Creedence Clearwater Revival 「Bayou Country」 (1969)
以前BS-TBSで「SONG TO SOUL」という良質な音楽番組があり、数本録り貯めているのですが、その中の1本、CCRの「雨をみたかい」の特集をチェック。ついつい見入ってしまいました。
印象的だったのはバンドが末期的状態だったときに、ジョン・フォガティがマネージャーとしてアラン・クラインを連れてきたと証言されていたシーン。証言していたのはドラムのダグ・クリフォード。ダグに横にはベースのスチュ・クック。現在のダグとスチュ。恐らく幼少期からダグはガキ大将、スチュは常に満面の笑みのイイ人だったのでしょう(全くの推測ですが)。
アラン・クライン・・・。ご存知の方もおられると思いますが、ビートルスやストーンズを食い物にしようとした悪徳敏腕マネージャー(と個人的には思ってます)。もしこの証言を信じるのであれば、そういった人物を連れてきてしまったジョンは、もう誰も信じられない状況に陥ってしまっていたのでしょうね。
また証言のなかには、ジョンの兄、トムについて、トムはいい曲も書いていたし、声質もジョンとはまた違ったいいものを持っていたが、ジョンが一切トムに発表の場を与えなかったといったような発言もありました。
話半分に聞くにしても、やっぱりジョン、かなりワンマンだったのかもしれません。
その番組を見て以来、ずっと聴いていたのがCCR2枚目のアルバム「Bayou Country」。スワンプの香りがプンプン漂うかなり渋いアルバムです。
このアルバムは何と言ってもCCRの大ヒット曲⑥「Proud Mary」が収録されていることで有名なアルバムです。この楽曲はのちにアイク&ティナ・ターナーがカバーし、大ヒットを記録していますが、やっぱりCCRのオリジナルバージョンの独特のノリが堪りません。
でも軽いノリの「Proud Mary」を気に入って、このアルバムを購入すると痛い目に合うかもしれません。1曲目が究極のスワンプナンバーの①「Bayou Country」ですから。
とにかくどこまでもネチッこく、ポップな要素は微塵も感じられません。これがスワンプですね。ジョンのどなり散らすようなヴォーカルが素敵です。この泥臭さがいいですね~。
ちょっとカントリー&フォーキー風味な味付けの②「Bootleg」も私のお気に入り。この後CCRはシングルヒットメーカーとして、数多くのシングルヒット曲を発表していくのですが、この曲もポップではないですが、なかなかカッコイイナンバーです。
ジョンはロックンロールが大好きだったのですが、彼のお気に入りのナンバー、リトル・リチャードの「Good Golly Miss Molly」をこのアルバムでカバーしてます。④「Good Golly Miss Molly」、リトル・リチャード以上にシャウトし、すっかりCCRナンバーと化しております。
このライブ映像がまたカッコイイ~。リードヴォーカル&リードギターのジョン、やっぱりワンマンだな。
ちなみに③「Graveyard Train」や⑤「Penthouse Pauper」、⑦「Keep On Chooglin'」はもっとコテコテのスワンプ&ブルースナンバーなので、このアルバム、CCR初心者向けではないかもしれません。
でもこのアルバム、スワンプを世に広めたという意味で意義は大きく、CCRのなかでも個人的に結構好きなアルバムです。
ところでジョンの兄、トムですが、冒頭の証言にあるとおり、トムの声質もなかなかのものというところがずっと気になっていたのですが、今回YouTubeにトムの楽曲がアップされているのを発見。
なるほど、確かに悪くないし、やっぱりジョンに似ている(当たり前か)。というかジョンがトムに似ていると言ったほうがいいかもしれませんね。ジョンは自分と被ることを恐れていたのかもしれません。
そのトムも1990年にこの世を去ってしまっています。