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雨、干物、真鶴、花火 | 気まぐれ日記

2024/07/27

引越し早々、高熱が出た。のどの痛みもあったのでコロナだったかも?と思いながらなんとか一晩で治した。
たまたま真鶴で貴船まつりという例大祭が行われているとのことで、湯河原駅から隣の真鶴駅へ降りたった。もう2年も前なのか、ここに来たのは。親友と真鶴にある「真鶴出版」へ泊まったのは2年前の4月初め。まだ肌寒い雨の降る日だった。桜が咲いていたことを思い出した。西荻窪にある「旅の本屋のまど」で見つけた「小さな泊まれる出版社」という本で知ったこの宿を目的地に10年来の親友とやってきた。

1日1組しか泊まれない宿で過ごした夜。駅前の飲み屋で食べた大根のから揚げが美味しくて2回も頼んだこと。知らない間に深い眠りにつつまれた大きくてふかふかのベッド。小さな港のこじんまりとした美しい景色。

何よりもお土産に干物を買って冷蔵庫に入れたまま(案の定)忘れてたことを駅に着いてから気づいて「宿のみなさんで召し上がってください~」と連絡をしたら、「ちょっと待ってて!」と言って電車が着くギリギリのタイミングで届けてくれたこと。雨の中、わたわたと受け取って嬉しい気持ちで胸がいっぱいになったこと。あの日の雨と干物の入り混じった匂いを一生覚えていたい。

あぁ、そうだ。わたしが「積読」をできるようになったのもここのおかげだ。スタッフさんのひとりが「積読はいいことよ~」と教えてくれた。それからわたしは、素敵だと思った本をどんどん買っては積み上げている。読んでいないのに手元にある本は山ほどある。でも積まれた本たちを見ているだけで満たされる。わたしの知らない物語がまだまだここにあるのだ、と。

今日は貴船まつりで真鶴出版はお休みらしいので、また後日顔を出しに来ようと思う。

夜には湯河原に戻って地元の小さなお祭りへ。太鼓の演奏と手筒花火、そして打ち上げ花火。手筒花火は初めて見た。想像の100倍迫力があった。命懸けだ。みんな腕が出た衣装だったけれど、笑顔で火の粉の中で踊っていた。とっても楽しかった。高くのぼった火の粉が辺りを照らして、夜を際立たせた。

毎日暑くて嫌になるけれど、花火を見てる人々の顔は夏にうっとりしている顔だった。夏があってよかった、と思った。やっぱり夏は好きだな、好きでいたいな。後世にもこの風物詩たちを残したいと強く思う夜でした。

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