スタートアップ・ベンチャー企業の優先株との付き合い方
資金調達を行う上で比較・検討すべき点はいくつかありますが、おそらく以下の項目で網羅できています。
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・時価総額(preかpostかも含め)
・投資金額
・投資条件
・優先株条件
・追加出資の有無
・サポート体制
・ご担当者の今後のキャリア
・ファンドの状況(残り金額や満期や出資LP)
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この中で、今回は優先株についてどう考えていくべきかというところについて書いてみます。
※過去記事のカテゴリ別まとめはこちら
優先株とはなにか
辞書的な意味でいうと種類株式の一種であり、スタートアップでは普通株式と比較して株主にとって良い条件が含まれる株式と捉えられることがほとんどです。
各項目は個別に規定されますが、要するに普通株よりも強い権限を持った株式ということです。
優先株は上場時には全て普通株に転換されるので、基本的にはそこまで、もしくはバイアウト時にその効果が発揮されることが多いです。
ちなみに、以前は数億円程度の時価総額から用いられることが多かった優先株ですが、最近はシードファイナンスの段階から使われることも増えてきたようです。
そもそもシードファイナンスが1億円程度で行われるケースも増えているからだとも言えると思いますが。
どんな条項に気をつけるべきか
優先株の条項にどういったものが含まれるのかについてはこちらのリンク先をご参照ください。
この中で最も注意してして検討すべきは拒否権で、次は優先分配、参加or非参加あたりが重要です。
拒否権を広く認めすぎてしまうと、経営者が思うように経営ができなくなってしまうというリスクがあります。
もちろん「暴走を防ぐため」という理屈もあると思いますが、基本的に投資家の方は起業家を信じて出資していると思うのでこちらがボトルネックにならないよう交渉すべき。
次に優先分配や参加or非参加という、要するにバイアウトした際の分け前をどのように分配するかという点についてです。
優先分配については1倍であれば良心的だなと感じます。
参加or非参加については、どちらかというよりも一部参加型に着地することが多いと感じています。
要するに、参加型でありつつその後の分配に上限額が定められているというものです。
こちらについては、初めて見る方はよく分からないと思うので内容については調べてみてください。
どう設定すべきか
起業家にとっては、条件がゆるい、もしくは普通株の方が当然プラスに感じられます。
ですが、優先株を使用することによってより大きな時価総額、投資額でそのディールを行うことが可能ですし、優先株でなければ投資できないという状況も多くあります。
そもそも、自分達の会社が絶対に上場すると考えるのであれば無茶な拒否権等を付けない限り特にデメリットにはなりません。(得てして状況は変わるけれども)
なので大事なことは条項を極力取り除こうとするのではなく、自分たちが譲れるor譲れないラインを見定め、交渉時にカードを切っていくことです。
優先株との付き合いかた
優先株は株主にとって有利なものなので、基本的に起業家にはあまりポジティブに感じられないものではないでしょうか。
ですが、例えば優先分配権を設定していれば、ダウンバリューでのバイアウトも投資家の方にとっても損にならない形で行えるため、起業家とVCとの利益相反が起きづらいです。
また、上でも書きましたが基本的に優先株を用いた方が時価総額や投資額は大きくなりやすいです。
そのため、優先株を忌避するのではなく自分が目指したい出口と照らし合わせながら上手に用いていくことが肝要だよね、というところで今日は終わります。
まとめ
NDAで守られがちでなかなか情報が表に出てこない優先株について、起業家という立場から書いてみました。
コメントや不足している点があれば、遠慮なくご指摘いただけると嬉しいです!
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