Pierre Hermè ピエールエルメの自叙伝
かなり久しぶりのnoteになる。
自分のお店を出して、
かれこれ4ヶ月が経とうとしているが、
夏も終わり、少し、
いや大分落ち着いてきたので✍️
ここ数ヶ月、あまり本を読む時間も取れず、
今までのように本を読めなかったが、
久しぶりに面白い本に出会った。
それがピエールエルメ氏の初の自叙伝
【ピエールエルメ語る】
日本でもやはりパティシエじゃなくても
知っている人は多いでしょう。
多分、
世界で1番有名なパティシエではないでしょうか。
今はセブンイレブンやミスタードーナツなど、
様々な企業とコラボしたりと
多方面で活躍をしているエルメさんの
これまでのストーリーが
本人の口から喋られのは中々聞けない。
彼の業績はよく聞くけど
本人から聞くと深いストーリーや経緯などが
書いてあり、
やはり凄い人だなぁと思った。
彼のお菓子といえば1番に出てくるのは
やはり
【マカロン】でしょう。
今はカラフルなのが
当たり前ですが
これも彼が考えたもの。
昔はシンプルな茶色やあっても少し色がって
味も定番のチョコだけだった。
それが20年たった今、
マカロンはこれが当たり前になった。
これは本当にすごいことだと思う。
今の洋菓子はエルメさんなしでは語れない。
今の人は
誰も色なしのマカロンなんて作らないし
それをみてもマカロンだとは思わないでしょう。
一つのお菓子をここまで有名にし
今尚、世界で愛されているものをつくるなんて
すごいです。
そしてもう一つの代表作は
【イスパハン】
ピエールエルメの代表作のイスパハン
「ライチ、バラ、フランボワーズ」
この3つ味の組み合わせ
昔はムースケーキでしたが、
進化して今のスタイルになりました。
バラや花をスパイス使ったデザートを
世に広げたのも間違いなく
エルメさんです。
この辺のストーリーは
とても面白い。
今や、田舎のケーキ屋でも
この組み合わせを見かけることがあるくらい
世界中のパティシエが
この組み合わせのケーキを出しているし
ほぼまんまこのスタイルで出しているお店も少なくない。
エルメさんの昔働いていた
ラデュレでも
いまだにやはり販売されています。
この写真みて
今は普通に思いますが、
これもエルメさんが提案した売り方です。
ケーキを指輪などの
ブティックのように
平のショーケースでケーキを売る。
昔は2,3段のショーケースにケーキを並べるのが普通でしたが
1段のショーケースにしたのは彼の功績。
これは当時かなり、
オーナーに反対されたそうですが、
彼がなんとか説得して
この売り方をして、
今では多くのパティスリーが
一段でオシャレにケーキを並べて売っています。
そして
【季節商品】
を作った人でもある。
今は栗の時期にモンブラン
かぼちゃの時期はカボチャプリン
桃のショートケーキ
など普通ですよね、
でも20年前はそんなのなかった。
イチゴのない時期に苺を食べるみたいなのが
富裕層のステータスだったんだとか
なので、フルーツは缶詰だったり
季節のものは数週間しか売れないから
すごい嫌がられたらしい。
それを今ではやらない店はないですよね??
知らない人も多いかもしれないが
ピエールエルメのお店の特徴として今も
この季節商品は「フェティッシュ」
という名前でやっている。
1月から12月まで
1ヶ月ごと変わる。
彼の特徴として先ほども書いた
「ライチ、バラ、フランボワーズ」
この組み合わせは【イスパハン】
その他にも
ピエールエルメパリのお菓子には
組み合わせに名前がついている。
「クリームチーズ、オレンジ、パッションフルーツ」は【サティーヌ】
「いちご、ルバーヴ、パッションフルーツ」
は【セレスト】
「栗と洋梨」は【オマージュ】
などなど何種類もの組み合わせがあり、
それが1ヶ月ごと旬のフルーツのフェティッシュに変わる。
フェティッシュイスパハンの月なら
シュークリーム、チーズケーキ、マカロン、
エクレア、ミルフィーユ、パウンドケーキ
など全てイスパハンの組み合わせに変わる。
もちろん、定番の商品もあるが、
フェティッシュの期間しか出ないものは
一年に一回しか食べられない。
このように文化を作った人。
文化を作るって一つでも大変なのに
それも何個も、この数十年で。
まぁこれは結果論ですが、
相当苦労して、色々あったらしいです。
パティシエだからこそ
面白いのかもしれないし
ピエールエルメにいたからこそ
面白いのかもしれないけど
関係ない人でも
お菓子が好きな人なら
面白い本です。
色々、彼の思い出のレシピなども
たくさん載っているし、
彼のブランド、お菓子への
愛情ややり方が沢山語られています。
彼はほとんど、喋らないと聞いたことあるし
メディアもそんなに出る方ではない彼だからこそとても貴重な時間を過ごせた。
彼は間違いなく
生きる伝説であり、
今後、フランス菓子を語る上で何十年と語り続けるだろう。
そんな彼と同じ時代に生きていることを
嬉しくも思い、
そして、彼のように新しい味を創造したいとも思う。
この本を読んで
またピエールエルメのお菓子を味わってみたくなった。
彼のストーリーを思い出し、
どんなふうに作られたのかを
知ってると知らないとでは感じる味は
全然違う。
お店を出したら
普段は
もう教わることはほとんどないけれど
この本に出会えたことはとても良かった
本はやっぱり素晴らしい。
普段の仕事の創造にも
力が入ります。
それではまた
ちょこちょこと
書いていきたいと思います。