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見切り品を買うのが…やめられない!
タバコがやめられない。
酒がやめられない。
いや
見切り品を買うのがやめられない。
という30代主婦の悩み。
♢
見切り品を買うと運気が下がるらしい。
以前何かの雑誌で読んだことがある。
「売れ残り」は運だか波動だかがよくないので、運気が下がるのだそうだ。
それを読んだ時は、
ふ〜ん、そうなんだ〜。
じゃ私めちゃめちゃ運悪いじゃん。
今すぐやめなきゃ。
と思ったのだが、こればかりはやめられなかった。
お肉のパックに半額シールが貼ってあると、
もう無意識にカゴに入れているのである。
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しかしなんだって。
今日はすごい。
589円の牛バラまで半額なんて!
割引分でモンテールのシュークリームが2つも買えちゃうじゃないか。
私はその割引分を計算して、
お得感を噛み締める瞬間が大好きで、
頭の中で繰り広げられるハッピー暗算タイムは、
正直、3度の飯より大好きだ。
たまに偶然シールを貼り始めるスーパーの兄ちゃんを目撃した時は、わざわざ忍者のように戻って見切り商品を見物しにいく。
私のとなりでは兄ちゃんの後ろで待機し、シールが貼られた瞬間、かっさらっていくおじさんやおばさんがいたが
あの方達は見切り品の達人たちである。
おっと。いけないいけない。
気づいたらカゴにいっぱいの見切り品が入っている。
半額シールだらけではないか。
こんなところを息子の同級生のママに偶然会ってみられたら恥ずかしい。
こんなときは半額商品の上にファサっと自然な感じで焼き海苔などを置いて隠しておくと安心なのだ。
よし
これならもし知り合いに偶然会っても
オホホホ〜
と気兼ねなく、しょーもない立ち話ができるゾ。
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先日実家に帰り、母と実家近くのスーパーに行った。
母は半額になる時間を事前にチェック済みで、
その時間に合わせてスーパーに行き、
半額の肉やら魚、お惣菜などを大量にゲットしていた。
へ、変な遺伝子引き継いじゃってる…
と若干引いたのだが、
母の見切り品ゲット方法を遠くからチェックしてみることにした。
母は、シールが貼られる瞬間、ナチュラルに店員の背後に忍び寄り、風のように軽やかに半額の食材をゲットしていたのだ。
あそこで、時間をかけて群がったり、ずっとその場所から動かないなどの動きは なんとなく恥ずかしい。その点母は、一瞬でその行為を終えた。
鷲が一瞬で獲物を捉えたかのように。
なんという速さだ。
「半額シール食材のナチュラルゲット方法」
などの講座が開けそうである。
私なんて、買おうか買わないか、もしくは違う見切り品にしようか、と悩んでしまい、
シールを貼った商品を持ったままウロウロモジモジしてしまう時もたまにあるので、
まだまだペーペーである。
しかも
「雨の日は半額商品がたくさん残ってるから。いっぱい買って冷凍しとくの」
と突然言ってきた。
バ、バレているのか。
私が見切り品の調査をしていることがバレているのか。
ナゼだ。
何も言っていないのに。
こわい。
小さい頃、隠していたつもりのことを母親がアッサリ見抜いていることにゾっとしたものだが、
大人になっても見切り品調査まで見抜かれているとは。
母親ってオソロシイ。
そうして我々、見切り品親子は半額の食材を大量にゲットした。
多分今日は1000円くらいお得になった気がしている。
家に帰って、ハッピー割引合計金額を算出しなくては。
ウキウキ。
夕飯の時に
「今日は、なんと5人分で約650円!!」
などと、誰も聞いてないが、材料費をエラソーに発表する瞬間も大好きだ。
夫からの
「安いからって買いすぎると、結局意味なくない?」
などの苦言は、スルーである。
値引き分で自分の好きなスイーツが買えて、
ハッピー暗算タイムを味わえて、
エラソーに材料費が安いことも発表できて、
こんなに幸せな気持ちになれるのだから。
良いことしかないではないか。
私的には運気は上がってしまうのですが、
やっぱりダメなのだろうか。
しかし
どうにもこうにもやめられません。
おしまい