#228 元気な挨拶が聞こえない職場はヤバい
いかがお過ごしでしょうか。林でございます。
今日は、今年度から自分のチームに参画した新入社員の言葉から改めて感じたことをご紹介します。
彼女はまだ私のチームに入ってきてくれてから1ヶ月くらいしか経っていませんが、私の方も日々学ぶことが多いです。
はじめから「あ、この方はセンスいいな」と感じたのは、配属挨拶のときに「元気に挨拶するところから頑張ります!」と言っていたことです。
「そんなの当たり前やん」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、皆さんの職場や学校などは、「普通に」元気な挨拶が飛び交う環境でしょうか。
Yesであれば、それだけで私にとっては「健全な環境」です。自信を持ってYesと言えない場合は、「ヤバい職場」なので脱出するか自ら変化を起こすかしたほうがいいと本気で思っています。
今日は、自身の経験をもとに、「元気に挨拶をする」ことをテーマに考えていることを話してみます。
社会人は挨拶しないもの?とインストールされた新人時代
私が「挨拶」を健全な職場を測定するための重要なバロメーターに置いているのは、新人時代の強烈なインパクトが根底にあります。
「挨拶が大事」というのは、子どもの頃から教わりますよね。
今は自分の子どもがいますが、誰かにあったら「挨拶できる?」と声をかけるようにしていますし、何かしてもらったら「ありがとう」と言おうね、と声かけしています。
おそらく、私だけではなくて、ほとんどの親であれば、子どもに挨拶を教えているのではないでしょうか。
挨拶はマナー云々の前に、人間同士のコミュニケーションを潤滑に進めるための超便利なツールだと思うのです。明るく挨拶されて気分を害する人なんて、ほとんどいないんじゃないか?と思っていますし、元気に挨拶して無視されたとしても、それは無視するほうの問題なのであって、挨拶したほうが気に病むことは全くないと考えています。
そんな価値観をずっと持っていたものですから「大人になったらみんな挨拶するのは当然」と思っていたのですが、新人時代に配属された職場で、必ずしもそうではないということを思い知らされたのです。
その職場では、朝誰かが来たら、全く挨拶せずに黙って自分の席に座るんですよね。私の職場は、自分の会社の人と協力会社の人が同じオフィスのフロアで働いており、協力会社の方同士は挨拶をしているのですが、自分の会社の人はほとんど挨拶をしない。
もちろん、全員がそうではないのですが、時々挨拶する人も独り言のように「おはようございます」と宣言して座る感じで、誰かに対して挨拶をしている訳ではありませんでした。
さらに衝撃だったのが、当時のお客さん先に同行させてもらったときにも、お客さんの会議室に通されて何の挨拶もなくみんな席に座り、全員が揃ったのと同時にいきなり打ち合わせのアジェンダの説明に入ったのです。
自分の会社の人だけでなく、お客さん側も挨拶しないとなると、「社会人って挨拶しないものなんだ」ということが強烈にインストールされました。
いつの間にか私もその雰囲気に染まってしまい、挨拶しない日もあったし、挨拶しても声がかなり小さかったと思います。
異動してきた先輩から「挨拶しないのが普通」ではないと学ぶ
その後、今でも仲良くさせてもらっている先輩が自分のチームに異動してきました。先輩からすると、自分は「年下のペーペー」ということになりますが、廊下ですれ違ったときに必ず会釈をしてくれました。
それが自分にとってはいい意味で強烈で、「お互いがそこにいると気付いているのに、何のリアクションも取らずに何となく目を逸らすのって、やはり人として変だよな」と考え始めたのです。
その後自分自身も異動になり、みんな普通に挨拶しているのを見て、「ああ、やっぱり挨拶しないのって普通じゃないんだ」と言葉にすると当たり前のことに気付きました。
それと同時に、前の職場で挨拶がなかったことで感じていた気持ち悪さや、上司がどんな機嫌なのか、何を考えているか分からずに、話しかけることすら心理的なハードルを感じていたときの息苦しさのようなものが、いかに無駄な時間だったのか、ということに気付いたのです。
「元気な挨拶」が溢れる職場作りもマネジメント
あらゆる仕事において、誰か一人で完結できる仕事は少なく、基本的にはチームワークが必要です。
チーム力を最大限にするには、チーム内のコミュニケーションのハードルは低い方が当然、お互いに協力関係を築きやすいですよね。
しかし、挨拶がないだけで「今話しかけてもいいのかな?」とイチイチ気にしていた自分がいたことを考えると、明らかにコミュニケーションのハードルが上がっていて、チーム力発揮の阻害要因になっていたのは間違いないです。
そして、挨拶がない関係性では、雑談も生まれにくいですから、一緒に仕事をする上で基盤となるお互いの信頼関係も築けないのは当然です。
当然、業務を進める上で必要な打ち合わせなどには出席しますが、根底の信頼関係が構築されていないので、業務上のやり取り以上で「もしかしたら、この件でこの人は困っているのではないか?」というような想像力や動きは出てこない。だから、チーム間でのポテンヒットも多くなり、職場の雰囲気も悪くなってしまうのです。
このように考えると、職場のコミュニケーションを軽んじていたマネジメントの問題に帰結する訳です。
何かの節目で「飲み会に行く」みたいなことはしてましたが、一番大事なのは日々のコミュニケーション。コミュニケーションのきっかけが挨拶なので、「元気な挨拶が溢れる職場作り」は、マネージャーが最初に取り組む仕事だと思います。
じゃあ、職場のマネージャーは具体的に何をやれば良いのか?
簡単です。
自ら誰よりも明るい挨拶をすることです。
ドレミファソの「ソ」の音を意識して、「おはようございまーす!」と言って毎日の仕事を始めることを続けるだけで、次第にそんな雰囲気が当たり前になっていくはずです。
挨拶の範囲を広げる
あと、せっかくなので、もう一つ「人として当たり前だと感じているけど、全ての人ができている訳ではない違和感」について、話しておきます。
それは、職場では挨拶をするんだけど、「ビルの守衛さんや、オフィスの清掃を担当されている方、飲食店のスタッフ等に対して、挨拶しない人が多い」ということです。
私の勤務先は、複数の会社が入っているいわゆるオフィスビルで、荷物検査などを担当する守衛さんがいらっしゃるのですが、守衛さんが「おはようございます」と言っても、結構返事しない人が多いんですよね。
パッと見た感じだと、スルー率95%くらいと言っても過言ではないと思います。
これも自分にとっては強烈な違和感で、あたかも守衛さんはそこにある機能でしかなく、わざわざ挨拶しないのがデフォルト、みたいな雰囲気を感じるのです。
でも、当然ながら守衛さんも人間だし、挨拶を返された方が気持ちいいに決まってますよね。
マネージャーが元気な挨拶をするだけで職場の雰囲気が変わる、という話をしましたが、自分の職場だけでなく、守衛さんや飲食店のスタッフなど、普段から当たり前に元気に挨拶するのが、普通にしていきたいですよね。
こういう話も一つの「大人の教養」であり、「誰に対してもご機嫌に挨拶ができる」という超ベーシックなところからも、人としての素養や魅力が見えると思うのです。
どんなに仕事ができても、誰に対しても等しくご機嫌に挨拶もできないのであれば、私としては、尊敬の対象にはならないですね。
それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!