#347 「グローバル・スーパーエリート」以外の生きる道
いかがお過ごしでしょうか。林でございます。
東大卒業後、リクルートで営業・新規事業などの責任者を務め、都内で義務教育初の民間校長として杉並区和田中学校校長を務める等、多方面での活躍をされている藤原和博さん。著書「藤原和博の必ず食える1%の人になる方法」では、7つの条件を満たして「100分の1の人」になり、20代で1つの「100分の1」、30代で1つの「100分の1」、40代で1つの「100分の1」を作ることで更に、「100万分の1」の激レア人材になれるということを説いています。
7つの条件のうち3つの条件は全員に適用されるもので、
ということで、まずはここまで満たすことで、2分の1の3乗で「8分の1」になれます。現在の私はここは何とかクリア(数年前までは、「にゃんこ大戦争」漬けな毎日だったので、2の条件でアウトだった・・)しましたが、その後の4つの条件(更に2分の1を4乗することで128分の1になる)では、「価値観×志向」により4分類されたタイプごとの条件設定となっています。
この本の主張は、冒頭述べた100分の1を作り、10年おきくらいで分野を変えながら、得意分野をクロスさせて自分の希少性を上げていこう!というところにあると考えますが、自分が4分類のどこに属しているのか?ということを考えて、人生戦略、つまり何に時間をかけて、何に時間をかけないか、を選択する上で面白いヒントが詰まっていました。
今日は、この本をインプットにして、自分はこうで、こういう選択をしていくことを決めた、というケースをご紹介します。皆さんも、ご自身が何タイプか?ということを考えて、この本を読まれてみると面白い発見があるかもです。
時代変化に対応した生存戦略
そもそも、この「100分の1」の得意領域をかけ合わせるクロスオーバー戦略は、「グローバル・スーパーエリート」以外の生きる道である、と説かれています。
これまでは、いい大学に行き、一流企業に入り出世を目指す「権力志向」の人が大半でしたが、徐々にどこでも通用する力を身につける「プロ志向」の人が増えています。大学の大半は、社会に出ても直接的に役に立たない学問を教えていることも多いため、より実学を習得できる大学が就職率の高さで評判が良く、学生と企業の双方から人気を集めている、という指摘です。
別に全員が全員、海外に出て戦うグローバルエリートになる必要はなく、ベタベタにコミュニティに張り付く仕事をしてもいい。特に、国が成熟段階に入ると選択肢が増えてきますから、イスの数が限られたグローバルエリートへの道を全員がこぞって目指す必要はそもそもなく、オリジナリティを磨いて幸福度を上げていくための生存戦略を立てていくことが必要です。
自分の価値観と志向に合うものを4象限に分ける考え方を以下の通り示されています。
あなたの価値観と志向に合うものはどれですか?
私の価値観・志向に近いのは、「B. プロ志向の自営業タイプ」です。
「プロ志向の自営業タイプ(B領域)」
私は、莫大なお金が欲しい!という気持ちまではないものの、一定の収入・利益があることを重視します。なぜなら、この利益を再投資に回して、行きたいところに行き、見たいものを見る、というところにお金を使うのが好きだからです。
本当はこういうこともやってみたいけど、お金が理由で諦めざるを得ない・・となってしまうと自分に制限をかけてストレスになってしまうため、ある程度やりたいことをやれるための余剰資金はきちんと稼げるようにしておきたい、という価値観です。
知り合いには、とにかく早く会社の中で出世して、より決裁権を大きくしてやれることをやっていきたい!と考える「A. 社長タイプ」の人もいます。そういう生き方ができるのは凄いなと思いつつ、自分はあまりそこにはモチベーションが湧きません。社内で上を目指すための努力にはなかなか気持ちが入らず、そのような気概を持ってやっている人と比べると、明らかに根負けしてしまうと感じています。
それよりも、組織に属しているかどうかを問わず、自分の能力を磨き、将来的独立することを目指している方が、気持ちが入るのです。気持ちが入るということは、パフォーマンスも高くなるので、ここで勝負した方が自分には良いのだろうなと。
そんなB領域の人へのアドバイスが的確で、「社内自営業者になれ!」ということ。
まずは会社の中で、自営業者を目指すという方針です。
自分の上司は、職場の上司ではなく、社会全体が上司です、という感覚。会社の中での人間関係や、専門性を追求していくよりも、社会全体をフィールドと捉えて自営業を営み、全体から見た専門性で、今の会社の中で勝負するということ。
こう捉えているだけで、日々の過ごし方がまるで変わってきます。上司が職場ではなく社会の色んな場所にいます、というだけで、社内でのみ通用する業務プロセスや、社内メソッドを極めるというより、社会から見た自分たちの事業の位置付けを考え、業界のトレンドを未来を見ようとします。
もちろん、その両方が必要ではあるものの、力の入れ方・バランスが変わってくると思うのです。
私が属するIT業界においても、システム開発そのものへの理解、知識も大事ですが、そのシステムがどのような価値を生むのか、目の前のお客さんだけでなく、お客さんが属している業界がどうなっていくか?の視点がより増してくると考えてます。
会社を「実践が学べるビジネススクール」だと捉え、自分の能力を磨いていく場所と位置付ける。
20代、30代は組織における「社内自営業者」の意識で、将来稼ぐための技術を身につける修行期間だと考えることで、会社の中における成果の質にもよりこだわるようになります。
会社員でも、一人で勝手にフリーランスとして企業と契約していると捉えることで、給与に見合った価値を出せているか、仕事を通じて、自分の履歴書に一筆加えられる実績を作れているか、をより意識して動けるようになれます。
B領域がやること・やらないこと
接待や会議、根回しの全てが無駄とは言わないものの、非生産的なものが多いのも事実です。
藤原さんは、これらをSSK(接待・査定・会議)と称していますが、管理職におけるSSKの割合は平均7割程度、多い人だと9割に達するとのこと。
被雇用者としての管理職なので、「会社にいることの税金」ではあるものの、せめて3割くらいには抑えるべし、とありました。
形式的な会議は極力出ないようにしつつ、ゴルフは時間を取られすぎるので、やらないようにとのことです。
私はゴルフをしませんし、子どもがしばらくは小さいので土日を丸1日空けてしまうゴルフをやることは当面ないと思ってます。
また、テレビもただダラダラと見てしまうとプロとしての技を磨く時間を取られてしまうのでB領域の人は特に注意が必要。
その時間で、今取り組んでいるプロジェクトなどをWebで紹介し、外からも「自分が何者か?」を見える化しておくことが大事です。その意味では、このnoteも有効な手段になりえると感じています。
独立するときに、自分の著書があるかどうかが非常に大きいので、フリー編集者に発注して、本を自費出版するのも有効とのこと。もともと、昨年noteを書き始めたときに、10年以内に本を出したいと思っていたので、まずはコンテンツにできる行動を日々取ること、それを書き留めておくことを意識していきたいと思います。