なぜ解約率をKPIに置いてはいけないのか。
なぜ解約率をKPIに置いてはいけないのか。
その答えは単純で守りに入ってしまうからである。
カスタマーサクセスは守りの組織なのではないか?
このように思う方も当然いるんだろうが、はっきり言おう。
カスタマーサクセスは守りより攻めが大事だと。
サポートじゃなくて成功をつくらないといけないから当たり前じゃね?
と思っているそこのあなた。
大甘です。九州の醤油くらい甘い。
その言葉通り実践できてますか?言葉通りの組織になってますか?
今一度自分の手を胸に当てて聞いてほしい。
守りに入ることのデメリット
あなたは世の中に転がっているカスタマーサクセスの本を読んで、
解約させないことが大事なんだと、とりあえず解約率をKPIに置いていることでしょう。
解約させないためにはどうしたらいいのかを考えすぎるとどんなことが起こるか。
トークが受け身になります
プロダクトの設計も受け身になります
意見出しも受け身になります
トークが受け身になるとは?
トークが受け身になるとはどういうことか?
例えばこの記事では解約をちらつかせたカスタマーには余裕をもって対応しろ!
って言ってるんですけど、解約率をKPIに置くと余裕がなくなります。
なぜなら、「解約率が上がる。ヤバい!」となるからです。
辞めないでくださいの一点張りで余裕もクリエイティブさも失われます。
目の前のカスタマーが辞めると言っているのに、余裕ぶっかまして話せる優秀な社員ばかりならいいですが、ここに到達するにはある程度の経験が必要です。
私はそれに気が付くまで5年近くはかかりました。
もっと早い人もいるでしょうけど、10年たっても気が付かない人もいると思います。
あなたのチームや会社はそれに気が付いてもらうまで育てるとかそんなこと言ってる余裕はありますか?
そんなこと言っている余裕はないはずです。
プロダクトの設計が受け身に
解約されないようにするには、「解約方法を分かりにくくする。」
という方法があるとおもいます。
そんなことをしてしまったらもう終わりです。
持続的な成長を止めてしまうからです。
辞めさせないようにするにはどんな設計にすればいいんだと脳内が支配されてしまい、なにがカスタマーファーストなのかを考えられなくなります。
意見出しが受け身に
私の記事を読んで下さればもうわかることなんですが、
解約率に囚われると「解約されないためにはどうすればいいのか。」
というのが活動の基準になってしまいます。
「現状維持は退化」なんて言葉がありますがまさにその通りで、
「解約されないためには丁寧なサポートが必要だ。」
その言葉を信じ根拠も目的もなくカスタマーにサポートをするだけの組織になってしまいます。
そうしてカスタマーは「なんかいつも同じサポートだし意味なくね?」と新鮮さや価値をを感じなくなってきます。
カスタマーサクセスの怠慢がばれる瞬間です。
それでもってそれで気持ちよくなってしまうカスタマーサクセスとカスタマーが大量発生してしまうんだから良くないです。ほんと。
こんな活動になってしまったら相当な大鉈を振るわないと攻めの組織には転換できません。
じゃあ何をKPIに置いたほうがいいのか
これだけで記事を作りたいんですけど、一言で言い表すなら前向きなものを置いてください。
「解約率→利用率」
これだけ見たらどうでしょうか?
利用率が高いカスタマーってそのプロダクトをいいと思っているから使ってくれているんですよね?
そんな状態なら解約はしないし、他の部署や会社に紹介してくれるかもしれない。利用率を上げるためのアイディアがどんどん出てきてプロダクトに意見も出せたら最高じゃないですか。
当たり前のことなんですけどこの当たり前をあえて語りたい。
そう思わせるくらいカスタマーサクセスはまだまだ伸びしろがあると私は思っています。