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#07 穀平味噌

be-en 代表のゆうかです。

蔵元巡り第七弾は、長野県上高井郡小布施町にある『穀平味噌』さんを訪問しました。

小布施駅
穀平味噌さん店舗正面

穀平味噌の概要はこちらよりご覧ください ^^

穀平味噌は天明4年 (1784年) に創業し、元々は穀物問屋として商売をしていましたが、その知識を活かして米・酒・味噌・醤油醸造業を創始した歴史のある蔵元さんです。また、その傍らで昔から燃料の販売もされており、今でも地元の方に愛されています。葛飾北斎ゆかりの地である長野県小布施町に位置し、穀平味噌さんには、北斎とその娘の葛飾応為ともゆかりある資料が残されているそうです。

原料には国産米、国産大豆を使用することにこだわっていて、伝統的な木樽仕込「天然醸造法」で味噌を製造。新しいことにも積極的に取り組み、味噌調味料の製品開発、大学との共同研究や、近隣のラーメン屋さんを味噌を共同開発なども行っています。

味噌が熟成されている木桶

今回は、『進化』と『共創』をテーマに、穀平味噌の飽くなき探求心と挑戦を感じるお話を伺ってきました。

若者の味噌離れを防ぎたい

かつては、観光地である小布施を訪れたお客様が、お土産に穀平味噌を購入し、近所の方々に配ることで、たくさんの方にその美味しさを知ってもらうことができていたそうです。そのため、現在も全国から穀平味噌の注文があり、名簿には1万名の名前が記されているそうです。しかし、近年では、お客様の高齢化によって注文数が減り、さらにはお土産を買うお客様とお土産を配るという風習が減り、特に若者で味噌離れが起こっていることを実感されています。
そこで、穀平味噌の社長、小山さんは、栄養のある味噌の魅力・価値を引き出し、現代のニーズにあった商品を開発すべく、様々な製品の試作を行なっていらっしゃいます。
今後、若者の食事スタイルに合った製品の開発をすべく、私もお手伝いさせていただくこととなり、新製品の誕生に是非期待していていただけると嬉しいです!

様々な味噌の量り売り

理想の色味の味噌を目指して

穀平味噌では、添加物を使わず、1年~2年かけて自然にじっくりと発酵させる「天然醸造法」で味噌を製造していることから、長期熟成により、時間の経過と共に味噌の色味が変化してしまう課題を抱えていました。一度に味噌を作り切ってしまうと、蔵に保管している間に発酵が進み、売る時期で味や色が変わり、クレームに繋がった経験も。そこで、1年間継続して一定の色の味噌を製造し、色味の変化を抑えたいとのこと。

味噌が時間の経過と共に変色する原因は、熟成の過程で生じる “メイラード反応” です。メイラード反応とは、大豆やコメ由来のアミノ酸と、コメに含まれる糖が反応して褐色の色素に変化することを指し、このメイラード反応の度合いによって色に差が生じます。この課題を克服し、色味の変化速度を遅らせるために信州大学、テクノ財団と共同で味噌の変色に影響を及ぼす物質を分析。その結果、穀平味噌ではメイラード反応に重金属が影響していたことが分かったため、色味に影響を与える重金属を信州大学の水浄化システム「信大クリスタル」と呼ばれる浄水器で選択除去したところ、良好な色味の味噌が実現できたとか。

この信大クリスタルで重金属を除去した水と、通常の水で製造した味噌の色味の違いがよく分かる写真が、信州大学のこちらのページに掲載されています!何も言われなければ、白味噌と赤味噌を並べて撮影した写真だと思ってしまいますね。

理想の味噌の実現に向けて一切妥協しない姿勢も素敵です。

世界中の人が食べられる Miso を共同開発

穀平味噌では、自社製造の味噌の販売に留まらず、全国のお店に味噌や味噌調味料を製造しています。その中に、近隣のラーメン屋さんの味噌ラーメンで使う味噌タレがあります。

2018年、同小布施町に店舗を構える『長野土鍋ラーメン たけさん』と味噌ラーメンに使う味噌を共同開発しました。共同開発した味噌の特徴は、植物由来の食材しか使っていないヴィーガン味噌である点。

『たけさん』の社長が世界進出を目指し、宗教や思想信条に依らず、誰でもラーメンを楽しめるように、という思いから穀平味噌と共同開発。味噌の粒感を出すために、通常の味噌造りでは使用しない豆麹を使用するなど工夫が盛り沢山で、「他にはない味わい」の味噌だそうです。

『たけさん』は2019年8月にモンゴルの首都ウランバートルに海外1号店をオープンしていて、モンゴルの店舗で提供する味噌ラーメンには穀平味噌と共同開発したヴィーガン味噌を使用しています。モンゴルでは、近年健康志向が高まっていて、特に富裕層に人気なんだとか。

実は、このヴィーガン味噌ラーメンは小布施店でも楽しむことができ、外国人観光客だけではなく、昔ラーメンが好きだった中高年やシニア層にも好評です。

気さくで優しい小山さんですが、その好奇心と探究心は計り知れず、製品開発の向けて試作・実験をされたり、モンゴルやニューヨークなど、世界へ味噌調味料を届ける挑戦をされています。
皆さんも小布施町にお立寄りの際は、是非穀平味噌さんに足を運んでいただき、小山さんの挑戦秘話をうかがってみてください♪

それではまた次の記事でお会いしましょう!

文責:むーみん

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