見出し画像

#349 即断・即決のススメ。結論を出せていない時間に対するコスト意識を持つ

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

今日は、即断即決、「すぐに決める」ことの効用について、特に仕事の成果を生み出す観点から話をしたいと思います。
最近、身の回りでも「すぐに決めないこと」、「すぐに反応しないこと」が生み出しているマイナスの影響を身近に感じるシーンもいくつかあったことから、具体的なケースも挙げながらご紹介します。

「すぐ決めないこと」は、コストである

普段、特に意識をしているのが、「すぐに決める」ことです。
私の場合、特にマネジメントの仕事に携わるようになってからは、「その場で結論を出す」ことをかなり意識してやってきました。

管理職任用試験で「インバスケット研修」が採用されている企業も少なくないのでは?と思いますが、インバスケットは確かに良いトレーニングだし、管理職の素質を図る一つの指標として、インバスケットが採用されているのは、合理的だと考えています。

インバスケット研修は、明らかに無理な時間設定の中、正解がない問題に対して、問題の影響度などを即座に判断しながら、どのように優先順位を付けて対処していくか、という能力を測る・鍛える研修です。

これは、普段の仕事の中で、一人では到底全てを対処できない課題山積みな環境の中で、どのように自分がやるべき仕事を選択して、何から対処していくか、1つあたりの問題に対して、どれだけのスピードで取り組んでいくか、というトレーニングが出来ていないと、なかなか付け焼き刃では対応できません。

マネジメントの仕事は、意思決定です。だから、相談に行っても「どうしようかね」とか「ちょっと次回まで様子を見ようか」などとばかり言っている管理職がいれば、それは仕事をしていないのと同義。
何かを前に進めるためには、誰かが決定する必要があり、限られた情報の中で、自分の判断基準に基づき、スパスパ決めていかないと、チームの仕事が前に進んで行きません。

すぐに決めないということは、その決定を待って動けずにいるメンバーがいるということです。今日決定できることを、1週間後の会議の場まで先延ばしするということは、1週間分メンバーが動けずにいる時間を作る、ということです。
つまり、1週間分、本来であれば出せていたはずの成果が得られていない状態、機会費用が発生しています。

だから、例え優柔不断な性格な人でも、仕事を進める上では「即断即決」が基本なのです。これは性格の話ではなく、能力の話。普段から「自分ですぐに決める」筋肉を鍛えているか?ということなのです。

すぐに決められることを先延ばしする癖がついてないか

「すぐに決める環境」と「すぐに決めない環境」では、明らかに前者の環境に身を置いた方が成長スピードが上がります。「すぐに決めない環境」では、あらゆる意思決定がスローなのですが、おそらくみんなそのスピード感に慣れてしまっていて、それがおかしいとも感じていないのでは?と思います。

例えば、少し前に実際にあった、とあるイベントの開催日に関する意思決定の話。

「イベントの日は、○日でどうですか?」と聞いた時に、「担当者が今週はテレワークなので、来週会った時に確認します」と返ってきました。

・・・え?と思いませんか?

担当者が休みだから、休みから復帰後に確認する、であればいいですよ。しかし、担当者がテレワークだから回答が来週になる意味が分かりません。
テレワークしてるんだから、チャット一本送って「この日で大丈夫ですか?」と確認すればいいだけですよね。

もちろん、複雑な意思決定で、その案件に関する関係者の都合を調整して話し合って決めた方がいいこともありますよ。しかし、全てが全て、「対面でないと決定ができない」というのは、明らかに「すぐに決めない環境」の中で思考停止しているだけだと考えます。

「すぐに決めない人」というのは、著しくコスト意識と想像力が欠如しています。
イベントの開催日を確定させるための意思決定一つを取っても、担当者は「次に直接会った時に聞けばいいや」くらいの感覚でいるのでしょう。しかし、その決めない時間、というのは、例えば「日程が確定するまで、会場をリリースできないので、他に使いたい人がその場所を使えない」ということが起きているかもしれません。あるいは、「タスク管理簿」なんかにそのイベントに関する話が載っていれば、日程が未確定というだけでなかなかクローズにならず、タスク管理簿を確認するたびに、毎回その話を会議などで取り上げられている可能性(会議参加者数×その話題を取り上げている時間分がコストになっている)もあります。
イベント担当者の頭の中から、「日程確定」タスクがなかなかDoneにならず、無用に脳内リソースを圧迫して生産性の低下を導いていることも考えられます。

周囲を見ていても、多くの仕事をドンドンこなしていく人は、須く「即断即決」です。すぐに決めるから、その仕事はその人にとってDoneの仕事になり、脳内メモリから解放されるのです。
PCやスマホと一緒で、人の頭もメモリで処理できる事案数には限りがありますから、ドンドンDoneの状態にしてメモリからリリースさせて上げることが大切です。「すぐに決めない」ということは、メモリに色んな事案をペンディングの状態で置いたままにすることですから、時間あたり処理量(=スループット)がドンドン落ちていくことは明確。個人視点でも、多くの事案に取り組んで生産性を上げていくには、即断即決が基本になります。

「すぐ決める」ことを意識的にトレーニングする

意思決定のスピードは、先ほど述べた通り性格の話ではありません。「私は優柔不断だから、仕事でもなかなか意思決定ができない」という人もいますが、厳しい言い方をするとそれは言い訳です。
意思決定は、性格の話ではなく能力の話。普段の生活では優柔不断でも良いと思いますが、仕事の目的は成果を出すことですから、普段、優柔不断な人でも仕事のシーンにおいては、すぐに意思決定をしないとプロとは言えません

以前、人と話していて、「私の以前の職場では、管理職の人が仕事をある程度細かく分配して、メンバーの人がほとんど考えなくても済むような形までブレークダウンしてアサインしていた」という話を聞きましたが、いやーそれだと「即断即決」の能力は付かないよなぁと感じました。

実際、その人自身も自分の責任で決めることに苦手意識を持っていて、「この件どうしますか?」と決定の全てを他人に委ねる、相談になっていない相談を持ってくることが多いです。

いや、違うんです、あなたが自分で決めて「こう進めますね」と話ができるようにならないと!あなたの存在価値はどこにあるんですかー?て感じなのです。

先の例では、管理職が細かくやることを細分化するまでメンバー側は仕事が降っているのを待ってるだけでは、メンバー側がいざ管理職の立場になった時に、「即断即決」どころか自分で決められない人間になるのは自明ですよね。こうして「決められない管理職」が一人、世の中に誕生するのです。

そうじゃなくて、自分である程度の大きさの単位で仕事を担当する。目の前に切られたケーキが置かれるまで受け身で待っているのではなく、自らホールケーキと向き合うことが大切。

もしご自身が「すぐに決めない環境」にいるのであれば要注意です。
それが普通になって、自分も気づかぬうちに「即断即決」の筋肉が弱体化している可能性があるからです。

私も、こうして自戒の文章を書くことで改めて「即断即決」を意識してやっていこうと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

林 裕也@30代民間企業の育児マネージャー
もし面白いと感じていただけましたら、ぜひサポートをお願いします!いただいたサポートで僕も違う記事をサポートして勉強して、より面白いコンテンツを作ってまいります!