新生児双子の血糖測定 小さな足からの採血が辛かった日々
うちの双子のうち、
長男は1,300g台で生まれた「早産児極低出生体重児」。
次男は1,500g台で生まれた「早産児低出生体重児」です。
2人共、出産後にNICUもGCUも経験しています。
GCUから退院する際、
長男について
「血糖値が不安定だから自宅で毎日血糖測定してください」
と言い渡されてしまいました。
血糖測定って何するの?!から始まった、
毎日3回の血糖測定。
その工程が毎日辛くて仕方がありませんでした。
だってあの小さな赤ちゃんの足に
毎日針をさし、
血液を絞り出さなきゃいけないんです。
だけど今となっては、
長男が健康で
親子共にあの日々を乗り越えたから今の彼があるんだなと思うと
病院の先生方には感謝しかありません。
ただ、
今もし毎日赤ちゃんの血糖測定をしなきゃいけないパパママがいたとしたら
やはりなかなかしんどい毎日を過ごしているのではと思うのです。
そんなパパママのことを想いながら
我が家の血糖測定をしていた毎日を振り返ろうと思います。
双子生後48日目から生後228日まで毎日測定
うちの双子は、生後48日目にGCUから退院しました。
その日から1日3回の血糖測定。
あと、血糖を安定させるための粉薬の投薬1日3回が始まりました。
投薬していたのは「ジアゾキサイド」というお薬。
授乳の際に、哺乳瓶に絶対に飲み干せる量(10mlほど)のミルクを作り、
そこに粉薬を混ぜて
長男に最初に飲み干してもらっていました。
その後は残り飲みたいだけ授乳する、
というやり方で1日3回投薬していました。
血糖値が下がりすぎるといけないため、
本人が欲しがらなくても授乳の間隔は3時間以内。
そして、
血糖測定の3回のタイミングは以下の通りです。
①朝一の授乳の前
②昼時の授乳の前
③就寝前
血糖値が60という数値を下回らないように管理するよう言われていました。
生後間もない赤ちゃんになんで血糖測定するの?
そもそも赤ちゃんに血糖測定が必要な事があると言うこと自体、
私は知りませんでした。
周りで自宅で赤ちゃんの血糖測定をしているという人の話なんて聞いたことなかったし。
小児糖尿病とか、テレビでなんとなく聞いたことがある程度でした。
自宅で血糖測定をするように言われた時、
まず最初に心配になったのは、
「一生、血糖測定しなきゃいけない病気なのか?」
ということでした。
先生の説明や
自分で調べたところによると
早産児や低出生体重児、
糖尿病の母親から生まれた赤ちゃんは
注意が必要なケースがあるみたいです。
赤ちゃんの血糖値が低すぎると、
痙攣や脳障害・意識障害につながる場合があるそう。
そうならないためにも、
定期的な血糖測定が必要なのです。
私は糖尿病にはならなかったけれど、
双子は早産児だし、
特に長男は極低出生体重児だからこのケースに当てはまったんだと思います。
けど安心して欲しいのは
この場合、
必ずしも血糖測定が一生必要とは限りません。
そもそも、うちはGCUから退院する時に
「血糖値が安定さえすれば、血糖測定はやめれるからね」
と先生から言われていました。
実際、離乳食を始める頃には、
長男の血糖値は安定してきて
生後228日(生後7ヶ月半、修正月齢6ヶ月)に
血糖測定を卒業することができました。
それ以来、血糖値を心配したことは全くありません。
そんな長男も4歳になりました。
だから大丈夫。
そうやって血糖測定を卒業する子もいますからね。
赤ちゃんの小さなかかとに針を刺す
それにしても、
赤ちゃんの血糖測定ってなんとも辛くてね。
私は忘れられません・・・
血糖測定の手順は、以下の通り。
何が辛いって、
採血が1回で終わらないことがあるからなんです。
赤ちゃんの血管はとても細くて
血糖測定に必要な分量の血液が取れないことがよくあります。
こちらとしては意を決して、
なるべく短時間で痛みも少なく終わらせてあげたいと思って始めるんだけど
私達も慣れてないもんだから
その時、針を刺した場所によっては思ったほど血液が取れなかったりして。
そうすると、別の箇所にもう一度針を刺して
必要な分量の血液を取らなきゃいけない。
1回で済めばよかったのに
ごめんね。本当にごめんね。
と言って、
泣きながら針を刺したことが何度あったことか。
採血のやり直しが必要な時、パパと共に何度も泣いた
退院後間もない頃は
早産児の長男はあんまりまだよくわかっていない様子で
かかとに針を刺しても痛そうな素振りすらなかったんです。
それが、本来の出産予定日を過ぎ、
少しずつ大きくなってきたら
針を刺す準備をしているのを見るだけで
嫌がるようになってきました。
...そりゃ痛いもんね。
嫌だよね。
逃げたいよね。
そんな長男を押さえつけてでも
1日3回、血糖測定をしなきゃいけない辛さ。
なるべく長男の気が紛れるように、
お気に入りのおもちゃやブランケットを渡したり
優しく語りかけながら測定してみたりしていました。
血糖測定をして、基準値を下回ったのは、
ほんの2〜3回だけ。
そんな時はGCU に電話してほしいと言われていたので、
電話で相談をしたことはありました。
けど、基準値を満たすことがほとんど。
そしたら血糖測定しなくても良いんじゃないか?なんて思ったり。
それでも万が一を思うと、
心を鬼にして、
血糖測定の針を刺して血液を取るしかありません。
それなのに、
頑張って血液を搾り出そうとしても
必要量が出てきてくれない時...
夫も涙を流しながら
長男のかかとに針を刺していました。
普段、涙なんてめったに見せない夫だから
やはりよっぽど辛かったんだと思います。
出来れば我が子に痛いことなんてしたくない!
それでもそこで終了する訳にいきません。
いまだに夫と
「あれは辛かったよね...」と話すことがあります。
「長男よく頑張ってくれたよね」と。
毎日の投薬や、お世話の中でも
この血糖測定の時間が1番辛かった覚えがあります。
早産児極低出生体重児もあの日々を超えて4歳に
そうやって血糖測定を頑張っているうちに、
生後100日頃には毎日3回の血糖測定が2回へ。
生後188日でやっと投薬なしでオッケーになりました。
投薬なしになった直後1週間は
念のため1日3回血糖測定をしました。
投薬をやめたことで
万が一、血糖値が下がっていたら怖いからです。
でも、ありがたいことにそのまま血糖値が安定していきました。
生後200日で、
血糖測定は朝起きてすぐの1日1回に。
そうして、そろそろ離乳食を始めるということもあって
生後228日(生後7ヶ月半)で、
ついに血糖測定を卒業!
親子ともに毎日毎日、本当によく頑張ったと思います。
長男は、毎日痛い思いをさせられ、
あんなに小さい体でその痛みに耐えて。
早く生まれてしまって大変申し訳ないと思わずにはいられませんでした。
だけど、血糖測定をしたことで
長男の健康を守れていたことには違いありません。
4歳で98センチ14キロになった最近の彼は、めったに風邪を引くこともなくなり
ちょっと恥ずかしがり屋だけど、元気で活発な男の子になっています。
まとめ
初産で、双子の赤ちゃんを毎日生かすだけで精一杯だったあの日々。
毎日の血糖測定をすることで
「双子をしっかり生かさなきゃ。私がしっかりしないと。」
という意識を強く感じていたように思います。
そして、今だから言える、「結果オーライ」。
双子で、早産児で、低出生体重児だから...
血糖測定をしたり、
毎日投薬があったり、
生まれた病院へフォローアップ外来に通わなきゃいけなかったり...。
すべてリスクのようにも見えるけど、
でもだからこそ、
リスクや不安に備える体制ができている日々でした。
そのおかげで、都度都度、
健康に過ごせていると確認できるタイミングが多くありました。
それは
考えようによってはとてもありがたいことなのでは?と思ったりもします。
血糖測定をしていた日々はとても一生懸命だったし、悲しい気持ちも何度も感じました。
けど、双子が元気に育っている今となっては、
あの日々は自分が母親として頑張ってきた1つの証のような思い出となっています。
あなたにもそんな思い出になる日がどうか早く来ますように。