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バケツパフェ〜不可能に挑んだ男たち〜
あれは、まだ東海地方にいた時の話だ。
各地方には色々特有の食べ物や食べ方がありますよね。
少し前に記事にした北海道のザンギやガラナ(コーラ見たいな飲み物)
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北海道ではそれ以外にも色々あります。
このようにその土地土地に色んな名物があって、本当に面白いと思う。
これは僕が北海道の次に長い時間を過ごした東海地方。
その時に出会った名物たち。
その内の一つとの出会い、そして戦いの記録である。
あれは暑い日だった。
職場にて。
何人かいる仲が良い同僚の内の一人から、隙間時間に声を掛けられた。
「明日暇?」
その同僚とは良く食事にいく。今回もそのお誘いかと思って軽く返事したんだ。
『暇だよ』
すると珍しくその同僚は「甘い物いこうよ」と言ってきた。
珍しい。僕は好きなのは公言してたけど、その同僚が好きなのははじめて知ったから。少し驚いたのを覚えている。
『甘いもの好きだっけ?』と聞いたところ
「食べれるけど特に好きじゃない、ただ行ってみたいところがある」と言っていた。
けど僕には頑なに教えてくれなかったんだ。当日楽しみにしててくれとしか教えてくれなかった。
まあどうせ暇なんで良いか。
僕は了承した。
翌日
合流した僕達は、彼の車でとある場所に向かった。
それはあるデパートだ。
どうやらここに目的地があるらしい。
僕らはとある喫茶店のようなお店に入った。明らかに家族連れか女子しかいない。
男子二人は浮きまくり。流石に少し、いやまあまあ恥ずかしかったけど着席。
「なにを食べるの?」
『バケツにパフェを盛ってるやつがあるんだよね』
彼はメニューを見ながら僕に告げる
?
僕は頭にクエスチョンが浮かびまくっていた。
ほらこれ、そう言って彼は僕にメニューを見せてくれた。そこには、人によっては桃源郷、僕らにとってはあまりに遠い理想郷が写っていた。
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少し見づらいが、普通に学校とかで掃除に使っていそうなバケツ。そのサイズの容器にパフェが盛ってある。
マジでこれ食うの?
しかし同僚はやる気に満ち溢れている。そんなやる気漲っている顔仕事でもそんなに見たことないぞ?
すこし考えた。
まあいいか。付き合おう。
僕達はバケツパフェを頼んだ。
最初に実物を見た時は絶句した。見た目はとてもきれいで、盛り付けをした人の確かな技術を感じられる。フルーツや生クリームも美味そうだ。
けど、その迫力に僕は戦う前から負けそうだった。
友人は何故かウキウキしてたけど。
味は最高だった。水々しいフルーツはフレッシュで甘すぎず、しっかり各々の果物の味を味わえる。
生クリームも確かに甘いがベタベタした甘さではなく、量を食べても胸焼けしないよう、上品な甘さに仕上げてあって。
『これいけんじゃね?』僕たちは頷き合って更に食べ進めた。
しかし、数分後。
僕達は箸が止まってしまう。
『寒くね?』同僚も同じく寒いようだ。
確かにデパート内だったためクーラーが効いている。
それにしても寒い。
「これ、アイスのせいじゃ?」同僚がそう言ってくる。
確かにパフェにはアイスも結構はいっていた。
もしやこれで体温が?
これ無理じゃね?
お互いブルブル震えている。
それでもやすい物ではない。
僕達は不可能とも思える『完食』に向けて、スプーンを手に挑んだ。
結果。
僕達は完食した。
しかし、その代償は大きかった。お互いホットコーヒーを飲み、それでも震えが収まるまでしばらく掛かった。
お腹も冷たいものを大量に接種したため、大分やばい。
ホントはこの後色々遊ぶ予定も立てていたのだが、お互い無理と判断。
帰路についたのは言うまでもない。
お互いなんとか翌日も出社出来たのが、不幸中の幸いだった。
後から同僚に聞いたところ、何かでバケツパフェの事を知って興味を盛ったらしい。食べてみたい。けど一人では無理だろう。そこで甘いものも好きで大ぐらいな僕が一緒ならなんとかなるかと、声を掛けたのだそう。
『ありがたいけど、今度は辛いもんいこうや』
そういうと同僚は笑っていた。
これで、僕達が不可能と思えることに挑んだ話はおしまいだ。
今思うといい思い出だけど、あの時は帰宅してもしばらく布団にぶっ倒れていた。甘いものが大好きな僕が『しばらくいいわ』と思ったくらいには後悔した。
今でもあるのかな?
味は最高だった。
もし興味がおありなら、東海にいく機会があれば行ってみることをおすすめします。
その時は4人くらいでいくと、恐らく無理なく楽しめるのではないだろうか。
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