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カツオ『春から秋にかけて美味しさが変わる不思議な魚』

カツオは春先にまずジャンボカツオ(昨年のカツオが年越しして翌年の春に水揚げされるもの)が出始めて、秋の脂の乗った戻りカツオまで季節によって色々と美味しさを変える不思議な魚だと私は思います。

美味しさを変える理由

㋹一年を通して獲れる魚体の大きさ漁獲場所とそれに伴い身質や脂乗りがすべて違う非常に興味深い魚です。
また、それだけでは無くカツオの漁は有名な一本釣り漁と巻き網漁があります。
漁の違いでカツオの身質から味まで違うと言われています。

今回はそんなカツオを分かり易く、詳しく分析します。

ジャンボカツオ

『 春先に出回るジャンボカツオは中落ちが絶品‼ 』

初夏の初ガツオの前に春先( 3月頃~ )に成長魚のジャンボカツオが出回ります。
ジャンボカツオとは、スーパーマーケットなどでは、通常は2~4キロ以内のカツオが流通されていますが、この時期は5キロ以上あるもので多きものになると10キロを超えてきます。
この様な巨大カツオをスーパーマーケットなどではジャンボカツオと言っています。

●ですが意外と美味しいこの時期限定のジャンボカツオ

この時期採れるジャンボカツオは身質がしっかりしており、歯ごたえは有るが決して固くはなく、筋もまったく気になりません。
どちらかと言えば初ガツオの身質に似ていて、脂のりも少なくあっさりしていて、とても食べやすいで。・・・で、ついつい食べ過ぎてしまいます💦

実はこんなに美味しいジャンボカツオですが、私の勤めるスーパーマーケットではもっと美味しいと言われている物があります。

それは、このジャンボカツオの中骨が✨超人気✨なのです。

超人気の理由

人気の理由はこの中骨についている【 中骨 】なのです。

私の同僚も、マグロの中落ち?いやそれ以上に美味しいと絶賛です。

この中落のお勧めの食べ方は次の3品です

●カツオの中落丼
●カツオのなめろう
●カツオのさんが焼き

以上の3品です。・・・順に説明します。

●カツオの中落丼

カツオの骨( 中骨・腹骨 )の身をスプーンで取り、大葉やネギ、ミョウガなどをたっぷり添えて、生姜やにんにく醬油で食べればお酒が進むことは間違いないと断言しますがこの間違いなく美味い中落を、暖かいご飯の上にたっぷり乗せて食べれば絶品です。美味しすぎて何杯もお替りしちゃいます😊

●カツオのなめろう

カツオの中落ちにお好みの『 大葉・生姜・長ネギ・味噌 』をお好みで適量加えて包丁などでよくたたけば出来上がりです。お酒のおつまみや、暖かいご飯に乗せて『 なめろう丼 』にしても美味しいです。

これで、お酒もご飯も何杯も進んじゃうこと間違いないですね。

●カツオのさんが焼き

カツオのさんが焼きはカツオのなめろうを楕円に丸めて大葉を巻き、油の引いたフライパンで両面しっかり( 焦がさないよう注意しながら )焼きます。焼き上がりにレモン汁を軽く垂らせば出来上がりです。

生姜と味噌の香ばしい香りにレモンの爽やかな風味で絶品なのは間違いないおでしょう。・・・これもお酒とご飯が進んじゃうでしょう.。

カツオの中落ちはこの3品で分かる様に『 お酒と 』と『 ご飯 』が、おいしすぎて何杯も進んじゃうやつです。

※中落が取れる骨の部位で中骨はアニサキスが寄生している可能性が非常に低いのですが、腹骨の身には寄生している可能性が非常に高いので気を付ける必要があいます。
●アニサキスについて詳しくはこちらのサイトへ

初カツオ

『 初夏の味の初ガツオとゴリカツオ 』

カツオの本来の美味しさを求めるなら、私は初夏に出回る初ガツオしかないと思います。

初ガツオは4月から5月にかけって獲れるカツオで身質はやや硬め( 身が締まっている為 )でしっかりしていて脂身は少なくサッパリしています。

初夏の味の初ガツオは今朝水揚げされた超新鮮な物がお勧めです。私がお勧めする理由は【 3点 】あります。また、この初ガツオですが一点だけ購入時に注意点があります。それが【 ゴリカツオです 】この事については次でお勧めする理由【 3点 】と一緒に説明します。

お勧め理由【 3点 】と注意点の【 ゴリカツオ 】

お勧め理由 その① カツオ独特の臭みが全く無く『 カツオは生臭いから私のはちょっと無理 』と思っている方でも食べて臭みの無さに😲ビックリするくらいで、しかも美味しいと好評なほどです。

お勧め理由 その② 初夏の若葉の様にみずみずしくて大葉やアサツキ・生姜などの薬味が程よく合い初夏の味覚にふさわしい味わいだからです。

お勧め理由 その③ 今朝水揚げされたばかりのカツオは身が適度にしまり食べた歯ごたえも“ もちもち ”しています。

更にこの藁や炭を使い炙りタタキにして薄くスライスしたニンニクなどの薬味を添えてポン酢につけて食べれば【 もちもちした食感と藁や炭で炙った香ばしい風味 】で美味しいの一言しか感想は言えません。

想像して記事を書いているだけで🤤よだれが『 ずるっ 』あっと💦失礼しました💦

注意点 ゴリカツオ 初ガツオはもともと脂身が少なく身が締まっていますが、身質の見た目と触った時の感触で次の3点に注意すると良いでしょう。

卸した身の色が全体的にどす黒いもの又は色が薄く白っぽくなっているもの

●卸した身の半身だけ、もしくは頭部側か尾びれ側や背側か腹側など身の一部などが時間が経って変色しているもの

●触った感触がゴムの様な感じで身を指で押しても潰れないもの

上記の3点に当てはまるカツオはゴリ( ゴシ )と言われお刺身で食べると身はボソボソしていて生臭く不味くて食べられません。
※このゴリについては色々な説が言われていますが未だに原因が解明されていません。今後の研究結果に期待しています。

カツオを購入の際は以上の物に注意して、今朝水揚された新鮮な物を選び購入しています。くれぐれもゴリカツオには注意して購入しましょう。

上りカツオ

『 ほんのり脂がのった上りカツオ 』

初夏から秋口( 6月~8月 )にかけて餌を求めて太平洋沖を三陸沖~北海道沖辺りまで北上しているカツオを上りカツオと言っています。

この時期のカツオの漁獲漁の仕方は一本釣りが大半で漁獲場所も初夏の5月~6月頃までは静岡県焼津沖~千葉県勝浦沖になり7月になる頃には三陸沖を回遊しています。実はこの時期の回遊場所が美味しさの秘密です。

㋹この上りカツオは餌を求めて黒潮に沿って北上している間に徐々に脂がのって美味しくなっていきます。この時期の上りカツオは初カツオと戻りカツオの美味しさを二重どりしていると言っても良いくらい美味しいです。次は美味しさ二重どりの理由について解説します。

美味しさ二重取りの理由2点

理由その① この時期のカツオは初ガツオにある“ もちもち ”とした歯ごたえの弾力が和らぎ“ もっちりしっとり ”とした歯ごたえに変わりカツオの魚体も一回り大きくなります。

理由その② この時期頃から戻りカツオにある“ ねっとり食感 ”が餌を求めて北上する上りカツオにも出てきます。

脂が徐々に乗りはじめて身も初カツオをよりねっとりと柔らかくゴリカツオも少なくなります。

上記のことからこの時期のカツオは“ もちもち ”と“ ねっとり ”の美味しさがあり、初ガツオと戻りカツオの美味しさの✨二重取り✨という事です。もちもちとねっとり考えただけで🤤ヤバいですね。

戻りカツオ

『 秋の味覚 戻りかつお 』

戻りカツオとは三陸~北海道沖に向かって餌を追い求める上りカツオが黒潮に乗って太平洋沖を北上し、お盆過ぎの8月下旬辺りに親潮とぶつかると今度はフィリピン沖に向かい南下していきます。この北海道沖でUターンして戻ってくる下りカツオの事を戻りカツオと言っています。

㋹戻りカツオの特徴は初ガツオ( 2㌔弱 )から戻りカツオ( 3㌔~4㌔アップ )になり見た目も一回りも二回りも大きくなります。そんな戻りカツオを詳しく解説します。

戻りカツオの市場状況

8月中旬のお盆が過ぎた頃から三陸沖で漁獲されているカツオのことを戻りカツオと呼び、餌を求めて北上してたっっぷりと脂がのったカツオです。

身質は初カツオとは違いなめらかで柔らかく脂がのっていて脂がのった分ねっとりもちもちとした食感です。

噛めば噛むほど脂身からたっぷり旨味が出てくるこのカツオにニンニクは勿論、生姜やミョウガなどの【 薬味 】とヤバいくらい相性が良く、お酒や温かいご飯がススム事は間違いありません。

また、獲ったその場の船上で瞬間冷凍して凍結させたカツオは冷凍トロカツオと言われ市場で流通されてスーパーマーケットなどで販売されます。

スーパーマーケットなどでの販売価格は100g当り250円前後で販売されていて、カツオの価格としては高値で取引されています。

冷凍商品でも脂乗りや品質の良い状態で瞬間冷凍されたカツオなので食べれば高値で取引されていることが納得することは間違いないでしょう。

冷凍されたカツオ解凍すれば1年中この美味しい脂の乗ったカツオが食べれるというわけですが、やはり冷凍品の為か若干ですがカツオ独特の生臭さが出ます。

ここで重要なのがやはり【 薬味 】です。ニンニク、生姜、ミョウガにネギお好みの薬味をたっぷり添えればこの問題も解決します。

ここまでのポイントでカツオを更に美味しく食べるには【 薬味 】が重要なのはもうお気づきでしょう。

その季節ごとに採れる薬味を上手にたっぷり添えてカツオを美味しく食べましょう。

カツオの一本釣りと巻き網漁

千葉県沖から三陸沖でのカツオ漁は一本釣りから徐々に巻き網漁が盛んになります。

8月中旬辺りには三陸沖の巻き網漁で獲れたカツオが市場に多く出回り一本釣りのカツオより安価で取引されますが「 一本釣りのカツオの方が臭みが少なくて美味しい 」「 身質の色がキレイで美味しそう 」とお客様の声もあり巻き網漁より高値ですが一本釣りのカツオの方が人気があります。

一本釣りのカツオが臭みが少なく美味しい理由は?

巻き網漁だと網で一気に獲る為、カツオ同士が重なり合い下の方のカツオが重みで潰れたり網から水槽に入れる際にカツオ同士がぶつかったりこすれたりして傷や見割れ内出血などが起きて品質が落ちるからです。

カツオは水揚げされてからの劣化が早く1日~2日経つと変色や臭みが出てきて不味くなりますが、どちらかと言うと一本釣りのカツオの方が押されたり傷ついていない分、劣化しずらいのが特徴です。

まとめ

美味しいカツオを食べるには、上記の事を参考にカツオの特徴を理解して選ぶと良いでしょう。

食べる際は【 薬味 】も忘れずにたっぷり添えて美味しく食べましょう😊

ここまでの長文を読んで頂きありがとうございます。


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