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本を読める幸せと本を読むことの素晴らしさ

ようやく夏休み。
仕事が休みでホッとするけれど、家にいる時間が長ければ長いほど母の介護と終わらない家事、父の態度についイライラしてしまう。

イライラの元にもなる私の苦しみは、母のこれからのこと。
介護をお願いする経済力もない我が家は家族で母を支えるしかないのだが、今回みたいに転倒して夜のトイレにも車椅子で連れていかなければならな状況になると、今までもそうだったけれどこの先が不安で不安でたまらなくなる。仕事と介護はとても両立できない。けれどもやるしかない。

そんな時に出会った言葉。

苦しみは変わらないで、変わるのは希望だけだと。 
                  アンドレ・マルロオ「侮蔑の時代」

ポケットに明言を 寺山修司

われわれは苦しむ以上に恐れるのである。
                  アラン「幸福論」

ポケットに明言を 寺山修司

私の心の中をこの2つの言葉が現してくれた。
先のことを不安に思うと今が見えなくなる。そして余計に辛くなる。だから夜寝る前に今日一日を無事に過ごせたことを感謝して、母におやすみを言おうと思う。
将来の不安に押しつぶされずに今の幸せを見る。
そして、いつでもそう思える強さを持ちたいと思う。

一杯の茶のためには、世界など滅びていい。
                ドフトエフスキー「地下生活者の手記」

ポケットに明言を 寺山修司

我が家は朝食の時は毎朝紅茶を飲むのだが、食卓に揃って紅茶を飲むなんでもない日常を改めて大切にしたいとふと思った。
介護が必要だけれど母はここにいてくれる。一緒に紅茶を飲む時間がとても尊い時間に思えた。

この言葉にはもっと深い意味があるのだろうし、名言集で切り取って読んで理解することはできないのだろうけれど。
でもきっと今の自分に置き換えて勝手に解釈することも、それは自分を支える言葉になったということが、とても大切なことに思う。

少し前にやっぱり辛くてどうしようもなかった時に始めた年間100冊を目標とした読書。無気力で悲観的だった自分を励ますために、取り敢えず100冊読んだら何か変わるかもしないと小さな希望を持って始めたことだった。

その目標はいつしか習慣となり、通勤電車で読む読書によって私の心は大きな世界へ拡がった。
それでも悲観的になってしまうこともある。
でも今回のようにその時の自分を助けてくれる言葉に出会うとき、辛いのは私は一人ではない、そして世の中にはもっともっと大変なことに立ち向かい生きている人がいると思えるようになった。孤独からすこし抜け出せるよういな気がするのだ。


そして、もう一つ。
本に助けられた私の心に残るとても美しくて良い映画を観た。


本から拡がる世界。
登場する人もみんな優しさに溢れ素朴で穏やか、そして本から得られる知識は人生を豊かにしてくれることを教えてくれる映画。
そして何より大好きなイタリアを楽しめる映画。

店主のリベロがエイシンへ、ゆっくり読むんだよ、一度目は理解するためにそして二回目は自分がどう思うかを考えながら、とそんなような内容のことを話すのだが、本当に大切なことだと思った。
ただ知識だけを得るために読むのではなくて、じっくり考えながら読む。
本を読むということはただ知識を得るだけではなく、本を書いた著者と対話をすることだから。


noteを書いていたらとても幸せな気持ちになってきました。
自分の気持ちを表現することは改めてとても大切なことだと思います。
ここまで読んで下さってどうもありがとうございます。


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