Yuta

物理学科の学部生。

Yuta

物理学科の学部生。

マガジン

  • J LAB ch0 #ワークショップ

    • 135本

    コミュニティメンバーによるワークショップ関連の記事を投稿する場所。

最近の記事

岸圭介『学力は「ごめんなさい」にあらわれる』

今月はYujin氏選書である表題の本を読んだ。話題も身近なもので、これまで自分が親や学校から施されてきた教育を振り返ったり、これからの自分の勉強に向き合う姿勢を正す良い機会になったと思う。 Yujin氏の記事は以下。飛ぶと書評のページのリンクも貼ってあるので、内容が知りたい方はそちらも合わせて読んでいただきたい。 聞く&話すということ 人の話を聞く理由を子供たちに聞いてみたというくだりがあった。叱られるのが嫌とか、聞き逃したら損をしてしまう情報が紛れているかもしれないとか

    • 『時間は実在するか』入不二基義【基礎教養部】

      今月は、入不二基義の『時間は実在するか』を読んだ。 本屋の新書コーナーで背表紙に目を走らせていると、見覚えのある名前があったので、ついこの本を買ってしまった。どこで見たことがあったかというと、お茶飲みwikiというS台生御用達の某予備校の非公式情報サイトである。そう、彼はかつて予備校で教えていたことがあるのだ。僕は直接授業を受けたりしたことはないのだが。この間、僕の教わっていたO先生、S先生と一緒にシラスの番組に出演していたのを少しだけ観たりした。Twitter(現X)にも

      • 旋回【基礎教養部】

        これまで『旋回する人類学』を元に2つ記事を書いてきたが、今度は同時にジェイラボ内で読まれている他の本2冊の書評を読んで何か考えるという試みをする。 他2冊について内容と論じられていることを知るために参考にさせていただいた記事のURLは以下に貼っておく。 記事を読む以外にチャット上でしたやりとりでは「女が好きかどうか」についてが主な話題だった。「(様々な理由があって)嫌い」という人が大半だったが、「男より扱いやすいから好き」という人もいて面白かった。僕は(家族を除くと)女よ

        • 松村圭一郎『旋回する人類学』を元に考える【基礎教養部】

          前回↓に引き続き、文化人類学の本を読んで考えたことを書いていく。今期大学で文化人類学を受講していたのでそれも含めて新たに考えられることがあるかもしれない。この時点で記事の全体像は特に見えておらず、書き始めている。 『旋回する人類学』の「旋回」とは人類学が直線的な発展を遂げてきたのではなく、幾度と自己反省を繰り返した様子を指しての表現であった。特に詳しい話を知らなかった頃の、僕の人類学へ抱いていたイメージは、遊牧民やアマゾンの奥地に暮らしている裸族を対象とする民俗学のようなも

        マガジン

        • J LAB ch0 #ワークショップ
          135本

        記事

          松村圭一郎『旋回する人類学』【基礎教養部】

          文化人類学とはどんな学問だろうか。学問としての歴史はそこまで深くないが、何度も大きなパラダイム・シフトを経験している。そういった意味で「旋回」し続けてきた文化人類学の歩みを振り返るのが本書の内容となっている。この記事ではなぜ僕が文化人類学に興味を持ったのかということを本の内容と関連付けながら述べる。 以下800字書評URL↓(後日掲載) なぜ文化人類学か文化人類学のことを知ったのは、予備校の英語の授業であったと思う。自己紹介でも少し紹介したO先生である。大学に入った後に、面

          松村圭一郎『旋回する人類学』【基礎教養部】

          大石哲之『コンサル一年目が学ぶこと』【いきいき能力開発センター】

          読むにあたっていきいき能力開発センターの刑務作業の一環として、この本を読んで自分に足りていないものを見つけて記せという指令が出た。 僕や僕の周りの人間があまり好んで読まない部類の本であるが、しかし最低限社会人としてやっていく技術について知るという面ではそこそこ良さそうである。就活とか社会に出るとか考えたくもないが、大人として当然のことが出来ないのは恥ずかしいことであるという意識はある。この本を通して自分には何が欠けているのか把握したい。 読んだ後の感想本で紹介されている技

          大石哲之『コンサル一年目が学ぶこと』【いきいき能力開発センター】

          自己紹介

          ジェイラボというコミュニティの活動で自己紹介をする流れになったので、2000字程度で書いてみようと思います。 経歴のようなもの経歴をそのまま書くと身バレをしてしまう可能性があるので(別に良いですが)、なんとなくどういう感じか伝わる程度に書こうと思います。 僕は地方の家業がある家に生まれました。とはいっても江戸から続く名家とかそういうのではなく、僕が継ぐなら4代目になる程度の歴史しかありません。「しか」というと怒られるかもしれませんが。曾祖父が人間国宝だったので、それなりに

          自己紹介

          岡本亮輔『宗教と日本人』【基礎教養部】

          800字書評↓(後日URL添付予定) シト氏とTK氏と共に同じ本を読んでいる。今月は僕のチョイスした本で、タイトルにある本を読んだ。よく言われることとして、「日本人は無宗教」というのがある。それは仰る通りで、僕も小中高の国語の時間に読まされる評論文で何度も目にしたことがある論調だ。人が死んだら仏教式で葬式をやり、ハロウィン、クリスマス、神社に初詣etc… それはそうだろうなと納得していたのだが、それはどうもキリスト教やイスラム教と比べて信仰が形骸化してしまっているという主張

          岡本亮輔『宗教と日本人』【基礎教養部】

          ジェイラボワークショップ第70回『宇宙は何でできているのか』【物理学部】[20240115-0128]

          物理学部WS第70回のログです。 村山斉の『宇宙は何でできているのか』を題材にしました。宇宙は何でできているのでしょうか。続編を次回以降のWSでする予定です。 「■」がついたものだけで読み物としては完結しているので忙しい方は「■」だけ読んでもらっても構いませんが,「■」以外も含めて全部読んだ方がより実際の空気感を味わえると思います.参加者のコメントについては,発言者の頭に「★」をつけ,その返信には発言者の頭に「・」をつけています. DAY1■Naokimen 皆さんこん

          ジェイラボワークショップ第70回『宇宙は何でできているのか』【物理学部】[20240115-0128]

          内田樹『武道論』【基礎教養部】

          今月も引き続き、シトさんとTKさんと同じ本を読み書評を書きます。『武道論』というタイトルを聞いたときは、武道なんて中高の授業で柔道をやっていた(後にやっていたとはいえないことをこの本によって訂正されますが)ぐらいだな…読めるのかなという不安が過ぎりました。しかし読み進めていくと、武道の具体的な技の話などをずっとしているというよりは武道とは何か、能では何をやっているのか、などの話を雑誌等に寄稿された文章で語っていたので素人の自分にもわかりやすい内容でした。TK氏の記事でご指摘の

          内田樹『武道論』【基礎教養部】

          rei『生きてるだけで、疲労困憊。』【基礎教養部】

          今月から3か月間、シトさんとTakuma Kogawaさんとやっていきます。仲間内でやるかやらないか(阿部?)、いややらないのかできないのかだったかな?そんな話を先月はやっていましたが、僕については「書けることを書いてみる」という今までと同じ態度で臨むので変更はないかなと思います。時にはくそみそな記事を書いてしまうかもしれませんが、これからもよろしくお願いします。 今月はTK氏のチョイス、reiさんの『生きてるだけで疲労困憊』を読んだ。ASDやADHDのような発達障害と呼ば

          rei『生きてるだけで、疲労困憊。』【基礎教養部】

          加藤文元『物語 数学の歴史 正しさへの挑戦』[基礎教養部]

          今月は数学史の本である。著者のことは前々から数学界隈でお見掛けしており、これまでの本より親近感がある。彼の著作であるIUTの本は実際僕は大学で物理学科に所属しているが、数学も学科の内容を越えた範囲で勉強しているので、数学徒としてこの本と対峙することになった。まああまり大したことは言えないが。 感想 良いと思った点は、まず数学史の始まりを数概念それ自体の誕生ではなく、割り算の誕生に置いている点である。勿論数自体の発見(発明?)も抽象化の第一歩としてそれはそれで重要であること

          加藤文元『物語 数学の歴史 正しさへの挑戦』[基礎教養部]

          ジェイラボワークショップ第65回『科学と倫理』【物理学部】[20231002-1015]

          物理学部WSの第65回のログです。 『科学と倫理-AI時代に問われる探求と責任』(金子務・酒井邦嘉[監修]、日本科学協会[編])という本を題材にしました。 各章ごとに著者や話題が様々であり、「科学と倫理」という言葉を並べたとき、どの範疇のものをそう言うのか、時代が変わり考えられなければならないものはどう変わってきたのかなど、各部員が選んだ章を元に伝えました。 以下定型文。 「■」がついたものだけで読み物としては完結しているので忙しい方は「■」だけ読んでもらっても構いませんが

          ジェイラボワークショップ第65回『科学と倫理』【物理学部】[20231002-1015]

          今井むつみ・秋田善美『言語の本質』【基礎教養部】

          800字書評↓ 特設ページが設けられたり、店頭ではキャッチーなポップで大々的に取り上げられ、ユーチューバーにも絶賛されている本だが、中身は非常に学問的であり、素人目にも楽しめる本だった。予備校にいた頃、英語の講師が多言語話者でもあったのでこの本の中にあるような話をよく面白がって話してくれたし、僕も喜んで聞き入っていた。言語学者の試みと緻密な考察を最初から最後まで堪能することができる。些細な研究が実は壮大なテーマに繋がっていた、というのは分野問わずあることであると思うが、ここ

          今井むつみ・秋田善美『言語の本質』【基礎教養部】

          蓮實重彦『反=日本語論』【基礎教養部】

          タイトルの本を今月は読んだ。 夏休みに入り、少しは時間に余裕ができたが、相変わらずの先延ばし癖で読み終わるのが遅くなってしまった。帰省は鈍行列車でお金をかけずするのが習慣になっているので、長い道のりをこの本と共に過ごした。 前評判としてはこの本を提案してくださったけろたん氏(note記事→【書評】『反=日本語論』/話す技術【基礎教養部】|けろたん (note.com))から、取っつきにくい文体だと聞いていた。が、僕としてはむしろ読み易い部類だったように思う。確かに大げさに

          蓮實重彦『反=日本語論』【基礎教養部】

          ニック・ランド『暗黒の啓蒙書』【基礎教養部】[20230730]

          はじめに 今月は、匿名希望氏の選んだ本を読む月だった。ということで、記事タイトルの本を読んだわけだが、すごく読みにくく感じた。 本の序文は面白そうに書いてあって興味が湧いたが、いざ読み進めてみると、よくわからないところがほとんどだった。僕の人種問題に関する知識?その他諸々の教養?が乏しいというのもあるし、そもそも訳文がアレな感じだったので、読みにくかったのだろう。(僕のnote記事も大概であるが) 僕も個人的に生きにくさを少しでも感じている身としては、資本主義や民主主義

          ニック・ランド『暗黒の啓蒙書』【基礎教養部】[20230730]