絶え間なく動くものへの敬意を︰映画「ラストマイル」感想つき
絶対に映画館へ観に行こうと決めていた。
だってわたしは
MIU404の大ファンで、アンナチュラルの大ファンなのだ。
放送は数年前に終わっているにも関わらず、年に一度はAmazonプライムで見返しているくらい、
人生で好きなドラマベスト20には確実に入っているであろう2作品なのだから。
映画には2種類ある。
それは、誰かと一緒に観たい映画と
一人で真剣にじっくり観たい映画だ。
絶対に映画館で観ようと決めていたこの「ラストマイル」はわたしの中で確実に後者で
公開日が来てから一人で行ける日を虎視眈々と狙っていた。ネタバレを徹底的に避けて、なるべく情報が入らないように。
やっと夏休みが終わった。。というタイミングでエアコンのせいなのか咳が出る。
映画館で咳き込むのはご法度。ううむ。どうしようか。
2週間ほどしたらマシになってきたので、ようやく決心した。喉に効くマヌカハニー入りののど飴を大量に用意し、飲み物を持って。外は暑いけれど、館内の寒さ対策で長袖ブラウスにジレも着用。いざ。
ネタバレなしの感想です。
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冒頭の、あちこちと繋がり交差している日本の道路。そして物流倉庫のベルトコンベア。俯瞰で見るとそれらには車や荷物が、まるで川が流れるかのように絶え間なく動き続けていて、その姿はなんだか美しくさえ思える。
満島ひかりさんは大好きな役者さん。
かわいいのはもちろん、繊細な表情、リズムを感じる話し方、小柄な体を活かした動き、彼女の目の動き一つ一つに過去の作品でも惹きつけられてきた。
今回は赴任してくる仕事の出来る上司役。
ファッションがめちゃくちゃ好み。コートめっちゃかわいい。あとで検索しようと決める。
明らかに何かを隠している彼女と、それを探る岡田将生さん演じる部下。(かっこいい)
中盤のひかりちゃんの告白シーン。
顔が、涙が、鬼気迫りすぎて握った手が痛くなった。こんなことを抱えていただなんて。
絶え間なく稼働している物流という仕事は
これほど大変なのだということが、
痛いほど突きつけられた。
わが家はいつも気軽にネット注文してしまう。
お急ぎ便にすることはないが、通常配達でも翌日には届くというとんでもない便利さに魅了されてしまっている。
先日、必要なものがあり注文したら翌日の4〜8時配達予定となっていた。
よ、4時。。?
わが家はそんな時間に起きていないし、そんなに早くは望んでいないのだが、通常の設定がその時間だったのだ。
いくら置き配とはいえそんな時間に働かせなくても。。と思ったのだがわたしにはどうすることも出来ない。
でもこの映画を見て、ネット注文について考えてしまった。
物流がなかったらきっともう生活はままならない。
常にベルトコンベアや配達のトラックが動いているこの世界で、それがストップしてしまったら。
生活が、日常が、かなりの出来事が同時にストップしてしまうのだ。
川のように流れ続けるそれが美しいだなんて、そんなことはもう気軽に言えなくなっていた。
お仕事されている方たちへの敬意と感謝を忘れずに、せめて、これからも必ず家で受け取れる配達時間に設定しようと誓う。
(余談ですが、わが家に配達に来てくれる郵便局のおじさま推し。受け答えが丁寧でにこやかでこちらまで笑顔になります。素敵♡)
今回MIU404とアンナチュラルのメンバーが出演するとのことで、そちらも楽しみにしていた。
MIUメンバーが出た瞬間にぞわわわわ。鳥肌っ。いる。彼らがいる。
あの子も出てるー!(ネタバレになるから言えない!)ともう感動しきりでじんわり涙が。
アンナチュラルの、あの空気感もまた味わえた。
みんな自分の道を見つけている。(こちらもネタバレになるから言えない!)
2時間半の映画でどのように出演されるのかと気になっていたが、事前ネタバレを避け続けたわたしには思っていたよりしっかりと楽しめて、満足。豪華すぎる共演に満足しかない。
ひかりちゃんも、岡田将生さんも、阿部サダヲさんも。トラックの配達員さんたちも。倉庫のスタッフさんたちも。
一生懸命に働く人たちだった。
そんな人たちが報われる社会がいつか来るのかな。来てほしい、本当に。
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一人映画はやっぱり良い。
じっくり観たいときは最適です。
ちなみに咳は一度も出ずセーフでした。でも心配だったので、観ながら舐めたのど飴は合計8個。今回の救世主♪