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毎日400字小説

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2023年10月24日~2024年10月23日 毎日1篇アップしました!
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2024年5月の記事一覧

毎日400字小説「アウト」

 夜中にドアがノックされて開けると下着のようなエロい格好をしたぶりんぶりんの美女がなだれ…

友直
8か月前
1

毎日400字小説「武器」

 たいしてかわいくもなく勉強ももちろんスポーツもできない、実家が貧しくてピアノとか習うな…

友直
8か月前
1

毎日400字小説「実家の駅で」

 かつては木枠のがたがたする跨線橋を渡って下り方面のホームのほうからしか出られなかったの…

友直
8か月前
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毎日400字小説「火遊び」

「ほんまに寝るだけですよ。手出したら噛みますよ」終電がなくなったと後輩が言うので、うちす…

友直
8か月前
2

毎日400字小説「噂」

 梶さんが最近変だと同じ棟の奥さんたちが噂しているのを聞いた時、高峰マキが思ったのは、ま…

友直
8か月前
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毎日400字小説「同級生」

 産休をとった先輩社員の代わりに補充されたのは一年契約の派遣社員だった。「山下さん教えて…

友直
9か月前
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毎日400字小説「双子」

 双子の兄貴である耕太が実家に戻ってくると聞いた時、ザマーミロと、おれはひそかに思った。耕太とはずっと二人だったから、高三の時、耕太が一人で東京行きを決め、おれに内緒で専門学校に入学手続きをしていたことを聞いた時は裏切られたと思った。「だって、言ったらお前も来るって言うじゃん」この兄のおそろしいところは、両親にも内緒で、入学金や何やかやを全部お年玉の貯金でまかなったところだった。行きたいって言ったところでおれのお年玉はほぼゼロに近い。学校で入れ替わりドッキリをしかけたところ放

毎日400字小説「廃屋」

 学校の帰り道にある二階建ての廃屋の前を通るとき、赤石若菜はいつも息を止め、両手の親指を…

友直
9か月前
2

毎日400字小説「大人になったら」

 大人になったら毎日スーツを着てきびきびと街を闊歩し、ときには外国人相手の商談にも出て、…

友直
9か月前
1

毎日400字小説「一〇二号室の人」

 一〇二号室には行ってはいけないとサユミは言われて大きくなった。いけないと言われるとやり…

友直
9か月前
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毎日400字小説「ある会社員」

 終業時間ちょうどにパソコンの電源を切り、デスクの上を整理して、一日置いていたマグカップ…

友直
9か月前
1

毎日400字小説「自由」

 朝ご飯作って片付けて、会社に行って変わり映えのしない仕事をして、帰ってきてまたご飯作っ…

友直
9か月前
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毎日400字小説「シーナ」

    シーナの唇は丸くてつやつやして、山形のちょっといいさくらんぼみたいで、見ているだけ…

友直
9か月前
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毎日400字小説「河川敷」

 足を止め、背中の上で眠ってしまった皓太をしっかりと揺すり上げてから、戸倉洋はふたたび歩き出した。背後で聞こえていた子供たちのはしゃぎ声も親たちの挨拶の声も、土手を上り、一つ目の橋に差し掛かるころにはもう聞こえなくなっていた。野球の応援の帰りだった。今年小学生になったばかりの息子は草野球チームの中で一番のチビで、今日の試合にもちろん出番は回ってこなかったけれど、ぶかぶかのユニフォームを着て、目を輝かせ、必死で応援していた。終わってから興奮した様子で洋のところに来た。「おれがが