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今週の【情報通信をとりまく】気になるニュースまとめ

オリンピックで一躍話題となった「無課金おじさん」。情報社会の生き方にも通じるライフスタイルのヒントをもらえる記事は秀逸です。その他、「SNS中毒で学力ダウン」や「暴動にSNSが加担か」といったSNSに絡むネガティブなニュースと、それに対する「免許制度」や「AIシステム開発」など、画期的な対策に関する話題も目白押しなラインナップです。

①SNS中毒で学力ダウン

スマホ依存やSNS中毒は、学力にまで影響を及ぼし始めています。特に若年層に対しては、健康栄養教育と同じレベルで指導していく必要があるのではないでしょうか。

ー中学国語では、1日あたりのSNSや動画視聴などが「30分未満」と答えた生徒の正答率は63・9%だったが、「4時間以上」の生徒は51・6%で、12・3ポイントの差が開いた

②日本のレトロは、実はとても未来的

デザインにこだわる日本ならではの強みと、一方で矛盾するような「今だにファックス文化」の謎を解き明かす記事。

ー日本語には3つの文字体系(ひらがな、カタカナ、漢字)があり、デジタルフォームに記入するのは困難なことがある。
ー「ただ紙に書いてFAXを送るほうが1000倍も速く感じるのではないでしょうか」と櫛田は言う
ー物理的なデザインを重視する姿勢が日本の強みであることは、多くの点で証明されている

③新聞を「絶滅危惧種」として保護する動き

各国で絶滅危惧種かのような「ジャーナリズム保護法案」が審議され始めています。メディアとジャーナリズムをめぐる議論が佳境を迎える。

ーニュース記事を表示し、広告収入を得た場合に、収入の一部を対価として報道機関に支払うよう義務づける法案
ー広告への依存度が高い米国などの新聞社の経営は大幅に悪化してきた。地方紙の多くが廃刊になり、地域ジャーナリズムの弱体化につながった
ーグーグルが記事掲載を通じて得る広告収入よりも、メディアが得るトラフィックや読者の増加のほうがメリットが大きいと、グーグルは主張

④ファクトチェックは「だいふく」

ファクトチェックは「だいふく」?いつも子供にも分かる言葉で話すべし、と。

ー正しい情報かを見極める心得は「だいふく」。「だ=誰が(官公庁やメディアの発言か。一般人ならプロフィルや過去の投稿から信頼性は確かか)」「い=いつの情報か」「ふく=複数人による情報があるか」

⑤富士通が偽情報対策システムの開発に着手

コンテクストや影響度など真にコンテンツに踏み込んだ評価システムに期待が高まります!

ー情報に付加される発信者(人や組織とその属性)、位置、日時などの様々な根拠の関係性をつなぎ合わせた「エンドースメントグラフ」によって、これらの整合性や矛盾を分析することで真偽の判定を支援するほか、社会的な影響度を評価
ー第2は「根拠、エンドースメント管理」。1で抽出したインターネットの情報に対する根拠をグラフ化し管理するシステムを構築
ー第4は「偽情報影響度評価」。偽情報の特徴を分析。拡散規模や社会的な影響度を評価

⑥スタートアップ低成長の原因は

その要因は多岐にわたるが、中でも大企業の及び腰な姿勢もその大きな一つ、と。

ー大企業が設置するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)などを通じてスタートアップへ少額出資する事例は増えているものの、本腰を入れて買収に踏み切る例はまれ
ー米国では大手IT(情報技術)企業などがスタートアップを傘下に収め、一段と成長を加速させてきた
ー大企業がスタートアップの買い手として存在感を増せば、VCの出口が広がり、準備不足のまま荒波に放り出されて漂流する事態は少なくなる

⑦ナイスなアイデア。SNS企業に「免許」

マレーシアで2025年初めから、SNSの運営企業に免許取得を義務付け。これは画期的で良い方向性だと思いました。

ーSNS運営企業に、自主的に責任ある対応を求める
ー1~6月、フェイスブックに対し12万件のコンテンツ削除要求を出したとし、「これは政府の仕事ではない。企業側が人工知能(AI)で一気に削除するなどの対策を打つべきだ」と

⑧SNSが暴動の広がりに加担?

英国における暴動の広がりに、SNSが力を貸しているのは気がかりです。

ーTikTokやX、フェイスブックなどソーシャルメディアを通じて支持者の怒りをあおり、抗議活動を組織する能力も高まっている
ー事件後に移民全般、特にイスラム教徒を犯罪と結びつける偽情報が大量に拡散

⑨日本の大学は人材の宝庫

若い人を打席に立たせるための人材育成エコシステムがここに。

ー「すでに負けている。八方ふさがりの状態だ」。松尾教授はAIにおける米マイクロソフトなど巨大IT企業と日本企業との競争について、冷静にこう分析する
ーその上で最善の打ち手は、変化の速いAI業界において「若い人を打席に立たせることだ」と強調
ー松尾教授は大学はそうした人材の宝庫とみる。講座などで見つけた意欲のある学生には「起業しないか」と口癖のように声をかける

⑩話題の「無課金おじさん」に学ぶ

「心地良さと質素さの勝利だ」無課金おじさんに学ぶシンプルを極める強み。

ー多くの選手がゴーグルなどを使う中、Tシャツのユニホームを着ただけのシンプルな姿で出場
ー過去に装備を試したこともあったが「不快だったからやめた」と明かす
ー耳栓は薬局で購入する市販品で、靴は競技用ではなく普通のスニーカー
ー「本来、五輪の中心にあるべきものはフェアプレーで、自然な人間の能力だけで競うべきだ」と訴える

⑪脱スマホの学校で起きた変化

スマホ禁止を断行した学校で起きた変化が想像以上だった。これは興味深い。

ー試験のスコアが上がり、成績もコロナ禍前の平均に戻った
ー携帯電話を禁止してくれたおかげで学業に集中しやすくなったと、こっそりお礼を言う生徒らもいたという
ースポーツ行事やその他の活動への出席率が5割も増した
ー「教室で生徒たちに話すときも、しっかり聞いてくれるようになりました」

⑫映画のような凝った機内安全ビデオが物議

楽しく見てもらい重要なメッセージを伝えよう、という目的ですが、とある研究によるとそれは逆効果かもしれない、と。

ー「エンターテインメントと注意喚起の間にはトレードオフがある」と指摘されており、「エンターテインメントの価値が高いほど、重要な安全メッセージを記憶させ保持する力は悪くなる」という結果が出ている
ーはたして凝った機内安全ビデオの効果とは。


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