記憶の中でずっと | リゾナーレ八ヶ岳
大はしゃぎだった子どもたちも夕食後、さすがに眠気に勝てなくなり、部屋に戻るとバタンキュー。この後はお待ちかねの大人時間。声をひそめつつ、晩酌。あんなにお腹いっぱい食べたのに、男性陣はおつまみも手が伸びている。(今回は「レジデンステラス付」と「スーペリア」を予約。)
翌日の計画を立てたところでわたしもギブアップ。ベッドに倒れこむと気づかないうちに眠りについた。ぐっすり、眠った。目が覚めた頃にはもう外は太陽がしっかりあたりを照らしていた。隣でまだ眠っている夫を揺すると、「朝食会場にむかってま~す!」との連絡が。大慌てで支度をして、朝食会場へ。昨日と同じ場所だったけれど、やっぱり雰囲気はまるで違う。「まだお腹空かないなぁ」なんて思っていたのに、色とりどりのメニューを見ると、食欲がわいてきた。全く不思議。
朝食メニューにはご当地メニューとして、ほうとうや山賊揚げ、鳥のもつなどなど。目白押しだった。わたしもついつい朝からソフトクリームまでしっかりいただいてしまった。
チェックアウトまで時間があるので、クラフト体験をすることに。子どもたちふたりのキャンドルづくりを見守った。ふたりとも思い思いに作り上げていて、子どもたちの想像力って本当に豊かだなぁと思った。
それから出来上がりを待つ間、お土産を買ったり、お部屋で遊んだり、あっという間に12時になってしまった。みんなで名残り惜しさを感じながら、また来ようね、と後にした。
温泉に入って帰ろう、ということになり、「ほったらかし温泉」へ。運よく晴れ間が見えて、富士山もばっちり見えた。平日だったからか、空いていて女湯はほとんど貸切状態。すっかり力が抜けたけれど、帰路はまだまだ続く。
山梨から千葉のはじっこまで、またふらりふらりパーキングに寄りながら帰った。行きの道中で見たマリオの映画をもう一度見るふたり。同じ場面で同じくらい盛り上がっているふたり。次に観たドラえもんの映画には思わずわたしもウルっと。映画になるとジャイアンがめちゃくちゃかっこよくなる現象。大人でも大事なことを学べるドラえもんはやっぱり最強だ。
「何が一番楽しかった?」と聞くと、はるきは「プール!」そうたは「ごはん!」と言っていた。ふたりの記憶に、ずっとずっと残りますように。忙しいパパとママとたっぷり過ごす時間、子どもにとってそれがどれほど特別なことかわたしにもよく分かる。
わたしの中にもいつもある、幼い頃の家族旅行の記憶。いつも、今でもずっとその記憶に触れるたび、わたしはホッとする。記憶の中でわたしはずっと守られている。未知の世界に触れるドキドキや少しの怖さは、学校生活にはない刺激があって、とっておきだった。旅というものが、自分にとってなんだか大切にしたいものだと思ったのは、もうずっとずっと昔のことだったのかもしれない。
家の近くまで帰って、夕飯にまなちゃんとたくみくんが学生時代から行っているというラーメン屋さんに連れて行ってもらった。わたしは冷やし中華を食べた。なんてことない、でも特別なお店。
そうして幕を閉じた家族旅。またきっと八ヶ岳の爽やかな風に吹かれて、わたしはこの旅を思い出す。そして、どれほど幸せだったか、どれほど特別な時間であったか、もう二度とやってこないこの日々を愛おしく思うのだと思う。きっと、ずっとずっと後に。
はるきとそうたにとっても、そうだといい。彼らにとってわたしたちとの時間はほんの一瞬。これから先もっともっとたくさんの人に出会って、たくさんの人といろんな時間を過ごすだろう。それでも、何かが彼らの心の中に残るのならば、それほど嬉しいことはないな、と思う。