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GRスナップ vol.23 学生時代にカメラを持っていたら。

「学生時代にカメラを持っていたら、どんな写真を撮っていたのだろう。」そんな妄想をしていた。
友達と過ごす学校生活や通学路の景色。当時は当たり前だったことも、今となっては手が届かない憧れの瞬間だ。

そんなことを考えていたら、久しぶりにあの街を歩いてみたくなった。

田んぼ道の間を走る1時間に一本の電車。
降りたところで何もない場所だったから、学生時代は途中下車することなどほとんどなかった。
カメラを持った今の僕は、何を感じ、何を写すのだろう。



電車を降りて数分。「何もない」だなんてとんでもない。
目を奪われる光景ばかりで、なかなか先に進むことができない。

当時は見向きもしなかった景色だろう。
今だからこそ目を向けることができた気がする。



駅の近くに湖があるのを覚えていた。
あそこにも行ってみよう。


湖を囲うように民家や学校が建っている。
神秘的な木
こんなに空が広く見える場所は
都会ではなかなか見つけられない。
どれひとつとっても特別な景色だ。
浮いているのは枯れた蓮の花とポッカレモン。
ベンチに描かれた可愛らしい絵。


湖の周りを歩いていると、「カワセミはもう飛んでいた?」と話しかけられて、一瞬とても驚いてしまった。
そういえば、昔はよく街の人に声をかけられて、こういう他愛もない話をしていたのだった。
それぞれが一定の距離感を保つ社会でしばらく生活を送っていたから、こういう分け隔てのない文化が新鮮に感じられた。


ここからしばらく写真が続く。
たしかに閑散とした景色が続く道もある。
駅から遠ざかるほどに畑が広がり始める。
しかし今の僕にとって「何もない」ということは
特別ですらある。都会には存在しない、
「何もない」が在る。といった感じだ。
何もないとは言うものの、
畑にバスタブが落ちてたりもする。
都会と比べ情報量の少ない田舎道を
ゆっくりと歩くうちに、
頭の中のごちゃごちゃとした思考が
リセットされていく気がする。
こういう道をたくさん歩いた。
コンビニの駐車場はやはり広い。
28mmでも写しきれない。
駅の改札

あぁ楽しかった。
こんなにシャッターを切ったのはいつぶりだろう。
絞りきれずに60枚も写真を載せてしまった。

当時は何もないように思えた街も、いま歩けば、3時間では歩き足りないほど魅力的に思えた。
次の休日は母校までの通学路を歩いてみようと思う。

僕のように「学生時代にカメラを持っていれば」と思う人はけっこういるはずだ。
今となってできることは、思い出の場所をスナップするくらい。あのとき一緒に過ごした友達の表情までは写すことができない。
だから学生の皆さんには、カメラを持って学校生活を記録ほしい。

写真には「時間が経てば経つほど価値を増す」という特別な性質がある。
学生時代に撮った写真は、将来計り知れない価値を持つようになる。だからこそ「今」残すことが大切なのだ。(学生に限らず僕たちも)

スマホもいいけど、カメラには持っているだけで「撮りたい!」と思わせてくれる不思議な力がある。
高くなくていいし、小さなものでいいから(むしろ小さいほうがいい)、カメラを携帯して生活することをおすすめする。

参考までに、僕が使っているカメラはGRIIというカメラ。コンパクトデジカメの中ではやや高価な部類かもしれないが、大型のカメラのようにRAW画質(編集がしやすい形式)でデータを保存できる。


編集が難しいと感じるのであれば、オールドコンデジもいいと思う。(僕ならこれを買う)
綺麗に写るスマホのカメラと違って、味のある写真を残すことができるだろう。

写真を始めるなら今この瞬間。
どれだけの学生さんに、このメッセージが届くかわからないけど、誰か1人でも学校生活をもっと記録しようと思ってくれたらいいな。

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