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#316 ブルーオーシャン戦略を深く理解して、自分の人生設計に適用する (1/2)

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

先日、学年で1番くらいになれる領域となる「自分ハッシュタグ」を複数掛け合わせていくことで、マーケットでの希少性が高まり、自分の価値を相対的に高めていくとともに、常に厳しい競争に晒されている世界から脱却できるブルーオーシャンを見つけていくことができる、という記事を書きました。

ブルーオーシャン戦略は、最も強いのは「戦わずして勝つ」という競争戦略の原則から見ても、とても合理的で誰もが羨む戦略だと思う一方で、実際にこれを実現できている事業って少ないと思うんです。みんなできていれば、これだけ多くの業界でしのぎを削る価格競争が起きていないはずですから。

誰しもできることなら熾烈な価格競争の中にいたくない。戦略上、あえてレッドオーシャンで勝ち筋を見出している場合は別にして、自ら進んでレッドオーシャンを突き進むのだ!という人なんて普通はいませんよね。

ということは、ブルーオーシャン戦略は、単純に「自分の強みの掛け合わせ」を見つけるだけでは必要十分条件にはならず、正しい順番・思考で戦略を組み立てて実行していく必要があると理解しました。

そこで、ブルーオーシャン戦略の原理原則をしっかり押さえておこうと考えて読んだ書籍を元に、自分の人生設計の中で、どうブルーオーシャン戦略を実行していくのか、を考えていきたいと思います。

ブルーオーシャン戦略の本質は、バリューイノベーションである

まず、本書を読み終えて、すべての話の根底にある考え方は、ブルーオーシャン戦略とは、バリューイノベーションであると理解しました。

バリュー=「価値」を、イノベーション=刷新すること。つまり、どのようにライバルとの比較の中でどのように相手を打ち負かすかを考えるのではなく、「買い手と自社にとっての価値を最大化する」ことが本質的な考え方であると。

イノベーションと聞くと、最新技術を活用して・・とか、市場にできるだけ早く投入する・・みたいなことをイメージしがちですが、それは本書でも明確に誤解であると書かれていて、手段が最先端でなくてもいいんです。

それよりも、とにかく相手と自分にとっての価値を再定義して、既存業界のルールや業界標準に線を引き直すことで、イノベーションと実用性、価格、コストを上手く調和させることこそが、バリューイノベーションです。つまり、「差別化」と「低コスト」を両立させるということ。

「弱者の戦略」で忘れてはいけないのは、自分のリソースは極小であることです。だから、ブルーオーシャンを切り拓き、ブルーオーシャンを維持していくために(=自分ならではの尖った価値での希少性を維持するために)コストは最小限にする必要があります。

「差別化」と「低コスト」がトレードオフになるのは、レッドオーシャンでの戦い方です。「差別化」と「低コスト」を両立できてはじめて、ブルーオーシャンを切りひらいたと言えます。

実際に、本書で研究対象とした新規事業の86%は、既存市場というレッドオーシャンでの小さな改善で、全売上高の62%を占めるものの、利益面では、全利益の39%に過ぎません。一方、ブルーオーシャンを生み出すことを狙いとした残りの14%は、全売上高の38%で、全利益の61%を確保しています。

高い独自性・メリハリ・訴求力あるキャッチフレーズが肝

ブルーオーシャン戦略で重要なのが、「高い独自性・メリハリ・キャッチフレーズ」です。

「高い独自性」は、自分ハッシュタグの掛け合わせというクロスオーバー戦略により導き出されるものと考えて良いでしょう。冒頭で「クロスオーバー戦略」だけでは、ブルーオーシャンを見つけるきっかけにはできても、実際に実現するところの必要十分条件にはならないという見解を述べましたが、その後続段階として「メリハリ」と「キャッチフレーズ」が続くからと腑に落ちました。

「メリハリ」とは、買い手と自社の価値を最大化するために、既存業界における商品やサービスの水準に対して、「さらに深く追求するもの」「ないから足し合わせるもの」と「あるけど無くしてしまうもの」「極限まで減らすもの」を決めるということです。ここめっちゃ大事。これが既存の業界の常識に線を引き直して、価値を革新する(=バリューイノベーション)ということそのものだからです。

私の頭の中にある理解の構造を絵にするとこんな感じです。

書籍からの理解に基づき筆者作成:クロスオーバー戦略は、自社や自分の「高い独自性」を見つけて、ブルーオーシャン戦略が取れる候補を見つけ出すステージで行うものと理解

「さらに深く追求する」の段階では、「既存の業界では大体ここまでしかやっていないけれど、自分はここまでやる!」という深追い領域を作ることです。「ないものを足す」は「既存の業界ではこんなことやってないけれど、他の業界の常識から新しく持ってくる」というアプローチを取ること。ここまでが「差別化」にかかる戦略です。

で、ここまでだけだと「弱者の戦略」上、リソース面での持続可能性がありませんから、「低コスト」側にも目を向ける

「あるものを無くす」とは、「既存の業界ではあるのが当たり前になっているけれど、思い切って無くしてしまうこと」です。例えば、分かりやすい例はネット銀行のようなものですね。それまで、銀行窓口はあって当たり前だったけれど、物理的な窓口を置かずにネットでサービスを完結させることで、低コストを実現するやり方です。
「極限まで減らす」は、現在普及しつつあるファミレスのオーダーや料理運搬をロボットにお任せしてしまうみたいなものですね。一応従業員も少しは配置しているものの、オーダーや配膳、会計を極限まで自動化することで、人件費を抑える考え方です。

「差別化」と「低コスト」を同時に実現しようとすることで、自ずと生まれてくるアイデアやサービスは独自性が強いメリハリのあるものとなります。「あれもこれもできますよ!」の機能がたくさんあり過ぎて、何ができるのか結局わからない総花的な商品ではなく、より切れ味のある商品・サービスになるため、あとはそれが端的に伝わる訴求力ある「キャッチフレーズ」を付けてあげる。
これが、ブルーオーシャン戦略における商品・サービス開発の王道です。

「買い手」にとって、これまでにない新しい価値や利便性をもたらしながら(=イノベーションを起こしながら)、価格とコストを調和させる。すなわち、「買い手にも自社にも価値を最大化」というバリューイノベーションを体現しているわけです。

順番が超大事

バリューイノベーションを起こしていくには、正しい順序で戦略を考えることが非常に大切。意外とここに落とし穴がありそうなので、最後に紹介しておきます。

バリューイノベーションで最初に考えるのは、なんといっても「買い手の効用」ですから、出発点はあくまで「買い手がぜひ購入したい」と思われる理由があるか、です。

「あったらいいですね」とか言う人は多くいますが、お金を出してでも欲しいものであることが必須条件。そして、具体的な買い手がバイネームで想像できるか。これがないと、どんなにカッコ良くても、低コストを実現できても、そのサービスはおじゃんです。

だから、あくまでも順番は「買い手にとっての効用→価格→コスト→実現への手立て」
「ぜひとも購入したい」と思わせる理由があり、購入してくれる具体的な人の顔が浮かぶまで、アイデアを練り直していくか、一旦そのアイデアは消し去るかのいずれかです。
そこをクリアできてはじめて、価格の議論にいきます。ここでは「買い手が受け取る効用−価格」を大幅に押し上げつつ、自分も売上が確保できることが肝要です。
コストがこれくらいだから、そこに利益率をかけて価格算出、みたいなプライシングアプローチもありますが、それは基本的にNG。売上を大きくするにはコストも大きくしないといけなくなるので、リソースが超貧弱な自分事業においては、このビジネスモデルは「ただ忙しいだけ」の疲弊する未来に繋がりやすいです。

だから、価格マイナス方式でコストを導き出します。つまり、「買い手が受け取る効用−価格」を最大化できる価格設定ができたら、先に効用を小さくせずに利益を確保するための目標コストを設定します。目標コストを先に設定することは、メリハリの議論で述べた「あるものを無くす・最小限にする」ことを考えることに繋がりますし、他社から模倣されにくい仕組みを構築することにもなりますから、この原則は必須です。コストを目標水準に抑えられない場合、利益につながらないアイデアのため諦めるか、何とかコスト目標まで下げるのいずれかしかありません。

今日は、ブルーオーシャン戦略におけるより具体的なアプローチについて、自分の理解・解釈を整理しました。

次回は、「メリハリ」の部分を具体化するためのプロセスと自分事業に当てはめるとどうなるのか?ということに言及していきます!

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林 裕也@30代民間企業の育児マネージャー
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