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今週の【情報通信をとりまく】気になるニュースまとめ

多くのユーザーから忌み嫌われ、その存在を否定されることも多かった「インプレゾンビ」。その当事者に直接語りかけ、ヘルシーな投稿へと促そうとする勇者が現れました。その手があったか!と、これまでその発想に至らなかった自分が恥ずかしく思うほど、感銘を受けました。インターネットはインタラクティブ。誰とも簡単に繋がれる自由な空間だという基本を思い出させてくれるニュースでした。

①Forbesの地方自治体支援の取り組み

Forbesの自治体との連携協定を結ぶ動きが素敵です。メディアがしっかり地域に根を張り、社会に貢献していくことは、収益などの問題でハードルが高くなりつつある中でとても重要。

-Forbes JAPANは創刊以来、地域の企業に光を当てる活動を続けてきた
-地域に根差す小さくても偉大な企業やリーダー・イノベーターを取り上げていく。無名ながらも未来を切り拓く可能性を秘めた企業や自治体にスポットライトを当てることを目指す

②巨大テックに挑む「オープンソース戦略」

名古屋のスタートアップが、世界の自動運転市場に挑む。

-自動運転は有望な市場だが、単独では巨大テック企業に到底勝てない。「グーグルに勝つにはどうすればいいか」
-加藤社長はオープンソースのOS「Linux(リナックス)」のモデルに着目した。技術の無償開放により急速に広がり、巨大なマイクロソフトを脅かす光景に勝機を見いだした。
-基本OSは無償で開放し、メーカーごとに必要な性能をカスタマイズして共同開発するビジネスモデルを構築。メーカーにとれば開発コストは抑えられ、ティアフォーも個別機能は共同開発により収益を稼げる。ウィンウィンの関係を築けると踏んだ
-加藤社長は「(最終的に)自動運転の陣営は3つくらいになる」とみる。その上で、「オープンソースを使う陣営はそのうちの一つを占める」と自信を示す

③スキルの見える化が求められている

GX人材の「スキルの見える化」をはかる取り組み。定義を固め、評価しやすくする

-GX人材市場創造ワーキンググループ(WG)が5月、GX人材を定義した「GXスキル標準」を発表
-温暖化ガス排出量を算定する「GXアナリスト」、排出削減計画を立案する「GXストラテジスト」、計画実現のための技術開発などを担う「GXインベンター」、取引先や投資家など関係者と交渉する「GXコミュニケーター」の4類型に整理
-これまでGX人材の定義が曖昧だったため習得すべき能力が分からず、企業側も採用や育成、評価がしづらいという課題があった

④「分断」は「創造的対立」へ

このオリジナルな「経営論」に学びがありました。

-経営は人と仲良くなって組織を作る技術でもある
-「経営」は英語だと「マネジメント」だが、一般にこの2つの単語のイメージは異なっている
-「マネジメント」は「みんなで豊かになろう」という気風なのに対し、現在の「経営」は「金儲けのために奪い合う」ことにフォーカス
-価値あるものは有限だから、他人から奪うしかない。そこで上手く奪う知恵が「経営」なんだという考え方になってしまった
-僕の経営概念は、意見の違いを「分断」にするのではなく、相手へのリスペクトと人間愛をもって「創造的対立」に変えていこうとするもの
-そのことを再認識すれば、SNSは対立を建設的なものにするツールになる。リアルでは会う機会がないような人と話せたり、肩書きに関係なくすごい知見を持っている人に出会えたりする
-人間の視点からAIの仕事を評価して責任を取るとか、人間同士で話し合うとか、その過程で肌感覚をつかむとか、それこそ実際に握手するとか……そういうことは人間にしかできない
-将来的に、金儲けはAIのほうが得意になる。では何が残るかというと、まさにこれまで僕が述べてきた、集団や共同体を作っていくという意味での経営

⑤まるでウェブニュース史初期のような…

AI企業とメディアの提携は、長期的には社会に大きな不利益をもたらす可能性がある、と。まるで有料モデルだったニュースを無料でウェブに載せたことが、後に自らの首を絞めることになった頃を彷彿とさせます。

-AI企業側の主張は、これは「フェアユース」に該当し、イノベーションとAI能力の向上に必要であるというものだ。一方、メディア側は、この行為は知的財産権を侵害していると主張
-これらの取引条件が公正であるかどうかを客観的に評価することは難しい。その条件が、データの現在の価値だけでなく、将来的な「価値の移転」、つまり、当初の使用目的を超えたデータの価値を正確に反映しているかを評価するのは容易ではない
-例えば新聞記事のデータで訓練されたモデルが、事実の正確な表記やニュース要約の提供にたけるだけでなく、より一般的な他のタスクの実行もうまくやるという事実を、どう価格として設定すべきなのか
-学習データの価値がわからないと、小規模なメディアが取引条件を評価しにくくなる問題が生じかねない

⑥男女の分断は、SNSのせいでもある

みんなが「自分たちだけが生きづらい」と思ってしまっている現状。互いを罵り合う分断を、どのように改善できるでしょうか。

-ある研究によれば、18〜23歳の米国人男性の半数以上が「現代の米国では、男性のほうが女性より生きづらい」と考えている
-男性が女性を嫌悪するもうひとつの大きな原因は、ソーシャルメディアのエコーチェンバーです。人は自ら選択したうえで、自分と似たような人と仲良くなります。ソーシャルメディアはこの傾向をさらに増幅させるのです

⑦大手メディアが中立性のために分社化

世界的なメディア大手のアクセル・シュプリンガー。報道の独立性や中立性のため、広告事業とメディア事業を分社化する。この動きは大いに注目です。

-メディア事業は独立性や中立性を高めた報道や情報発信を手がけることに専念する。デフナー氏は19日、「5年前のKKRとの提携前に、フリーデ・シュプリンガー氏と将来会社がどのような姿になるか理想を描いてきた。その理想が今や現実になりつつある」

⑧インプレゾンビに話しかける勇者現る

インプレゾンビに直接声をかけ、ヘルシーな投稿へと促す活動をされている男性の話。とても感銘を受けました。

-今年5月、誰も話しかけようとしなかったインプレゾンビにXで呼びかける男性が現れた。彼こそが、まさやさんだ
-人として話すうち、ナイジェリアなどのゾンビから投稿について相談もされるようになった
-日本向けの投稿の内容を添削したりバズリそうな写真を例示したりしたところ、身の回りのことを日本語で投稿をするアカウントが徐々に増加。6月にはコンテンツ投稿サイトのnote上に「インプレゾンビ・インスティテュート」を開設した
-呼びかけに応じ、迷惑行為をやめてくれたアカウントは30人以上に及ぶ

⑨独占や寡占は100%悪なのか?

このような多様な視点も含めて、予期できない経済の荒波に対応していかなければなりません。

-一部のエコノミストは企業の寡占が本当に成長を阻害するかどうかも疑問視している。米シンクタンク、情報技術イノベーション財団(ITIF)のトレリサ・ロング氏は「02年に集中度が高かった産業ほど02〜17年の生産性拡大が著しく、時給換算の報酬の増加率が高かった」と論じている。同氏は「大企業を解体しようとする取り組みは反労働者、反中産階級だ」と結論付けた

⑩ジェフベゾスに学ぶ摩擦の乗り越え方

組織の中の「良い摩擦」と「悪い摩擦」をどう見極めるか?納得感しかありません…。

-これはジェフ・ベゾスの受け売りなのですが、私はまず「この変化はもとに戻せるのか、戻せないのか?」を問いかけることから始めたい
-もし、その変化が簡単にもとに戻せる性質のものであれば、そしてその計画が失敗しても会社に害がないのであれば、積極的にやっても大丈夫です。しかし、それが大きな賭けであり、失敗すれば会社に損害が出たり、最悪の場合、立て直しも効かなくなったりするようであれば、焦らずに時間をかけて考え、慎重に分析すべき

⑪オードリータンに学ぶ分断の乗り越え方

オードリー・タンが理想とする情報空間の実現までは道半ば。「共有し、楽しむこと」という参加型民主主義の信条には強く共感します。

-彼女はデジタル技術をもう一度「善をもたらす力」に変えようと決意している。多様性を尊重し、共通点を通じて私たちを結びつける、人類にとって究極の「傾聴ツール」として
-タンが望むのは、すべての人々が耳を傾け、話し合い、真実の証人となり、虚偽を暴き、世界をより良い場所に変えていくことだ

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