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レビュー / 映画『海獣の子供』圧倒的な絶景に思考が止まって放心する映画 ★5.0

鑑賞後しばらく、一切の感想を言葉にしたくない、という気持ちになった作品は初めてだった。安易に言語化して、この感覚を言葉という不完全な箱の中に閉じ込めてしまうようなことはしたくない、という感覚。
それはつまり、言葉では絶対に伝わらないことを伝えてくれている作品だったってことだ。

【あらすじ】
漫画家・五十嵐大介が、大海原を舞台に生命の秘密を描き、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞や日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した名作コミック「海獣の子供」を、アニメ映画化。自分の気持ちを言葉にするのが苦手な中学生の琉花は、長い夏休みの間、家にも学校にも居場所がなく、父親の働いている水族館へと足を運ぶ。そこで彼女は、ジュゴンに育てられたという不思議な少年・海と、その兄である空と出会う。やがて3人が出会ったことをきっかけに、地球上でさまざまな現象が起こりはじめる。

引用:映画.com

なんと言っても、ラスト30分で繰り広げられる、海の中でひらかれる生命の誕生祭の映像が本当に凄まじい。たくさんの小さな粒が光りながらうごめき合い、まじり合い、新たな命が生まれ、その命からさらに命が生まれ、まるで大きな渦のように命の宇宙が広がっていく。

そんな映像がブワーーーっと止めどなく流れ続けるもんだから、思考なんて完全に止まってしまって、ただただ何も考えず映像に見とれていた。例えるならば、圧倒的な絶景を目の前にしたときのような。

命が生まれることの、ハンパない神秘と奇跡。生きることは、命を祝う祭りなのだということ。そんなことを、なんのセリフもない映像から、つくづく実感させられた。

鑑賞後は、自分が、身の回りの人が、生き物が、命を持って生きているということの凄まじい神秘を実感して、いちいち感動が止まらなかった。そんな奇跡でこの世に生まれたんだ、そんなの人生なんてお祭りに決まっているじゃないか。

スマホでは観てはいけない作品です。プロジェクターで観れてよかった。これからの人生で、何度でも観たい。願わくば映画館で観てみたい。

鑑賞後、漫画全巻即買いしました。漫画版も楽しみダ〜!

余談:
米津玄師による主題歌『海の幽霊』も最高です。そのMVが海獣の子供の映像になっているので、予告編と併せてぜひ。

<予告編>

<海の幽霊 MV>


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