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Longbranch/Pennywhistle「Longbranch/Pennywhistle」(1969)

竹内まりやさんの新譜が届きました。数年振りのCD新譜購入(笑)。コンサートチケットの抽選券が欲しかったから購入したのですが、ライナーノーツも非常に充実してます。特にまりやさんの曲解説は、曲に対するインスピレーションを膨らませてくれ、より味わい深く曲を聴くことが出来ます。
それにしてもCD収録の限界まで挑戦の18曲収録はお腹いっぱい…。

さて、今回はまりやさんもお好きだったイーグルスのグレン・フライとJ.D.サウザーのデュオ、ロングブランチ/ペニーホイッスルです。彼等が大成する前、1969年の作品です。
J.D.サウザーが亡くなられ、彼が残した音源をいろいろ聴いていたのですが、こちらも改めて聴いてみると、結構いいんですよね。

長いバンド名(笑)。グレンが「ロングブランチ」、J.D.が「ペニーホイッスル」を提案し、結局それをくっつけただけの話。それだけ二人の間は民主的だったのかもしれません。但しアルバムの中身はちょっと様相が変わります。グレンが2曲、グレンとJ.D.の共作が1曲、カバー(ジェームス・テイラーの楽曲)が1曲、そして残りの6曲はJ.D.の作品。デヴィッド・ゲフィンが、J.D.はソロの方がいいと判断した根拠は、こうしたライター気質に基づくものだったのかもしれません。一方、グレンは確かにバンド(イーグルス)でより一層の輝きを放つことになります。

本作参加メンバーはグレン、J.D.の他にジョー・オズボーン(B)、ジム・ゴードン(Ds)、ジェームス・バードン(G)のレッキングクルーのメンバーに、バディ・エモンズ(StG)、ダグ・カーショウ(Fid)、ラリー・ネクテル(Key)等といった豪華布陣。

イントロのジムのフィルインがカッコいい②「Run Boy Run」。
グレン作。グレンのヴォーカルを聴くだけで、初期イーグルスの世界観が拡がってきます。グレンの持ち味が発揮されてますね。
ギターソロはジェームス・バードンでしょうか。軽快なロックンロールナンバーです。

素晴らしいカントリーロックの⑤「Kite Woman」。
のちのJ.D.のファーストソロにも、イーグルスのようなフォーキーなアレンジで収録されていたナンバーですね。
こちらは、バディ・エモンズのスティールギターを効かせた、よりカントリーフレイヴァーなアレンジに仕上がってます。J.D.の持ち味が活かされてますね。

ファズギターがサイケしている⑥「Bring Back Funky Women」。
これはグレンとJ.D.の共作です。すごくベースの音が際立ってますよね。これこそジョー・オズボーンのプレイ。この曲はあまり「らしくない」感じですが、私的にはジョーのプレイを聴くための曲…と思ってます。彼等がサイケに近い音にチャレンジした様子が窺えます。

軽快なカントリーロックの⑦「Star Spangled Bus」。
後の繊細なJ.D.からはあまりイメージが出来ないロックンロールナンバー。ちょっとJ.D.がシャウト気味に歌っているのも珍しい。グレンがハモってくるサビなんか、いいですね~。

J.D.らしいフォーキーなナンバーの⑧「Mister, Mister」。
アレンジがちょっとスワンプっぽいですが、メロディ自体はJ.D.の魅力が詰まったナンバー。歌い方が、わざと力強く歌っているのか、後の繊細な「らしさ」は感じられませんが。

初々しい二人

J.D.サウザーのイーグルス加入には、ランディ・マイズナーが反対したという逸話も聞かれますが、結局この後、二人は別々の道を歩むことになります。但しJ.D.はイーグルスに最も近い男とも呼ばれるくらいにイーグルスの成長に貢献していきますし、自身もマイペースに音楽活動をしていきます。晩年はいぶし銀的にジャージーな曲をやったりして、いい歳の取り方をした方でしたね。

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