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年下君を好いていることが、多分年下女子ちゃんにバレた

先日のお泊まり会は楽しかったが、
あまりにも年下君に女性扱いしてもらえないことに絶望を感じた私、夜中に情緒が乱れまくってしまう─。

がんばって出社して仕事したけどやっぱり気持ちが晴れなくて、年下女子ちゃんを誘って夜ご飯を食べに行った。

そこで最近モヤモヤしていることを告げると、彼女は
「どうしたどうした!」
と、すぐ聞きの体勢に移ってくれた。

年上先輩のメンブレを真正面から受け止めくれる年下女子ちゃん、人間ができすぎている。

だから彼女に、「子供だと思っていた年下君にあけすけな話されたからびっくりしちゃったよ」みたいなことを、ぽつぽつと話した。

話しながら、

「そりゃあ年下君に惚れているから落ち込むんだろう」

以外の何ものでもない内容だな…

と自覚したがそれでもカウンセリング気分でぽつぽつと吐き出した。

年下女子ちゃんは真面目な顔で頷きながら聞いてくれた上に、

「あの夜、年下君さんのそういう話を聞きながら釜石さんが辛そうなの、なんとなくわかってたよ。仲が良いとはいえ、あんまりそういう話されたくないよね」

と言ってくれた。

優しかった。

「年下君さんは、本当に釜石さんに甘えてるからなー!」

と彼をたしなめるように、それでいて私を気遣いながらなだめてくれた。

もはやどちらが年上なんだか…

おかげでだいぶ心が落ち着いた。

そこからしばらく、これまでの年下君とのやりとりを振り返ったりして、3人での思い出話にも花を咲かせて、普通に楽しく喋ることができた。

話がひと段落した頃、年下女子ちゃんは

「これだけは言っておきたいんだけど」

と前置きしてから、

「釜石さんと年下君さんがどうなろうとも、私はいつでも釜石さんを応援しています」

「あと、年下君さんが釜石さんを傷つけない限り、年下君さんのことも応援しますよ」

と、言ってくれた。

なんだかすごく、心強かった。

なにがどうとかではなく、応援すると言ってくれたことが、ありがたかった。

私はおどろきのあまり「急にどうしたの?!」と言ってしまったが、

彼女は「えっ!困らせたらすみません!でもそういうことだから」と笑顔を見せてくれたのだった。

結局、彼女には「年下君のことが好き」と明言したわけではないけれども、

実質もう、バレている。

私がどれだけ年下君を可愛がっていて大事にしているか、困っていたら助けたいかという熱弁も聞いてくれたし。

だけど「好きなの?」とか「付き合いたいの?」とかそういうことは言わずに、
年下女子ちゃんはただ、

「釜石さんはとにかく、もっとほかの、いろんな男の人とつながったほうがいい!」

と至極まっとうな意見をくださった。

「年下君さんがとにかくあなたに甘えすぎで、あなたも甘やかしすぎなのが心配!」

「あなたには年下君さんを良く言いすぎ!ハタから見たら実はそんなことないのに!」

「私は男としての彼に興味がないし、実際に年下君さんは女の子にはモテない!」

「年下君さんは子供すぎるし無自覚にクズなところもある、私より年上なのにありえない!」

「釜石さん、もっと自分を女として見てくれる人を探さないと!!」

などなど、

実際におモテになる年下女子ちゃんの指摘は、どれも胸を深く突き刺すものばかりだった。

とにかく、年下女子ちゃんにとって、年下君はまったくおすすめできる相手ではないらしい。
(彼女があまりに正直なのでちょっと笑ってしまった)

対する私はといえば、

「でも、あの子はいい子なんだよ…性格が好きなんだよ…」

と蚊の鳴くような声で返すのが精一杯だった。

なんて情けない先輩だろうか。

年下君に女として見られないとしても、
彼には素敵なところがいっぱいあるから、私は彼を嫌になることが全然ないのだ。

ダメなところも可愛いし、助けたいし、力になりたいし、一緒にいたくなってしまう。

「釜石さんはねえ、年下君さんのいいところが見えすぎ!!」

うん、そうなんだろう。

それが惚れた弱みなんだろう。

だけど、年下女子ちゃんの指摘はぜんっぶわかる。
彼のダメなところ、私のダメなところ、全くもってその通りだ。

私もいい加減、変わらなくてはならない。

だから、

「ほかの男の人にも目を向けてみます…!」

と自分に言い聞かせるように、年下女子大先生にお伝えした。

その後も年下女子大先生は、私の「いいところ」というのをたくさん挙げて、自己肯定感が高められるようにしてくれた。

「めんどくさがりだからあなたはアプリ向いてない!」

「こういう場所に行けば出会えるかもよ?」

とか、具体的なアドバイスもたくさんくれた。

私はなんて良い子を友達に持ったのだろう。

この子が困っても困らなくても絶対に助けるし絶対に守る。
言われなくても守る。

そうやって年下女子ちゃんに大感激して帰宅した。

私は彼女との会話の中で、
「年下君が好きだ」
とは、ついに一度も口にしなかった。

言ったら本気で突っ走ってしまうと、思われたのかもしれない。
だから言わなくてよかったのかもしれないね。

ありがとう、年下女子ちゃん。




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