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発達障害者のみの職場とは?

近年仕事ではマルチタスクが求められることが多くなり、発達障害者には世知辛い世の中になってしまいました。

今回は発達障害者のお仕事について書いていこうと思います。


一般雇用と障害者雇用

分かりやすくまとめられている記事を引用します。

「強み重視の一般雇用」 と 「配慮重視の障害者雇用」

発達障害の特徴の一つとして能力の凸凹(デコ・ボコ)の大きさがあります。その能力の凸凹を踏まえ仕事を探す時には大きく2つの方法があります。

自分のスキルや強みに焦点を当てて仕事を探す方法(凸を活かす)=一般雇用
障害への配慮を優先させて仕事を選ぶ方法(凹を目立たせない)=障害者雇用
1つ目の方法は「一般雇用」の就職活動の時、2つ目の方法は主に「障害者雇用」の就職活動の時に必要な考えです。どちらの方法を選択するかは医師の診断、心理士による心理検査、専門家による職業適性検査や障害特性の評価などが役立ちます。

「一般雇用」では指摘されたり叱責されたりが多くなります。いわゆるメンタルが強いことが第一条件になります。加えて何らかの得意が業務で活かせることも条件となるでしょう。

一方で、苦手さをチクチク指摘されることなく安心した環境で働きたい人や失敗を繰り返したくない人は、障害に対する配慮を受けられる「障害者雇用」が良いでしょう。障害者雇用も仕事の幅が広がっていますので、仕事のスキルが高いと満足できる給与を得られる可能性があります。

発達障害に向く仕事・働き方とは?「一般雇用」と「障害者雇用」の違いも解説/Kaien

引用の記事は良く書かれていますが、現実は一般枠で採用されたものの無能扱いされている者、仕事は人並みに出来るけどコミュニケーションが取りにくく虐めの標的になる者、逆に健常者をカサンドラ状態にさせてしまう者など、職場で問題を抱えてしまっているケースも多いと聞きます。

では障害者枠ではどうかというと企業との相性もあるみたいですが、働きやすい環境を提供してもらいやすいみたいです。しかし定員に限りがあるので良い条件ほど求人が殺到してしまうのと、どうしても一般枠よりも給与面で劣ってしまいます。配慮されているのだから当たり前だろうと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、ずっと昇給がほとんどなく働き続けるのは難しい気もします。

そのため障害を隠して一般枠で働くも難しく、二次障害を併発して休職なんてケースも。

発達障害にはやはり仕事って難しいのでしょうか?そんなことを考えていた時に興味深い記事を見つけました。


発達障害者のみの職場

記事を読むとこちらの職場は障害者雇用を積極的に行っているとかではなく、"結果的に発達障害者が集まってしまった"ということみたいです。

でも仕事としては成り立っている様子。
むしろ精鋭部隊と言っても良いでしょう。

発達障害者は能力に凸凹があります。
当然苦手なことをさせれば誰よりも破滅的に出来ない。しかし得意なことは健常者よりも秀でていたりします。
得意なことを落ち着いてできる環境下、特性を理解して仕事を指示してくれる信頼できる上司がいれば通常の何倍も仕事の成果を出せるでしょう。

何でもズバズバ言ってしまうASDの上司

この職場の人の中には仕事は問題なく出来ても声のボリュームが大きい、チック症状が酷い(二次障害から来ているのかな?)など健常者だらけの職場からは総スカンを喰らいそうな人も少なくないようです。

しかしそこはASDの上司が庇ってくれるそうです。

怪しい挙動により誰かが言いがかりをつけられても、ズバズバ物を言うアスペルガー上司が、いつも矢面に立つ。「君のところのスタッフ、おかしいよ」「おかしいとは?具体的になにかご迷惑をかけましたか?」「とにかく声が大きいから困るよ」「困るのはどなたですか?」「それはその…」といった調子。

「発達障害者ONLYの職場で能力全開で働く人たちのこと」への反応まとめ

※アスペルガー→知的障害のない自閉症スペクトラムの人。

因みにこの上司は発達障害のスタッフの特性を即座に見抜き、苦手なことはするなと指示を飛ばします。自身も発達障害者なので苦手なことを頑張る無意味さを分かっているのでしょう。

そんな自分のことを理解してくれる上司への信頼は厚く、ズバズバはっきり言われても悲しくなったり怒ったりする人はいないそうです。

側から見ると素っ気なく仕事をしている集団に見えますが、実は硬い絆で結ばれている職場って素敵ですよね。

良い意味でみんな人に無関心

スタッフは私も含めてみんな、一人で普通の会社にいたらなんとなくハブられるタイプ。「なにあの人w」「またブツブツ言ってるw」などと笑われるのは必至。仕事に集中しすぎて立ち居振る舞いにまで意識が及ばない。及ばないから異質になる。異質なものは奇異の目で見られる。

「発達障害者ONLYの職場で能力全開で働く人たちのこと」への反応まとめ

今の職場、オフィスの全員が発達障害者。いじめがなく、やたら仕事の進みが早く、余計な詮索や馴れ合いがない秘訣を観察していて気づいた。

まず、それぞれの長所と短所を全員が相互に把握しており、長所は存分に活用し、短所は補える誰かが補う仕組みになっている。

「発達障害者ONLYの職場で能力全開で働く人たちのこと」への反応まとめ

仕事は問題なくできるのに、人間関係のせいで能力を潰されるのは勿体無いと思うんですよね。仕事に集中出来るように仕事以外の情報を排除する徹底ぶりも凄い。そしてそれぞれの凸凹を補い合える関係って素敵ですね。

指摘は面と向かって言う

からかわないが、本当のことは言う。「机片付けなさい、ADHD」「出かけるぞ、落ち着けチック」などと、最初は耳を疑ったが、みんな特徴的な症状が出ると、そこを口にして指摘する。そうすることで、「これは散らかっている状態なのか」とか、「あ、いま頭揺すってた」といった事実を客観視できる。

誰も自分の症状のことで誰かに相談することはない。私は入社してすぐに「アスペルガー」「ADD」の二通りの言動パターンがバレて、ひどい時はそれを指摘される。「こら、文章が小難しいぞアスペ」「論文から戻ってこいADD」などと言われる。こんがらがる表現と過集中が周知となっている。

「発達障害者ONLYの職場で能力全開で働く人たちのこと」への反応まとめ

※ADD→注意欠陥障害

正直私もこんな風に接してほしいとか思う。
むず痒い配慮や裏でグチグチ言われるよりも面と向かって言って欲しい。そんな発達障害者も多いのではないだろうか?

あとは本音と建前が分かりにくく、それを解読するのもHP(体力ゲージ)を消耗するので本当にはっきり言ってほしい。

みんなで支え合い、補い合う

この職場はみんなが何かしら障害があるからこそ、お互いが補い合って仕事をしている感じが良い。

A「◯◯さん、どこそこから電話だよ」
B「……」
C「◯◯さん今集中してる」
A「もしもし、あとで折り返します」
こうしたやりとりが五秒以内で完結する。集中したら聞こえない体質や、困ると身体を揺する体質など、みんなわかっているので補い合える。誰も誰かをからかわない。

『異質な存在への排他意識』が作用する一般的な職場と異なり、この職場では全員がそれぞれにかなり異質なため、その特性を生かした仕事を互いに割り振るシステムが完成している。

「発達障害者ONLYの職場で能力全開で働く人たちのこと」への反応まとめ

過集中しているときに話しかけられても、話の内容が入ってこないことは発達障害あるある。
私も今の職場では「急に話しかけられても対応出来ないことがある」とは伝えているものの、それが理解出来なくて話しかけてくる人もいます(定型発達の人は過集中とかないので理解出来ないのは分かっています)
そんなとき「あー、今○○さん過集中ね。はいはい了解〜。」とか言ってもらえると助かるなぁと個人的に思いました。

お昼は別々で食べる

みんなだいたい始業と同時に過集中になって文字の海にダイブして、昼に意識取り戻してばらばらとゴハン食べに行き、午後はまた過集中して、気がつくともう夜。いいペース。デスクにいる日は一日が短い。5分くらいしか働いてない体感なのに、素晴らしい原稿がたくさん書き上がっている。

「発達障害者ONLYの職場で能力全開で働く人たちのこと」への反応まとめ

お昼をみんなで食べるというのは意外と負担。別に嫌いな人がいるとかでなくても、雑談にHPを持っていかれる。
因みに私も最近は外に1人で食べに行っています。それをよく思わない人がいるのも知っていますが、これは譲れない!!

余計な詮索もしない

特筆すべきは「ありがちな無駄のなさ」。基本的にみんな他人に興味がないから、噂話・悪口・憶測など、「人間の話」が皆無だ。結婚は?子どもは?実家はどこ?どこの大学出たの?そんなの誰も訊かないし、知らない。交わされるのは、仕事に必要な会話のみ。なにも困っていない。

「発達障害者ONLYの職場で能力全開で働く人たちのこと」への反応まとめ

いや、本当にそれ!!!
仕事に必要な自分や周りの特性さえ共有し合えれば、その人のプライベートなんて正直どうでも良い。これも発達障害あるあるなのだろう。


この記事を読んで思うこと

発達障害の人が望んでいることと定型発達の人が考える配慮って結構相違があるのだなと思ったのです。

そういえば私の発達障害専門医の主治医が言っていました。

「定型発達の人になろうとするのは諦めなさい。"種族が違う"んだから。」

私は処理速度凸の発達障害者のため、頑張れば定型発達の人に成り切ることが出来ます。しかしずっと頑張り続けていると心身に不調をきたします。そのときに主治医から言われた言葉なのですが、凄く納得してしまいました。

"種族が違う"って本当にそれ。

発達障害の人と定型発達の人に同じ仕事をさせようとするから互いに病んでしまうのでは?

何でもできる定型発達の人が発達障害者のお世話係をするのではなくて違った特性のある発達障害者同士がお互いを補い合える職場の方がいいと思うのですけど難しいのでしょうか😓

才能のあるIQの高い発達障害者が二次障害を併発して障害者年金や生活保護を受給して暮らす。この労働者不足の中で勿体無い気がして。
環境が良ければ二次障害なんて併発しないでバリバリ働けたかもしれないのに。
そんなことを考えてしまいました。

発達障害の人も胸を張って働ける労働環境がもっと増えればいいなと思います。




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