【今でしょ!note#109】ファイブフォース分析で捉えるポジショニング
いかがお過ごしでしょうか。林でございます。
ファイブフォース分析は、マイケルポーターが提唱した業界における競争状態を明らかにするための経営分析手法です。
これも、経営学部のマーケティングの授業では、かなり初期段階で学んだ手法となりますが、企業ではなく、個人に適用すべし、という考え方が斬新でした。
木下斉さんの話で「5 forcesのような枠組みに当てはめて、自分が置かれている立ち位置を考える方が、自分にとってより良いポジショニングが明確になりますよ」という趣旨の話をされていて、私もチャレンジしてみよう!と思いましたので、この記事でまとめておきたいと思います。
ファイブフォース分析は、競争要因となる以下5つの要素から競合各社や業界全体を分析するフレームワークです。
業界内の競合
代替品の脅威
新規参入者の脅威
買い手の交渉力
売り手の交渉力
先日行ったSWOT分析のThread(脅威)を深掘りする形で行うと、より自己分析が深まるので、こちらと関連付けてやっていきたいと思います。
各観点における分析
1.業界内の競合
「業界内の競合」を自分に当てはめると、勤務する会社の中での相対的な自分の価値、IT業界という労働市場における自分の市場価値となります。
社内で言えば、AIやデータ分析をはじめ、世の中で多くの新技術が出てきており、それらに特化した専門人材がいます。
この部分は、今の仕事とは直接的に繋がりにくい部分もあり、成り行きで仕事をしているだけでは専門性を磨きにくい部分もありますから、自分で新しいものに触れて、「どのように使えるか」という視点を自分で身につけていく必要があります。
インダストリーカットで見ると、金融系システムでのキャリアを築いてきました。
ここは金融システムそのものが持つ特性というよりも、堅牢な金融システムを開発・運用する中での開発プロセスやプロジェクトマネジメント力のほうに目を向けたほうが良さそうです。
業界全体の潮流として、何かを作り上げるときにスピード感を持ってトライ&エラーを繰り返すアプローチが主流になりつつある一方で、そのベースとして品質・納期・コストのバランスを見ながら直接的に価値に繋がる仕事を見定めて物作りを進めるプロセスを熟知していることの価値の希少性もより高まるはずです。
リスク管理やコミュニケーション管理をはじめとした高いマネジメント力も、世の中の課題が高度化・複雑化した結果、多くのステークホルダーと協力しながら解決を図っていかないといけない現代において、より求められる能力でしょう。
転職市場で見ると、表面的には「デジタル領域」における実装力や、最新技術トレンドを抑えていること、というのが要求事項とされます。
一方で、一定の規模感を持った世の中の課題解決を仕事で成し遂げていくのであれば、スピード感と安定感の両立や、新しい技術をどのように課題解決のために実装していくかという地に足着いたビジネスフロー・ユースケースへの落とし込み、といった能力は、一見目立たない部分だけど、間違いなく本質的に求められる能力として残っていくはずなので、今の仕事でしか得られない貴重なスキルとして磨いていきます。
2.代替品の脅威
次に、今の自分の価値が何によって代替されうるか、です。
単純にシステムを作る、みたいなところにフォーカスしてしまうと、ローコード・ノーコードに代表されるような開発ツールの登場、労働市場全体としてデジタル部門を内製化する動きが高いので、徐々にその希少価値は低減していきそうです。
資料作りも、AIでかなりいい感じのところまで作れるようになっていますから、これも置き換えられていくでしょう。
そのため、長期的に見ても代替しにくい部分に時間を投資するのがよさそうです。
1で述べたような金融系の大規模プロジェクトや、10年にわたる東南アジアでのタフなビジネスで得たマネジメント、業務アプリ開発における専門性、新規ビジネス創発ノウハウやキャリアデザインの知見など、私という人間が泥臭い経験の中で蓄積してきたノウハウを形式知にして、他の分野で活用できる方ににしておきたいと思います。
3.新規参入者の脅威
「新規参入者」の観点では、自身の強みの1つであるグローバル業務経験については、若い人ほどドンドン得意な人が増えていくでしょう。
ただ、以前記事にした通り、基本的に国内だろうが海外だろうが、本質的に求められる能力は一緒で、商慣習や前提の価値観が異なる人たちと何かを実現することを楽しめる素質、専門性の追求に尽きます。
今後、日本企業の成長フィールドを海外に移していく動きがさらに加速すると考えると、グローバルでタフにやっていく力に、マネジメント力を掛け合わせで持っていることが必ず優位性につながるので、今はマネジメント能力強化に集中してもよさそうです。
また、今後ますます評価経済社会、つまり評価資本の大きさが求められる時代になっていくと、「個人」として何ができるのか?がより問われてくるため、ユニークな専門性を持った人がより重宝されます。
そうなると、2で述べたような、大企業の現役ど真ん中世代だからこそ得られる個人の知見やノウハウを、大企業でないところでも光を当てる活動もユニークで面白そうです!
4.買い手の交渉力
私の価値を買ってくれている人は誰か?と考えると、労働力という観点では、勤めている企業です。
「もっといい買い手がいないか?」は、常に自分に問うようにしていますが、少なくとも今の勤務先は辛いこともありますが根底には結構可能性を感じていて好きな部分も多いので、今のところは、新卒で入った会社で勤め続けています。
転職市場も活発で、今より給料を上げるだけの転職であれば、おそらく年収を2倍にすることはそんなに難しくないとは思います。
でも、自分の中でしっかり見極めないといけないと思っているのは、「その企業は、自分の本来の持ち味を活かしてくれるか」という点。
給料アップだけを目的に転職して、転職先で自分らしく能力を発揮することができないのであれば、金銭的な資本向上に貢献する選択だとしても、失敗だと考えています。
我慢料としての給料をもらってやりきれない気持ちを心の奥にしまい込むのは、性格上絶対にできないので、ここは慎重でありたいです。
5.売り手の交渉力
自分自身にとっての売り手=サプライヤーは、学習や経験のための投資先と考えると、ここはあまり意識しなくても良さそうです。
自分や、家族との時間に対する投資は、惜しみなく行うことを忘れないくらいです。
まとめ
実際にファイブフォース分析やってみて良かったのは、来るべき変化に備えて、自分がどういう準備をしておくべきか、改めて言語化できたことです。
また、今の自分の仕事が、割とその準備という観点でも、いい経験になるはずという手応えを得られました。
具体的には「かなり高いレベルでのマネジメント能力が求められる環境で鍛えられている」ということ。
そして、大規模プロジェクトにおけるマネジメントノウハウや民間企業におけるビジネススキル、専門性を見える化して、メニューにしておこうと思います。
意外と気付きがあったので、お時間ある時に皆さまもどうぞ!
それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
今日もお読みいただき、ありがとうございました!
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