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資金調達時の高すぎる時価総額がもたらす問題3つ
スタートアップ経営において、エクイティファイナンスによる資金調達時に時価総額(バリエーション)をいくらに設定するのかというのは難しいテーマです。
当たり前のことですが、同じ金額を調達するにしても時価総額が高い場合は株式の放出が少なく済み、低い場合は多くなります。
じゃあ時価総額は高ければ高い方がいいのかと言えばそんなことはなく、それがビジネスの実情よりも高すぎる場合に発生する問題を整理します。
※過去記事のカテゴリ別まとめはこちら。
1. 調達難易度が上がる
株式は安く仕入れて高く売ることで利益を出す、という方法が一般的です。
なので、時価総額を実態よりも高く設定してしまうと割高感が出てしまい、資金の出し手は参加しづらくなります。
株式放出量を減らせることはメリットではありますが、それによって経営者などの時間が必要以上に取られて事業進捗が悪くなってしまい、最悪の場合はそのまま精算せざるを得ない状況に陥ってしまいます。
2. 次回以降の調達での難易度が上がる
仮に高すぎる時価総額で調達に成功した場合、その瞬間は良いかもしれません。
しかし、そこで上がったハードルは次回以降の資金調達において大きな枷となる可能性があります。
事業進捗が良かった場合であっても前回下駄を履いてしまっているので、通常よりも大きな成長が求められます。
また、事業進捗が悪かった場合はダウンバリューを受け入れざるを得なくなる可能性が高く、その際は既存投資家との交渉もよりハードなものになります。
3. 出口の選択肢が減る
スタートアップにおいては主に上場(IPO)かセルアウト(企業売却)がその企業におけるひとまずのイグジットとなります。
しかし、時価総額が2桁億円を超えた場合、少なくとも国内企業においてはその会社を買収できる企業の数はぐっと減ります。
絶対に上場する、セルアウトには全く興味がない、というケースであればこの点においては問題がありませんが、もしセルアウトをする選択を採り得るのであれば時価総額を上げすぎない方が懸命です。
ちなみに、わずか7年前である2012年においては、数千万円の時価総額で数百万の資金調達を受けるというのがシード期においてはほとんどでした。
しかし、現在では1億を超えるのは当たり前、場合によっては数億半ば〜後半程度でのシード調達も起こりえます。
果たしてどちらの金額が適正なのかというのはここでは述べませんが、少なくとも言えるのは、この数年でも企業による買収価格はそれほど変化していないということです。
こちらのデータにあるようにバイアウト件数は増えてはいるのですが、これはスタートアップに限らない事業継承なども含めたものであり、先に書いた2桁億円でのM&Aというのは数少ないという状況はあまり変わっていません。
そのため、スタート地点から時価総額が高い場合、セルアウトではなく上場を目指さざるを得ないという状況に陥りがちです。
まとめ
時価総額を上げることにはメリットもありますがデメリットもあります。
そのため、自分でも高いと感じるような時価総額で資金調達に取り組んでしまうと真綿で首を絞められるように大きな負担になる可能性があるので、背伸びせず自身が適正だと感じる額でそれを行うことが健全な経営を行うためには必要であると考えます。
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