#249 会社勤めを大いに活かそう!選んだ道を最高なものにする
いかがお過ごしでしょうか。林でございます。
今日は、会社員や公務員など、基本的には、いわゆる安定した月収を得ることが得ることができる職業を選択している人にとって、私が大切だと感じているマインドセットをテーマにしてお話します。
最近、サラリーマンと言われるような、毎月給料日になればお金が振り込まれてくる職業に対して、批判的な見方をする人も少なくないと感じています。
私も、自分自身で稼ぐ力を身につけることが最強の人生サバイブ力だと思いますし、老後のために貯金という「金融資本」を持つことよりも、老後になっても自分で何らかの生計を立てる能力、すなわち「人的資本」や「社会関係資本」を身につけることの方が大切だと思います。
一方で、会社員でも公務員でもパートでも、毎月決まった日に給料が振り込まれる生活をしている自分に対して、悲観的になる必要はないと思っています。
考えてみれば、1ヶ月先、半年先の生活に対してそこまで深刻に不安になる必要がないというのは非常に恵まれていることで、大事なのは、その生活の中で思考停止せずに、「自分で稼ぐ力」を磨き続けていくことです。
私が昔から大切にしている考え方は「正しい道を選ぼうとするのではなく、選んだ道を最高と思える過ごし方をする」こと。
就職活動でも転職でも結婚でも、「何が正しいのか」に囚われて、事後に「ああ、この選択は間違いだった」と後悔している人も少なくないです。
いやいや違うんです。もちろん、就職先がブラック企業で上司からパワハラにあったとか、そういう事態であればすぐに逃げ出すべきですが、別にそこまで悪いと感じる環境でないのであれば、選んだ道を自分自身で楽しむ工夫はできているか?を自問自答することも大切です。
でないと、どこに行っても、何かしらの「不平・不満」要素を見つけて、愚痴や文句しか言わない人になってしまいます。
私は、いわゆる東京の大企業で管理職の立場で仕事をしていて、「大企業病」、「自営力がない」、「会社の歯車」など、色々言われがちな立場でありますが、「会社勤め」であることを大いに活かしてやろう精神で日々を過ごしています。
具体的に、どういうマインドセットで日々過ごしているか、ご紹介していきます。
人生の時間投資ポートフォリオ
究極的に人生とは、自分が持っている時間を何に振り分けるか、という投資の話に近いと考えています。
投資の世界でよく言われるように、重要な考え方は「分散投資」と「長期保有」だと考えています。
「分散投資」とは、ローリスク・ローリターンの商品と、ハイリスク・ハイリターンの商品を複数種類上手く組み合わせて、全体的にリスク分散を図るとともに、しっかり「当たれば大きいもの」に対しても投資しておくこと。
「長期保有」とは、一時的な相場額の値上がり・値下がりに対してイチイチ反応せずに、腰を据えて取り組んでいくことで、中長期的な傾向として価値が上がっていくまで一定の時間をかけることです。
これを「会社勤め」のキャリア形成に当てはめると、「会社勤め」の状況とは、ローリスク・ローリターンの商品に対して自分の時間を投資しているようなものです。
ここで、安定した収入を確保できるからこそ、「会社での仕事以外」の時間を使って、ハイリスク・ハイリターンなものにも手を付けられます。
例えば、自分が本当にやりたいけれど、それだけでいきなり生計を立てることができない活動です。
自営するにしても、1つだけの仕事で生活を成り立たせていくことはあまり現実的ではないですし、特定顧客に依存する事業は、梯子を外された瞬間に全てを失うという意味でリスクが大きいですから、3つくらいの事業を柱にするのが基本だと思います。
失うものが少ない若いうちであればいいですが、30代、40代になって家庭も持って・・の状況でいきなり全てをフルリセットして、いきなり3つの事業を個人で立てる選択ができる人は現実的には少ないでしょう。ローリスク・ローリターンな会社勤めで安定した最低限の収入を確保しつつ、生活を成立できるか分からないハイリスク・ハイリターンな事業に大きくチャレンジできると思うのです。
また、「長期保有」の観点では、ローリスク・ローリターンな会社勤めの中でも、工夫しながらそれなりに長く従事していれば、その道のプロと呼ばれる領域にも十分達することができます。
ここで身につけた専門性は、短期的にはその価値が上下することはあれど、何らか他の分野に応用できることができ、中長期的にジワジワと効いてくるはずです。
人より長く取り組んできたことは、何だかんだ言って強いです。
個人のWillを、組織のMustに
次は、割と私の常套手段なのですが、自分が個人として身につけたいと感じた能力や実績作りに関して、組織のミッションと上手くリンク付けて、それ自体を会社からの評価対象目標に定義付けてしまうことです。
例えば、個人的にアジャイル開発に強い興味を持っていた時期は、アジャイル開発を組織の開発手法の一部として取り入れました。
私は大規模な情報システム構築を担当することが多く、いわゆるウォータフォール開発と呼ばれる「上流工程で作るものをガチガチに設計してしまって、下流工程では上流で設計したもの通りに作ることを正とする」システム開発手法が長かったです。しかし、ユーザーフロントに近い機能はアジャイルで作るべし、組織能力としてもアジャイル人材を内製すべし!というのを上司に説明して、「やってみなはれ」と言ってくれて実現したことがあります(サントリー社に勤めているわけではありません)。
自分が会社勤めでないと、赤の他人の人的リソースを一から調達するのも難しいところがありますが、組織ミッションに組み込めた瞬間に、やりたいことをやるための組織リソースを使うことができるんですね。
他にも、過去の東南アジアにおける仕事を始めた経緯も、グローバルマネジメント力を身につけたいと思ったことがきっかけでしたし、興味・関心の強い地域活性化事業に関しても、当時の部署での新規ビジネス創発ミッションと上手くリンクできてはじめた活動でした。
直近は、生成AIですね。現在「生成AI利用強化月間宣言」をして、色々と触って遊んでいるところですが、AIを使った提案は、今年度の業務目標にも入れてしまいました。
アイデアの実験場
最後は、会社組織は、個人的な興味・関心事項の良き実験場所になるという観点です。
上述した生成AIなんてまさにそうで、自分自身としても生成AIを人並みには活用できるようになりたいと感じているし、どんな面白い使い方ができるか、といった純粋な興味があります。
これを「お客様への新規提案」という組織目標とリンクさせることで、本業で堂々と実験ができるのが素晴らしい。
何度かご紹介している「チーム時短」の取り組みは、チーム内のリソースマネジメントという一つの実験として、色々と試行錯誤しています。
組織のエンゲージメント向上についても、どのように自分のチームや組織にメンバーが愛着を持ってもらうことができるか、という壮大な社会実験なのです。
大学の時の専攻は「人的資源管理」で、当時「いかに働くことをHappyにできるか」というテーマで研究してましたが、リアルなデータを取ろうと思ったら、企業の人事部に連絡してアンケートに協力してもらうしかなかったんですね。
でも今は、そんなことしなくても自分の組織で直接的にアプローチして、リアルタイムでメンバーの反応が分かる。こういう実験ができるのも、管理職業務の面白さです。
このように、批判もされがちな「会社勤め」も、捉え方次第で面白い要素が色々とある。このアドバンテージを最大限活用して、個人として「稼ぐ力」を付けていく。こういう考え方を大事にして生きていきたいと考えています。
それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!