もう少し勉強を続けていく所存です。
◉最近、参考にしている書籍がこちら。
授業中の教師の話し方、フィードバックの方法、教師と生徒のやり取りを構造化して捉える理論などについて、学べます。
2-2. ティーチャートークをコントロールしよう
現在受け持っている生徒さんの中には、日本語だけでレッスンをしている人と、外国語(わたしの場合は英語やフランス語ができます)を使いながらレッスンをしている人がいます。
基本的に、どちらの方針にするかは生徒さんと相談して決めていますが、いずれにせよ、レッスン中の「日本語ネイティブらしい話し方」と「ティーチャートーク」との葛藤が結構あります。
「ティーチャートーク」とは、教師が主に教室内で用いる、文型や語彙などに配慮した話し方のことです。主に入門〜初級レベルにおいて、生徒さんが既習の文型や語彙を積極的に使ったり、ゆっくり話したり、することです。
わたしの場合、実際のレッスンで、
未習の文型を使うと混乱するだろう
まだ覚えてなさそうな語彙を並べないほうがいいかな
既習の文型が定着しているかどうか確認しなければ
という思いから、ついティーチャートークを使いすぎてはいないかと反省することがあります。
今回の記事を書くために、改めてティーチャートークについて少し勉強したんですが、初級の場合は効果的でも、生徒さんの言語能力が上がるほど好感度が下がるという研究結果もあるようです。
また、「生徒さんが理解できるようにしっかり段階を踏まなきゃ!」と考えすぎると、かえって生徒さんの日本語能力向上を妨げることもある、とも考えられます。
それは、わたしがレッスン中に話していることが理解できても、他の日本人と会ったり、日本を旅行したりと、レッスンで習ったことをレッスン以外の場面で発揮できなければ、レッスンの意味がなくなってしまうと思うからです。
レッスンの外の場面を、いかにレッスンに持ち込めるか。それでいて、いかに文型や語彙を正しく増やせるか。
このミッションを攻略するために、ネイティブらしい話し方とティーチャートークをいいバランスで使えるようになりたい、と考えています。
ヒントになるかな?と思って、最近は「オールイングリッシュの授業」の指導法や効果についても勉強しています。
日本語教育より英語教育のほうが研究数も膨大で、書籍も多いので。
とりあえず、直近で参考にした書籍がこちらです。
◉ティーチャートークについてはこちら。
その他、日本語教育の基礎的なことも学べるので、1冊持っておくとすごく役立つと思います。
◉オールイングリッシュの指導法や効果についてはこちら。
英語だけで英語の授業をした場合の効果や、教師が意識すべきことなどが学べるので、直接法(日本語で日本語を教える)でレッスンをする際のヒントが得られます。
3. まとめ
この記事では、わたしが意識したいと思っている「レッスン中の話し方」について、ご紹介しました。
今回は、「フィードバック」と「ディーチャートーク」という観点で書いてみました。
他にもいろんな視点から「教師の話し方」について議論することができると思うので、また内容がまとまってきたら別の記事も書いてみたいと思っています。
フォロー・スキ・サポート、いつもありがとうございます。嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました😆
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