【エッセイ】天使に会った男

天使っていると思いますか？
僕は勿論いないと思っている。けどいたらいいなとも思う。

会ってはみたい。勿論不可能だ。だってどうすれば会えるっていうんだよ。そう思うんだ。

けど、僕は天使に会ったことがある人の話を聞いたことがあるんだ。

先に断っておくとこれはいわゆる比喩表現の天使ではない。よく赤ちゃんとかに使う表現かと思うが。

文字通りの”天使”だ。

これは、昔働いていた職場での話。そこで僕より少し年下の若者が入社してきた。同年代だったこともあり、よく話すようになった。

ある日、彼含み数人で呑みに行った。そのときに不思議な話を聞いたんだ。
きっかけは忘れたが、何故か幽霊の話しになって、幽霊がいるかいないかみたいな話をしていた。

するとその人がこんなことを言いだした。
「幽霊はわからないけど、天使に会ったことがある人は知ってますよ」って。

その人の同い年。高校の頃の同級生が天使に会ったことがあるらしい。話を聞いて見るとその同級生が幼少のころ、入院していたらしい。かなり重い病気だったそうだ。ある時容態が急変して意識不明の重体になったそうで。

その時天使に会ったそうだ。本当によくある白い服に天使のはねが生えた姿で。
「君のことは助けてあげる」って言っていたそうだ。
すると本当に持ち直し、病気も回復。今も元気に働いているそうだ。

勿論これだけで天使がいるなんて言うつもりは毛頭ない。生死の間でみた幻だったのかもしれない。本当のところはわからないけど、一個思うことがあるとするなら。

今日泣いている人が、明日だけでいいから笑っていられるようにしてあげてほしいなって。そう思うんだ。

もし天使が本当にいるなら。