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叔母の話。
私には疎遠になった叔母がいる。
私の母の妹なのだが、母とは年がかなり離れていて、私の方が年が近いくらいだった。
彼女は使えない人材は容赦なくリストラされる厳しい外資系企業でバリバリ働いていた。
私は叔母を心から尊敬していた。
自分にはないものを持っている人だったから。
そんな叔母と疎遠になったきっかけは私の第一子の出産だった。
いや、妊娠中から疎遠だったかもしれない。
彼女には子どもがいなかった。
私からしたら誰もが憧れる外資系企業でバリバリ働く叔母はとても輝いて見えたが、それは叔母の人生のほんの一部で、叔母は違う人生を求めていたのかもしれない。
母伝に聞いたら叔母は私を見ると妬んでしまうから会いたくないとのこと。順風満帆な人生に見えるらしい。
確かに自分で言うのも何だが私は経歴だけ見ると順風満帆そうに見える。
田舎のお嬢様学校から第一志望の医療系の大学に入学し、卒業後大学病院で経験を積み、大きな病院に転職後産休と育休を2回取得。その後クリニックでパートとして働いている。
子どもがいながらも働ける環境を作ってくれる理解ある旦那、長男と長女に恵まれて幸せな家庭を築く…。
しかし蓋を開けてみると私はASDとADHDを併発している発達障害当事者でコミュニケーション能力が低く、人間関係に悩みがち。
また不注意優位型のADHDなため、コンサータというADHDの薬に出会う前はケアレスミスが多く、どこへ行っても呆れられていた。
ASDの特性である聴覚情報処理障害のため電話対応も壊滅的にできない。
だが、旦那からは家事を積極的にやるから働いてくれと懇願されていて働かざるを得ない。
子どもを保育園に入れてからは子どもが友達と離れ離れになるのは嫌だろうと仕事を辞められなくなった。
最近はママ友付き合いのようなものも辛い。
未だに精神科通院し、コンサータと抗精神薬が手放せない。
しかし叔母は私のことを妬むほど羨ましいらしい。
結局人は他人のほんの一部しか見ていないのだなと思う。もちろん自分含めて。
私は叔母の闇を知らない。
でも私は今でも叔母を尊敬しているし、好きである。自分にないものを持っている憧れの叔母だ。
今は疎遠でもいつかまたお話できる時が来ると信じている。