思うツボだよ、買ってよかった2024
私は思うツボ子だ。大変釣られやすい。もしくはかぶれやすい。亡き祖父の言葉を借りれば、「かぶれ頭巾」である。まあ、ビビリでもあるので、大金だの高価そうな宝石だのそっちにはなびかないけれど。ゲロ吐きそうになっちゃうから手が出ない。ローンとかもっと吐きそうだし。
(ローンは自己投資じゃなくて借金と思う派デス)
簡単に言えば、小説やドラマなどで作者の思惑通りのリードに手を引かれて、思うツボにまんまとハマるタイプとして長年定評がある。私をツボ子と呼ぶ友人もいたくらい。
そうであるからして、SNSでフォロワーさんが何かをお勧めしてたりすると割とがっつり調査しに行き、「いいじゃないか、いいじゃないか」とあっさり陥落して購入しがちなフシもある。
件のそれも、Twitter(現X)でタイムラインに流れてきたのだったか、スマートフォンでのアプリの記事更新の通知で目に止まったのだったか、なんとなーく記事を読んで興味を惹かれ、そのままポチッとした逸品だ。
それは布巾、ティータオル。
Egyptという名のデンマークのティータオル。メイドインインディア。
(エジプト、デンマーク、インド……結局どこのやねん……と正直思いました)
記事を読んでいただくのが早いが、私が惹かれたのは「水切りかごが要らなくなった」という点だった。
子供の頃から水切りかごがあったし、形を変えたとしても生活必需品だと刷り込まれて育ったから、必要不可欠なもの、生活必需品だと思ってきた。当たり前のようにシンクの隣に常駐していて、あって当たり前だから邪魔だと思ったことすらなかった。洗い物をしたらさっさと拭いて、元の場所に戻すのがいいに決まっている。でも水切りかごは、拭かずにそのままにしても許容してくれる。たまには全部仕舞うこともあるけれど、洗ってそこに放置して水を切ることが圧倒的に多かった。だって水切りかごだもん。仕事が忙しいんだから食器のことは水切りかごにお任せ――そんな感じ。ズボラなんですよ。すみません。
だから、そのティータオルを使うことで水切りかごが要らなくなるなんて、ポチったその時は1mmだって信じてなかったと思う。
じゃあなぜ買ったのか。なんとなく良い布巾を使って、台所仕事をもっといい気分でやりたいと思っていたから。記事を読んで、Egyptというティータオルは適任じゃんじゃないかなって思ったから。ホント、それだけ。単なる直感。
そしてその直感は大正解だった。
Egyptが届いた直後、すぐには水切りかごを処分する勇気はなく、水切りの受け皿にEgyptを二つ折りにして敷いて使い始めた。550×900mmと大判かつしっかりと厚手なだけあって吸水力が強い。触れ込み通りだ。洗って伏せてちょっと置いてから、乾いた布巾で拭けばさっと水滴が消える。拭くのを忘れて数時間置いたとしても、Egyptが水浸しで吸水オーバーになることもない。どうにかこうにか、食器の水気を受け止めてくれているようだ。
そのうち、水切りかごの受け皿から使っていなかったステンレスのお盆と差し替えて、水切りかごとさよならした。長い間お疲れさまでした。
最初のうち、Egyptは敷くだけで、食器を拭くのは別の布巾でやっていたのだけれど、最近になってEgyptだけで仕上げる方法も思いついた。半分の面積分をお盆に敷いて、残りの半分は隣の冷蔵庫にマグネットで止めて待機させるのだ。それならば、敷いた方に洗い物を上げて、洗い終わったら待機させていた方で食器を拭く。食器が減っていったら全体を使って拭き上げていく。無駄がないではないか!
なんて言いつつ、毎回毎回拭き上げるところまでできているわけではないけどね。晩酌していい気分になっちゃって、洗っただけで寝落ちて朝までそのままだったり。時間がなくて洗っただけで出かけたり。まあ、ダメなことの方が多いのが真実ではあるけれども。
良かったことはもうひとつある。
いつも水切りかごが常駐していたときは、シンクの反対面もごちゃごちゃしがちだった。三角コーナー代わりの折り紙のゴミ入れがそちら側に置いてはいたけれど、それだけでなくなんとなくごちゃ~っとしていて、調理台としてはなんとなく手狭。まな板作業はそこでやるけれど、切った材料を載せるバットは後ろを向いてテーブルに置く――ってな感じだった。解決しないごちゃごちゃ。
それが、Egyptの導入で解消してしまったのだ。水切りかごをなくしただけで、他には特に何もしていないはず。それなのに今はシンクを挟んだどちら側もすっきりしている。片側に常駐するものがなくなったからゆとりができた? でも別に何も移動してはいない。不思議だ。今は水切りじゃない方にまな板とバットを並べて作業できる。バットが何枚も要るときは水切りサイドに逃がせばいいし。
あれかな、1箇所掃除すると他のところもやりたくなってきれいになる、というヤツに通じるのかしら。わからんけど。
ともあれ、買おうと決めたときに願った「台所仕事をもっといい気分で」というのが叶っている。私にとって、まずます快適な台所になったのだ。
とはいえ、あくまでも私にとって快適というだけで、ひと様に堂々と全体像をお見せできるほど美しい台所になったわけではない。そこまで到達するにはもうひと頑張りどころか、ふたつかみっつは頑張らないとダメな気はする。
ただ、水切りかごという些細な縛りを取っ払っただけでこんなに快適になるなら、やってよかったし買ってよかったなあとしみじみ思う次第である。
まだおろしてないEgyptはいつおろそうかなあ(半額セールだったので2枚買った)
※上記のネットショップでは、大判サイズは現在入荷待ち。半分サイズは販売中だそうです。