[エッセイ]お酒の思い出~ちょっとだけうざったいけどかわいい後輩の話~
僕の昔の後輩の話をしたいと思う。
その後輩は高校を卒業後フリーターをしていたそうで、20歳で僕が在籍していた会社に入社してきました。
僕がいた会社は班制度があり、作業現場は違えど班は一緒ということもあったんです。
よく提出物とかあるじゃないですか。健康診断の問診票配ったり。その管理を班単位で行ったり。
当時サブリーダー的な立ち位置だった僕はそんな関係で現場は違うけどその後輩とは面識があった。
その後輩はけっして抜群に仕事が出来るわけではないけど、愛嬌があってみんなに可愛がられる。そんなタイプでした。またたくまに馴染んでいった記憶がありますね。
しかもそいつとは会社の寮が一緒で。よく同じ班の人たちと食事したりしていました。
ある日
その後輩に呑みにいきましょうと誘われたんです。僕は翌日休みだったこともあり了承。しかし、なんとも間が悪いのか結果として僕しか捕まらなかったそうで。
結局二人だったこともあり、後輩の部屋で宅飲みすることにしたんです。
最初こそ馬鹿話しながら呑んでいたんですが、途中から変に絡みだしてきたのを覚えています。
余り気にしていなかったのですが、やけにビールの缶やら焼酎のパックが転がっている。酔いが回って来たらしい。
あーやっちゃったなと思いつつ適当にいなして。ある程度時間がたったころ後輩にそろそろお開きやなって伝えたんですよ。
するとヤマザキさんもっと呑みましょうよ!とか言ってきやがって。
僕が断ると『逃げるんすか!』なんて言いやがった。
しかも手に持っていた焼酎を一気し始めたんです。
僕もまだ若かったので『ふざけんじゃねえ馬鹿野郎!』とか言い始めて手に持っていた同じく焼酎を一気。
全くもって怒ったりはしてないんです。その証拠にふたりとも笑っていましたから。こういうとこが可愛がられる所以なんだろうな。
そこから僕も後輩もなぜか楽しくなっちゃって。ぱかぱか焼酎を呑みまくって無事二日酔いになりましたとさ。
少々記憶が曖昧なのがもうしわけないのですが、後輩が寝始めたのでかろうじて部屋に戻ったのは覚えているんですよ。
けど次の記憶はトイレを抱えていました。おきた時トイレにいましたね。
その日は酷かったですね。定番の頭痛はもちろんあったんですが、まあ割れるかと思いました。体からアルコールが出ているのか汗もすごく喉が乾くんです。けど何か呑んでもすべて上から下から出ていってしまって。
ようやく頭痛が回復したのが21時過ぎ。でも水分や食べ物を受け付けるようになったのは翌日の昼くらいでした。
いやー大変だった。二日酔いってあそこまでなるんですね。
人生で一番酔った日でした。
後から聞いた話では、後輩もほぼ似たような症状で翌日どうやらデートだったようですがキャンセルしたそう。悪いことしたかな。
その後輩はほどなくして、結婚。もっと稼ぎのいい仕事をすると退職していきまして、そのまま疎遠になっていきました。
あいつ元気にしてんのかな。
もしまたあったら酒でも呑みたいですね。もちろん焼酎をね。
以上