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第8話 WAIS-Ⅳ知能検査を受けた話

予約した時間にいつものメンタルクリニックに行くと、前回と違うフロアの待合室に通されました。

程なくして私の番号が呼ばれ、指定された部屋に入りました。
そこはちょっと洒落た学校の保健室のような部屋で、検査は公認心理士と私の一対一、対面で行われました。

心理士に挨拶を済ませ、自宅で行った心理検査の用紙を提出し、検査が始まりました。

主観ですが、この日の検査は大きく3種類に分類できました。ペーパーテスト、数種類の積み木を用いたパズル、心理士との口頭による一問一答です。

ペーパーテストは単純な計算や熟語の読み書きもありましたが、時間内に不規則に並んだ☆や△の図形を別紙に書き写すものもありました。

積み木を用いたパズルは指定の形をなるべく少ない手順で作るというもので、「猿の惑星の冒頭にこんなシーンあったなぁ」とか思いながら取り組みました。

口頭による一問一答は、心理士が話す数字の羅列を逆順に復唱したり、あるワードについて可能な限り説明するという形式でした。
具体的には以下のようなやりとりで行われました。

心「“城”について説明してください。」
私「えと、大きな建物?建造物?で、立派で、世界中にあります…。」
心「もう少し詳しく。」
私「あー、戦争に備えて造られた物が多いと思いますが、もしかしたら時の権力者が自身の威光を示すためだったかも知れません。私はその時代の人ではないし、当時の人たちの生の声はもう聞けないので正確なところはわかりませんが…。」
心「もう少し。」
私「えー日本にも多くの城があって。あ、そうは言っても多くの方が認知しているのはおそらく天守閣のことで、実際には城郭や堀も含めて城と言うか、それも人によると思うんですが…。」
心「もう少し話してください。」
私「日本の城造りの技術が凄いみたいな番組を観た事があるんですが、それは生存者バイアスというか、現存してる天守閣や城郭は戦火で崩れなかっただけで、昔はもっとたくさんの城があったんだろうなぁとか思いました。…あ、城の説明でしたよね。脱線してしまいましたが…。」
心「続けてください。」

なんだこの人?意地悪なのか?と思いました。
検査結果を見た後の推測になりますが、おそらくこの時は説明中の私の様子や話すペースなどを観察していたのかなと思います。

検査時間はトータルで3時間くらいで、ヘトヘトになって帰ったのを覚えています。

結果は約2ヶ月後に出るとのことでした。この期間は「結局自分は発達障害なのか?それともただの怠慢気質なだけ?」と過剰に心配していました。

次回は心理検査結果が出て、心理士の言葉に心を救われた話をしたいと思います。
お楽しみに。

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