耳フェチ
何を隠そう、わたしは耳フェチだ。
耳には少しばかりこだわりがある。
少し大きめで、少し前に出ていて(立ち耳ってやつです)
キレイなアーチを描いている耳がものすごく好き。
大きすぎず、でも“少し”大きいのが好み。
髪の毛と髪の毛の間からぴょこんっと飛び出た耳なんか、最高すぎてそれでお酒飲める。
見て見て!って主張してくるむき出しの耳も良い。
おいでおいで、って手を伸ばして
ツツーってなぞりたい衝動に駆られるのだ。
(大丈夫、無差別には手を出しません。しかし語りすぎると引かれるんかな。引かないで。笑)
わたしは左右の耳に一つずつピアスの穴が開いていて、その穴はそれぞれ別の時期に開けている。
はじめては22歳くらいのとき。
学生の頃からずっとピアスをつけたいと思っていたけれど、穴を開けるという行為におびえていた。
体に穴開けるて。ぞわっ。
しかしイヤリングよりもピアスの方が圧倒的にかわいいものが多い。
どうしてもピアスが付けたかったわたしは
当時付き合っていた人に背中を押され、決意をした。
「開けてあげる」と言った彼はピアッサーを購入し、保冷剤を用意し、
怯むわたしをよそに瞬く間に準備完了。
彼と同じ左耳。
この辺かな、と開ける位置を決める。
彼もピアッサー経験者なので「こういうのは勢いだから」と遠慮なく。
「行くよ。3、2、、」 バチンっ。
最後の1のカウントを待たずに貫通した。
ビビっていたわたしへの配慮だそうだ。
うわぁ。開いたぁ。。。
キンキンに冷えていてもジンジンする耳。
痛さと、達成感と、ようやくピアスがつけられる喜び。
しかし「もう片方いく?」と聞かれて「やめとく」と半泣きで即答したわたしは、もう一度あの恐怖をのり越えることは出来なかった。
それから月日が経つ。
穴を開けるという恐怖と開けたあとの痛みで
もう一度、の勇気が出ずに
しばらく左のみの片耳ピアスの人だったわたしは
5年かけてようやく決意した。
右耳も開けよう。
耳は2つある。
ほとんどのピアスが両耳セットだ。
「なんで片耳だけなん?」て質問は飽きるほど聞いたし、「痛かったから」としか答えようがなかった。
そんなわたしもついに、再び、決意をした。
今度はその当時付き合っていた、夫に相談した。
すると「開けてあげるで」と。
夫も片耳ピアスの人。
病院行こうかなとも考えていたけれど、ピアッサー経験者には開けたがりが多いのかもしれない。“独占欲の現れ”などとも聞くのでそれも少し含まれるのだろうか。
よって右耳は夫にお願いすることになった。
ちなみに、「こっち(左)はどうやって開けたん?」との質問があったが
「こっちは友達に開けてもらったー」としれっと嘘をついた。別に言っても良かったけれど、無駄なモヤモヤは除くに限る。
「ふーん」という反応だったが、夫は察しの良いタイプなので気づいていたかもしれない。
右耳を保冷剤でキンキンに冷やす。久しぶりの緊張感。
開ける位置を決める。
「行くで。3、2、、」 バチンっ。
デジャヴか。
またしても1のカウントを待たずに貫通。
フライングパンチ。
いや、正直少しはよぎったけれども。
わたしはガチガチに力んでいたため
「1、言ってないやん!」と半泣きで
でも怖さから開放され、5年前のも思い出して、
気がつけば爆笑していた。
開ける人はみな同じことをするものなのだろうか。
このフライングパンチは、ビビリ倒していたわたしへの優しさだと捉えることにした。
それ以来、わたしは毎日両耳にピアスをつける。
先日次男が真剣な顔でこう言った。
「ままー。〇〇(次男)、みみにあな、あけたくない。。」
両親が穴空き耳なので、大人は開けるものだと思ったよう。
そんな習わしはありません、と笑いを堪え「開けたくない人は開けなくていいんだよ。」と教える。よかったぁ、と安堵する次男。
でも。そんなことを言っていても、いつか開けたくなるときが来るかもしれない。
わたしに頼んでくることはあるだろうか。
もし頼まれたら、フライングパンチをお見舞いするつもりでいるが
結局は開ける方も怖くなり、夫に頼んでしまいそうな気がする。
そんなことを考えながら
今日もいそいそと子どもたちの耳をチェックし、耳かきを待ちのぞむ。
一時YouTubeの耳かき動画にハマっていたこともあるくらい、耳かきが好きなのだ。
“耳”にまつわるもの。
穴を開けるのは怖かったけれどもピアスも耳かきも大好きなわたしは
正真正銘の耳フェチなのだと、この日曜日の夕方にご報告したい。
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