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【倫理の指導案】中国思想×ルールか、道徳か、はたまた武力か(孔子・孟子・荀子・墨子・韓非子)

本授業のターゲット生徒
威圧的な態度で周りを威圧する生徒(とその周辺の生徒)

なんでそんな威圧的なの?
相手を下に置きたいの?
アドラー心理学の目的論ではそうだけど。


結局、どんな人がのしあがれるの?



|授業の概要|

分野:中国思想(孔子・孟子・荀子・墨子・韓非子)
テーマ:ルールか、道徳か、はたまた、武力か。
目標:自身の立ち振る舞いを見つめ直すことができる。

|筆者の紹介|

この記事を書いている人:
ゆとりんり
新卒で倍率100倍の民間企業に就職後、教員に転職
教員採用試験の採用枠1枠に1発合格(働きながらの完全独学)
県に授業の研修用資料の提供や、学校の試験問題見本の作成を行う。
ブログで「ちょっと変わった授業アイデア」まとめてます。

|このページの見かた|


\導入/

クラスに不満を持っている人も少なからずいます。今回の授業は、そんな不満を話あう機会にしてもらいたい。

まずは生徒に考えさせましょう。何も知識を与えず、率直に。

みなさん。学校の先生は好きですか?自分の方がクラスの運営うまくできる!と自信を持っている人いませんか?今日は集団をまとめる側について考えます。

集団をまとめる時、ルールか、道徳か、はたまた武力(権力)どれでまとめるとまとまると思いますか?

スライド1枚目
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\展開(時代背景の紹介)/

何事も歴史を振り返れば学びになります。法を選んだらどうなるか、道徳を選んだらどうなるか。

こんなことを生徒に伝えると「じゃあ現代が法だから、法やん。」と言われそうですが、そんな単純な話ではありません。

1つ1つ考えながら見ていきましょう。

歴史を振り返れば、為政者が何を選んだかはわかります。なぜそれを選んだのか、みなさんは説明できますか?大事なのは理由です。

スライド3枚目

まあ、結果論で言えば、日本も今は法を重要としていますが、たとえば戦国の世の中で、みなさんがその国のアドバイザーなら、どんなアドバイスを送りますか?戦争の世の中で「法でいきましょう」と言えますか?

スライド4枚目

法は確かに便利ではあるのですが、なんのために法を用いるのか、なぜ法を用いるのか、など考え始めたら結構深ぼる必要があります。

今回の内容は、漫画『キングダム』でもお馴染みのものになっています。これを勉強すれば、もっと面白く読めるかもしれません。

ちなみに、初めて中華統一を果たす「秦」という国は「法」を重視しました。これが答えではありませんので、考える準備しといてください。

スライド5枚目・6枚目
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一応こんな図も作ってみました。生徒の参考にもなりますし、頭に入れやすいかと思います。ぜひ使ってみてください。

※受験まで使える図ですので、ぜひ板書をとらせたいところです。

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この段階では「法」に注目しているので、その流れで法家「韓非子」からみていきます。倫理ぽい着眼点で見ていき、儒家への自然な流れを作ります。

では、最初の質問(クラス運営に必要なもの)で「ルール」と答えた人。なぜルール(法)が必要なのか答えてください。

スライド8枚目

法家の韓非子は戦乱の世を道徳で収めるのは不可能と考え、法律と刑罰を重視しました。なお、秦国では「李斯(りし)」という法家の人物が登用されています。

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でも、根本を考えてみてください。人間が元々良い存在であれば、法律なんかいらないですよね?みなさんは人間はどっちだと考えますか?

スライド9枚目
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\展開(孟子・荀子)/

人間は生まれつき悪であるから、何かで強制する。という考え方で法につながります。根本が大切であるという認識を持たせた上で、孟子と荀子につなげましょう。

人間の善悪について述べた思想家2人を紹介します。人間はどんな存在なのかの定義次第で、どんな政策にするかは変わりますよね。みなさんは最初そこまで考えることができましたか?

スライド10枚目
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この後に「性善説」と「性悪説」の説明スライドを1枚ずつ付けています。性善説の方は「四端の心」を並べていますが、例はあえて付けていません。ご自身の経験をもとに自由にしゃべっちゃってください!



\展開(孔子)/

全ての根源にいる人も忘れずいきます。生徒も最初こそ「法が大切」と思っていたかもしれませんが、問い方次第でブレるほど、脆いものだと思います。問い方を変えて、質問してみましょう。

戦の時代と現代で「トップの資質」は違うかもしれません。みなさんの考えを教えてください。正直トップに大切なものって何だと思いますか?

スライド15枚目
スライド15枚目


孔子がトップに求めたものは何だったのか。その核となる「仁」と「礼」について、具体的な説明をここでしていきます。
「克己復礼為仁」という言葉をもとに、漢文の書き下し文や訳も交えたスライドも用意しました。古文の要素も盛り込んでいます。

孔子が目指すのは人格者による人間愛溢れた社会です。ですが、「仁」とか「礼」ってそもそもなんだって話ですよね。説明します。

スライド16枚目
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孔子思想では、近親者への内面がメインです。そして内面は内面で外に出ないため、「礼」という外に出す重要性もといています。

スライド17枚目
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\展開(現代に道徳はあるのか)/

「法で治める」は容易に想像できるかと思いますが、「道徳で治める」ってなんだという話です。古代中国では重視されたみたいですが、現代にも通じるものはあるのでしょうか。

これについて考えるべく、一つ攻めたスライドも入れています。ご自身のキャラに合わせて使ってください。(消しても全然OKです)

今この時代に「人間愛」てありますか?「愛」足りていますか?身の回りの人間愛について共有してみましょう。

スライド18枚目
スライド18枚目



\まとめ(墨子と現代)/

触れていない項目に触れていきます。「武力(権力)」です。

かつては武力でも良かったかもしれませんが、現代はどうでしょう?
ただ、武力の世にもこのような人物はいました。墨子は孔子の思想は家族中心だ!と批判し、社会全体でお互いを大切にしあうことを提唱します。

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さらに戦乱の中「非攻論」を唱えます。戦争の中でも攻撃は良くないと。

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最後は議論で終えます。まるで朝まで生テレビ。

現代でも武力に似た統治法をとる人は少なからずいます。でもそれに対し、何も言えないのも事実。街中のオラオラにも何も言えないし…。現代の武力統治ってどうなの?

スライド21枚目
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授業に関して、中国思想は続きがあります。東京書籍の教科書では薄く扱われている範囲ですが、やる価値のある範囲です。

こちらも合わせて参考にしてください。私が友人に言われた一言をもとに作った授業です。


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