野菜を食べなくても,食べることができなくても何日平気?
我が家ではなるたけ様々な野菜を毎日調理するよう心掛けている。義母のところに行くとそうはいかなかった。たいてい訪問すると2,3週間はそこに滞在したのが、私は毎度野菜が少ないことに平行することになった。
だいたいノルウェーの食事(たいていのヨーロッパでの食事は)はディナーの時にしか野菜は食べれない。
ある日、一日中、何の野菜も口にすることがなかった。次の日、やっと1本のニンジンを食べることができた。全く丸ごと生で、だった。そんな食生活でも誰も文句を言わない。ある時は、お願いしてかってにキャベツの葉っぱをもいで食べたことがあった。まるでキリギリスになった気分・・・。義兄などはそこまでして野菜を食べる必要があるのか、と言うような目で私を見ていた。
ノルウェー人はそのかわりチーズなどの乳製品をたっぷり食べる。それでミネラルを摂取している、と誰かが言っていた。そんな食生活で本当に体の方は間に合うのだろうか。夫の一番上の兄、姉も90歳を超えて大きな病気をしていない、と言うことはそんなに大きな声で野菜、野菜と言うこともないのかと思ってしまう。
だが、日本人が欧米人に比べて若く見えるというのは、野菜が関係してはいないだろうか。ノルウェーに住んでいた時、私も随分と若く見られた。もう30歳近かったのに、近所の子供たち、10歳~12歳くらいの子供たちにやたらと声をかけられた・・・友達になりたかったみたいだった。
十年ほど前、夫とオランダベルギー、そしてルクセンブルグに旅をした。それまではそう感じたことがなかったのにその旅である発見をした。ティーンエージャー、あるいは、まあまあ20そこそこの女性は目に入るのだが、上は次の年代の40、いや50代以上の人しか見かけなかった。間の人たちが目に入らないのである。さて、これはどういうことなのか?
アムステルダムからブリュッセルまでの電車に乗った。そろそろブリュッセルの中心街に差し掛かったところで、どの駅で下車するのが最適か聞くために目の前にいた夫婦に話しかけた。
その50代と思える女性と男性、つまり夫婦には3歳ほどの子供が一緒だった。最初はその子供を彼らの孫かと思ったのだが、彼らとの話が進むうちに、それは間違いで、子供は彼らの娘だということが判明した。
ヨーロッパ人は子供が生まれたころから急に年を取る、と言うのか。彼らが野菜を食べないから、としか思えなかった。
だが、それは伝統的なものがあるとしても日本とは食糧事情が違うということもあるようだ。日本好きでよく日本にやってくるドイツの友人が私たちにぽつりと言ったことがある。
日本はこんなにも食べ物が豊富だけれど、向こうでは手に入るもの、目の前にあるものを食べなければならない」
長年、ノルウェーの大学で教鞭をとっていたドイツの友人の弁である。この意見は彼としてはノルウェーのこと、ドイツのこと、両方に当てはまるというのである。
日本に帰り台所に立って私の実感したことでもあった。
「日本は贅沢だ」とも思った。