大石哲之『コンサル一年目が学ぶこと』【いきいき能力開発センター】
読むにあたって
いきいき能力開発センターの刑務作業の一環として、この本を読んで自分に足りていないものを見つけて記せという指令が出た。
僕や僕の周りの人間があまり好んで読まない部類の本であるが、しかし最低限社会人としてやっていく技術について知るという面ではそこそこ良さそうである。就活とか社会に出るとか考えたくもないが、大人として当然のことが出来ないのは恥ずかしいことであるという意識はある。この本を通して自分には何が欠けているのか把握したい。
読んだ後の感想
本で紹介されている技術は4つのカテゴリに分けられる。「話す技術」「思考術」「デスクワーク術」「ビジネスマインド」である。まず、以下に部分的な感想を羅列した。
読み始めは最初の方に「数字というファクトで語る」と書いてあって大丈夫か?と心配になった(数字は必ずしもファクトではないため)が、まあそもそもコンサルタントという職種だし…と思って割り切ることにした。
読み進めていくと、ロジックツリーの節で「漏れなく、ダブりなく」と書いてあって、高校数学(コアレクチャー)でしか見たことがなかったMECEにお目に書かれて少し感動した。
「仮説思考」という節があって、仮説→検証→フィードバックというサイクルを高速で回すことで、問題の本質に近づく云々と書いてあったが、途中から仮説とは言えないようなことも仮説と呼んでいるような気がして、読んでいてあまりスッキリしなかった。
本書を通して、最も学びがあったのは「ビジネスマインド」の部分であった。恐らくこの本を通して(事前に所長がお読みになっていたかは分からないが)所長が伝えたかったこともここに集約されている気がした。カタカナ社内用語(苦笑)が出てくる頻度も上がるし、ご大層なことも仰り始めるので読んでいてキモチよくなるフェーズであった。やっぱりコンサルは最高に楽しい仕事であるに違いない。
冗談はさておき、これは(僕にとって)大事だと思ったことを列挙する。
常に自分の意見をもって情報にあたる
チームの一員として、リスクは早めに開示する。
一度約束したことは、何があってもやり遂げる。
常に自分の意見をもって情報にあたる
何か他人の羅列した情報にあたる際に、僕の「考えるスイッチ」はたいていオフにしてあるのが、現状秘密結社内での活動について良くない影響を与えていると思う。実際、僕がいきいき能力開発センターにぶち込まれた原因も情報を正しく読み取ることが出来なかったことにあるからである。全員強制のタスクを、僕はてっきり希望者だけのタスクだと勘違いしていたのである。また、普段の活動においても人様が熱心に書いてくれた文章をあまり熱心に読むことはしていなかった。この場にリスペクトを持つようにと言われていたが、この意味で僕はリスペクトが足りていないのだと再認識した。しかし、だからといって自分の意見を常に持つようにするというのもなかなか難しい、と僕は思ってしまいがちである。最初はしょうもない意見でもいいと本には書いてあったので、例えばしょうもない意見を思いついたときには、さらにそこを出発点として付加的に何かプラスアルファしてみるとかやりようがありそうだと思った。ビジネスの能力を上げるために、とか頭をよくするために、というのが本の目的だが、この場にリスペクトをもって活動を続けていくために僕は何かしら意見を投げるように意識しようと思う。
チームの一員として、リスクは早めに開示する。
これは、昨年度の活動を見ていて大事だと思ったことである。僕は特に今回のしくじりを除けば、締め切りのあるタスクは締め切りまでにはちゃんと仕上げられていたという自負がある。遅れそうなときはちゃんと連絡を事前にしておこうという意識も持っていた。しかし秘密結社の中では昨年度、あるタスクの締め切り当日を過ぎても何も連絡をせず、メンション付きで尋ねられて数日後にやっと返事をするというやり取りをしているのを何度も見かけたので、組織の構成員としてこの意識は全員が持っておくべきだと思った。本のどこかにも書いてあったが組織の活動の基本として、まず報告・連絡・相談である。
そして、この前提があった上で以下のことが意識されると良いのではないだろうかと思う。
一度約束したことは、何があってもやり遂げる。
何があっても、というのは大袈裟な気もするが大袈裟ではないと思う。大人として組織に参加しているのならば、一度約束したことにはそれをやり遂げなければならないという義務とそれに対する責任が伴う。一人で勝手に始めたことならばやめピで済ませるが、何か目的を持った組織であり、それに向かって組織内の活動をやっていくのだから構成員として義務と責任が伴うのは当然のことである。だから、与えられた仕事について何かしらのリスクがある場合は事前に相談しておき、その上で必ずやり遂げるのが必要だろう。
おわりに
自分に足りないところを、とか秘密結社の一員として、というのを意識したので全体的に感想文というより反省文色が強い記事になった。まあそういうことを我々に考えてもらうのが目的だったのだろう。個人的にこの先この類の本を読みたいとは読んだ後でもあまり思えなかった。
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